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Flame War

Flame war

Joshua Quittner & Michelle Slatter著
William Morrow & Company, Inc.刊
1997年(ハードカバー=左の画像)、1998年(ペーパーバック)
定価$24(ハードカバー)、$24(ペーパーバック)
ISBN0-688-14366-0(ハードカバー)、
ISBN038072586X(ペーパーバック)


ノンフィクションのハッカーものMasters of Deception(邦題 サイバースペースの決闘 角川書店刊)を書いた二人が、フィクションで書いたミステリー。(この人、最近はネットスケープの急成長(と、マイクロソフトの応戦)の物語Speeding the Netを書いています。)

Amzon.comの書評では、ハードカバー版は、聞いたような話、生き生きとしていない人物像、公開鍵の暗号について、てっとり早く知りたい場合なら、許せるかも、という調子のきつい評価。一方、ペーパーバック版の評価は、なかなか面白いスリラー、と分かれています。
私は、ハードカバーを読みましたが、ペーパーバック版の評価に賛成。
法学部を出て、弁護士になる前、郷里の山荘でアルバイトをしている主人公Harry Garnetが、お客の学者と娘のところに小包を届けます。学者が小包の中に入っていたFDをパソコンに入れると、プラスチック爆弾が爆発し学者は即死します。
残された娘、Amie Amesと、Harryは、連続パソコン爆破事件の謎をおって、政府のPatriot公開鍵暗号標準化に反対する活動に関与しはじめ狙われ続けます。

一時話題になったアメリカ政府推奨の公開鍵暗号システムの問題について、分かりやすく説明する本とも言えそうです。
日本では政府の公開鍵暗号は、これから問題になるか、というより、おそらくは新ガイドラインのように、全く問題にならないままこっそり制定されてしまうのでしょう。どういう狙いで導入されるのか分かりやすく予習できるミステリーといえそうです。

昔、某ネットで不毛なフレーム戦争の、ほとんど当事者となるという体験(ロシア語が原因でした)をしたので、フレームワーという題名から、怖いもの見たさで読んだだけなのです。罵詈雑言でやりあう、愚劣なフレーム戦争など全くでて来ません。その意味に限っては期待はずれでした。

1998/10/27記

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