<旧車シリーズ 803>


DAIHATSU MIDGET (MP4)


 
DK型/DS型の初代ミゼットで軽三輪ブームを巻き起こしたダイハツは、アメリカからの輸出要請に応え、全幅を拡大して2人乗りとしたMP型の開発に着手する。こうして1959年4月から対米輸出を開始したMPA型は、全天候型ボディに2灯式ヘッドランプを採用、丸ハンドル式ステアリングとしたモダンなクルマで、現地では工場内の運搬車として重宝された。一方、国内市場では次々に後発のライバル勢が出現して競争が激化しており、ダイハツは同年10月、いよいよ真打ち登場とばかり、MPA型の右ハンドルバージョンであるMP2型を投入する。
 エンジンは当初、DS型と共通の非力なものだったが、同年12月には排気量を249cc→305ccに拡大したMP3型に移行。そして翌1960年5月には、手狭だった荷箱を拡大したMP4型に発展する。MP4型では全長が200mmほど延長され、2枚分割式だったリアウィンドウが1枚に変更された。最大積載量は規制枠いっぱいの350kgとなった。同時にバンタイプや、ダンプ/バキューム等の機種が追加された。
 MP4型は、極めて短命だったMP2/MP3型とは違い、2年余りのライフサイクルを全うした後、1962年9月に最終型のMP5型へバトンタッチした。


 
現存するミゼットの多くは最終型のMP5型(1962年〜1971年)であり、それ以前のモデルにはそうお目にかかれるものではありません。
 識別方法は、もし屋根が幌製であればMP4型以前のモデルで、さらにリアガラスが2分割であれば、MP3型以前のモデルということになります。写真のMP4は前期型ですが、MP4の後期型(1961年8月以降)には、MP5型に先立ち三角窓やドアモールが装備されています。


推定年式:1960
撮影時期:1989年3月
撮影場所:大分県湯布院町 九州自動車歴史館にて