【端末設備等規則 技術的条件】  


  第1章  総則

  【 用語の定義 】  第2条

電話用設備 電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であって、主として音声の伝送交換を目的とする電気通信役務の用に供するもの
アナログ電話用設備 電話用設備であって、端末設備等の接続点においてアナログ信号を入出力とするもの
アナログ電話端末 末設備であって、アナログ電話用設備に接続される点において2線式の接続形式で接続されるもの
移動式電話用設備 電話設備であって、端末設備又は自営電気通信設備との接続において電波を使用するものを言う
移動電話端末 端末設備であって、移動電話用設備に接続されるものをいう
無線呼出用設備 電気通信事業のように供する電気通信回線設備であって、無線によって利用者に対する呼び出しを行うことを目的とする電気通信役務の用に供するものをいう
無線呼出端末 端末設備であって、無線呼出用設備に接続されるものをいう
総合デジタル通信用設備 電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であって、主として64キロビット毎秒を単位とするデジタル信号の伝送速度により、符号、音声その他の音響又は影像を統合して伝送交換することを目的とする電気通信役務のように供するものをいう
総合デジタル通信端末 端末設備であって、総合デジタル通信設備に接続されるものをいう
専用通信回線設備 電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であって、特定の利用者に当該設備を専用させる電気通信役務の用に供するものをいう
デジタルデータ伝送用設備 電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であって、デジタル方式により、専ら符号又は影像の伝送交換を目的とする電気通信役務の用に供するものをいう
専用通信回線設備等端末 端末設備であって、専用通信回線設備又はデジタルデータ伝送用設備に接続されてものをいう
発信 通信を行う相手を呼び出すための動作をいう
応答 電気通信回線からの呼び出しに応ずるための動作をいう
選択信号 主として相手の端末設備を指定するために使用する信号
直流回路 電気通信回線設備に接続して第1種電気通信事業者の交換設備の開始及び終了の制御を行うための回路
絶対レベル 一の皮相電力の1mWに対する比をデシベルで表したもの。通常は用いられるdbmと同様。
通話チャネル 移動電話用設備と移動電話用設備の間に設定され、主として制御信号の伝送に使用する通信路をいう
制御チャネル 移動電話用設備と移動電話用設備の間に設定され、主として制御信号の伝送に使用する通信路をいう
呼設定用メッセージ 呼設定用メッセージ又は応答メッセージをいう
呼切断用メッセージ 切断メッセージ、解放メッセージ又は解放完了メッセージをいう

  第2章  責任の分界


  【 責任の分界 】  第3条
1.利用者の接続する端末設備は、事業用電気通信設備との責任の分界を明確にするため、事業用電気通信設備との間に分界点を有しなければならない

2.分界点における接続の方式は、総務大臣が別に告示するもの又は端末設備を電気通信回線ごとに事業用電気から容易に切り離せるものでなければならない


  第3章 安全性等

  【 漏えいする通信の識別禁止 】  第4条
端末設備は、事業用電気通信設備から漏えいする通信の内容を意図的に識別する機能を有してはならない


  【 鳴音の発生禁止 】  第5条
端末設備は、事業用電気通信設備との間で鳴音(ハウリング)を発生することを防止するために総務大臣が別に告示して定める条件を満たすものでなければならない


  【 絶縁抵抗等 】  第6条
1.端末設備の機器は、その電源回路と筐体及びその電源回路と事業用電気通信設備との間に次の絶縁抵抗及び絶縁耐力を有しなければならない

T 絶縁抵抗は、使用電力が300ボルト以下の場合は、0.2メガオーム以上であり、300ボルトを越え、750ボルト以下の直流及び300ボルトを越え600ボルト以下の交流の場合は、0.4メガオーム以上であること

U 絶縁耐力は、使用電圧が750ボルトを越える直流及び600ボルトを越える交流の場合は、その使用電圧の1.5倍の電圧を連続して10分間加えたときこれに耐えること

2.端末設備の機器の金属製の台及び筐体は、接地抵抗が100オーム以下となるように接地しなければならない。ただし、安全な場所に危険のないように接地する場合は、この限りではない


  【 過大音響衝撃の発生防止 】  第7条
通話機能を有する端末機器は、通話中に受話器から過大な音響衝撃が発生することを防止する機能を備えなければならない


  【 配線設備等 】  第8条
1.利用者が、端末設備を事業用電気通信設備に接続する際に使用する線路及び保安器その他の機器は、次の各号により設置されなければならない

T 配線設備等の評価雑音電力は絶対レベルで表した値で定常時においてマイナス64デシベル以下であり、かつ最大時においてマイナス58デシベル以下であること

U 配線設備等の電線相互間及び電線と大地間の絶縁抵抗は、直流250ボルトの電圧で測定した値で1メガオーム以上であること

V 配線設備等と強電流電線との関係については有線電気通信設備令第11条から第15条まで及び第18条に適合するものであること

W 事業用電気通信設備を損傷し、またはその機能に障害を与えないようにするため、総務大臣が別に告示するところにより配線設備等の設置の方法を定める場合にあっては、その方法によるものであること


  【 端末設備内において電波を使用する端末設備 】  第9条
端末設備を構成する一の部分と他の部分相互間において電波を使用する端末設備は、次の各号の条件に適合するものでなければならない

T 総務大臣が別に告示する条件に適合する識別符号(端末設備に使用される無線設備を識別するた めの符号であって、通信路の設定に当たってその照合が行われるものをいう)を有すること

U 使用する電波の周波数が空き状態であるかどうかについて、総務大臣が別に告示するところにより判定を行い、空き状態であるときのみ通信路を設定するものであること。ただし、総務大臣が別に告示するものについてはこの限りではない

V 使用される無線設備は、一の筐体に納められており、かつ、容易に開けることができないこと。ただし、総務大臣が別に告示するものについては、この限りではない 


  第4章  アナログ電話用設備に接続される端末設備


  【 基本的機能 】  第10条
 アナログ電話端末の直流回路は、発信または応答を行うとき閉じ、通信が終了したとき開くものでなければならない


  【 発信の機能 】  第11条
アナログ電話端末は、発信に関する次の機能を備えなければならない

T 自動的に選択信号を送出する場合にあっては、直流回路を閉じてから3秒以上経過後に選択信号の送出を開始するものであること。ただし、電気通信回線からの発信音またはこれに相当する可聴音を 確認した後に選択信号を送出する場合はこの限りではない

U 発信に際して相手の端末設備からの応答を自動的に確認する場合にあっては、電気通信回線からの応答が確認できない場合選択信号送出終了後2分以内に直流回路を開くものとする

V 自動再発信を行う場合(自動再発信の回数が15回以内の場合を除く)にあっては、その回数は最初の発信から3分間に2回以内でなければならない。この場合において最初の発信から3分を越えて行われる発信は、別の発信と見なす

W 前号の規程は、火災、盗難その他の非常の場合にあっては適用しない


  【 選択信号の条件 】  第12条
アナログ電話端末の選択信号は、次の条件に適合するものでなければならない
T ダイアルパルスにあっては、別表第1号の条件
U 押しボタンダイアル信号にあっては、別表第2号の条件

ダイアルパルスの種類 ダイアルパルス速度 ダイアルパルスメーク率 ミニマムポーズ
10パルス毎秒方式 10±1.0パルス毎秒以内 30%以上 42%以下 600ms以上
20パルス毎秒方式 20±1.6パルス毎秒以内 30%以上 36%以下 450ms以上


注1:ダイヤルパルス速度とは、1秒間に断続するパルス数をいう
注2:ダイヤルパルスメーク数とは、ダイヤルパルスの接(メーク)と断(ブレーク)の時間の割合をいい、次式で
    定義するものとする
     ダイヤルパルスメーク率={接時間÷(接時間+断時間)}×100%
注3:ミニマムポーズとは、隣接するパルス列間の休止時間の最小値をいう

《別表第2号》 押しボタンダイアル信号の周波数
押しボタンダイアル信号 周波数
697Hz及び1209Hz
697Hz及び1336Hz
697Hz及び1477Hz
770Hz及び1209Hz
770Hz及び1336Hz
770Hz及び1477Hz
852Hz及び1209Hz
852Hz及び1336Hz
852Hz及び1477Hz
941Hz及び1336Hz
941Hz及び1209Hz
941Hz及び1477Hz
697Hz及び1633Hz
770Hz及び1633Hz
852Hz及び1633Hz
941Hz及び1633Hz


《別表第2号》 その他の条件
項目 条件
信号周波数偏差 信号周波数の±1.5%
信号送出電力の許容範囲
(低群周波数)
図1に示す
信号送出電力の許容範囲
(高群周波数)
図2に示す
信号送出電力の許容範囲
(2周波電力差)
5db以内、かつ低群周波数の電力が高群周波数の電力を超えないこと
信号送出時間 50ms以上
ミニマムポーズ 30ms以上
周期 120ms以上

 
 注1:低群周波数とは、697Hz、770Hz、852Hz及び941Hzをいい、高群周波数とは、1209Hz、1336Hz、
    1477Hz及び1633Hzをいう
 注2:ミニマムポーズとは、隣接する信号間の休止時間の最小値をいう
 注3:周期とは、信号送出時間とミニマムポーズの和をいう




  【 直流回路の電気的条件 】  第13条

《第1項 直流回路を閉じているときの電気的条件》
直流回路の直流抵抗値は、20ミリアンペア以上120ミリアンペア以下の電流で測定した値で50オーム以上300オーム以下であること。ただし、直流回路の直流抵抗値と第1種電気通信事業者の交換設備からアナログログ電話端末までの線路の直流抵抗値の和が50オーム以上1700オーム以下の場合にあっては、この限りではない

選択信号送出時における直流回路の静電容量は、3マイクロファラッド以下であること

《第2項 直流回路を開いているときの電気的条件》
直流回路と大地の間の絶縁抵抗は、直流200ボルトで測定した値で1メガオーム以上であること


  【 アナログ電話端末の送出電力の許容範囲 】  第14条
アナログ電話端末の送出電力の許容範囲は、別表第3号のとおりとする

項目 アナログ電話端末の送出電力の許容範囲
4KHzまでの送出電力 −8dbm(平均レベル)以下で、かつ、0dbm(最大値)を超えないこと
不要送出レベル
(4KHzから8KHzまで)
−20dbm以下
不要送出レベル
(8KHzから12KHzまで)
−40dbm
不要送出レベル
(12KHz以上の各4KHz帯域)
−60dbm


注1:平均レベルとは、端末設備の使用状態における平均的なレベル(実効値)であり、
    最大レベルとは、端末設備の送出レベルが最も高くなる状態でのレベル(実効値)とする
注2:送出電力及び不要送出レベルは、平衡600Ωのインピーダンスを接続して測定した
    値を絶対レベルで表した値とする
注3:dbmは、絶対レベルを表す単位とする


  【 漏話減衰量 】  第15条
複数の電気通信回線と接続されるアナログ電話端末の回線相互間の漏話減衰量は、1500ヘルツにおいて70デシベル以上でなければならない


  【 移動電話端末の基本的機能 】  第17条
移動電話端末は、次の機能を備えなければならない
T 発信を行う場合にあっては、発信を要求する信号を送出するものであること
U 応答を行う場合にあっては、応答を確認する信号を送出するものであること
V 通信を終了する場合にあっては、チャネル(通話チャネル及び制御チャネルをいう。以下同じ)を切断する信号を送出ものであること


  【 発信の機能 】  第18条
移動電話端末は、発信に関する次の機能を備えなければならない

T 発信に際して相手の端末設備からの応答を自動的に確認する場合にあっては、電気通信回線からの応答が確認できない場合、選択信号送出終了後1分以内にチャネルを切断する信号を送出し、送信を停止するものであること

U 自動再発信を行う場合にあっては、その回数は2回以内であること。ただし、最初の発信から3分を超えた場合にあっては、別の発信と見なす

V 前号の規程は、火災、盗難、その他の非常の場合にあっては適用しない


  【 送信タイミング 】 第19条
 移動電話端末は、総務大臣が別に告示する条件に適合する送信タイミングで送信する機能を備えなければならない


  【 ランダムアクセス機能 】  第20条
 移動電話端末は、総務大臣が別に告示する条件に適合するランダムアクセス制御(複数の移動電話端末からの送信が衝突した場合、再び送信が衝突することを避けるために各移動電話端末がそれぞれ不規則な遅延時間の後に再び送信することをいう)を行う機能を備えなければならない


  技術的条件


パケット交換・回線交換の接続


  【 電気的条件 】  第3条
パケット(回線)交換端末等は、別表第1号の条件に適合しなければならない

電気的条件の規格
項目 許容範囲
送出電圧 6.9Vp−p以下
受信側インピーダンス 75Ω以上

  ISDN端末等の接続


  【 基本的機能 】  第3条
総合デジタル通信端末等は、発信、応答及び通信を終了するとき、別表第1号に示すメッセージを送信する機能を備えること

《別表第1号 メッセージの種類と情報要素》
プロトコル識別子 呼番号 メッセージ種別 伝達能力 理由表示
呼設定
応答
切断
解放
解放完了


各情報要素の機能
情報要素 機 能
プロトコル識別子 ITU-T勧告Q.931呼制御用メッセージまたは他のメッセージかを識別する
呼番号 一つのチャネル上での呼を識別する
伝達能力 情報伝達能力、情報転送速度、転送モードなどの伝達能力を指定する
理由表示 切断時などの理由を表示する
メッセージ識別 呼の設定、応答、解放などの送られているメッセージの種別を識別する




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