Bloomington, MN
May 2001

 ジェファソン高校の conference 父兄面談が終わって外に出ると、花壇にはチューリップが咲き並んでいた。午後7時半、まだしばらくは明るい。緯度が高いため、夏が近づくと、東京よりずっと日が長いのだ。
日本語クラス1
Japanese level 1
 レベル1の生徒たちは、学期の後半にお習字を体験する。Teacher Bの手元には歴代のアシスタントによる美しいお手本があり、彼女たちが「これぞ日本文化」と教えた様子が思い浮かぶのだが、しくしく、私は悪筆で有名なのだ。別に有名じゃないけど。
 幸いなことに、サマースクールで午前授業のみとなった娘を利用することにした。中学で授業がない時は、娘も教室へ連れて行く。生徒たちとはもう顔なじみだ。日本の学校でお習字の先生にお作法まで厳しく指導された彼女の経験が、これで生きる。
 生徒が回りに集まると、娘は背筋を伸ばし、神妙な顔で「夢」と書いた。

日本語クラス3
Japanese level 3
 レベル3生徒たちの学期最後の assignment は新聞記事。関心のあるテーマに沿って同じ学校の生徒にインタビューし、このレベルで学習した plain form を使ってまとめなければならない。
 下書きが終わった生徒は順番に TeacherB のpowerbook か、私の iBook(どちらも日本語IMが入っている)で記事をタイプする 。日本語入力は面白いらしいが、長母音、拗音がきちんと入らないと漢字変換はできない。基本だけ教えて、あとは生徒に任せることにした。
 出来上がったのが、このケネディ日本語新聞とジェファソン日本語新聞です。よかったら読んでみて下さいね。
Field Trip
フィールド・トリップ
 フィールド・トリップとは野外授業のこと。先生たちはプランを作り、学校に計画書を提出する。参加希望の生徒たちは申込書にサインし、参加費を払い、他の授業の欠席許可をもらう。5月の最終週、様々な科目で野外授業が行われた。卒業間近なseniorたちのValley Fair(遊園地)ツアーや、体育の先生によるカヌー・トリップなど。
 日本語クラスでは例年、和食レストランへのツアーが行われるらしい。ジェファソンとケネディ合わせて、今回の参加者は50人。スクールバスにぎゅう詰めになり、ミネアポリスのダウンタウンにある菊川へと向かった。

 メニュは12ドルから15ドルの範囲で飲み物付き。幕の内弁当(チキン、ビーフ、ベジタリアンの三種)、天ぷら定食、すき焼き定食、寿司ランチのいずれかをあらかじめ注文済みである。
 日本料理が初めてという子の数人は、お味噌の匂いに抵抗を感じるらしい。がやがや言いながらの異文化体験だった。
 レストランのあるビルは元日本企業の所有だった。(左)
2つの高校の生徒が一緒に遊ぶ。(右)

opinion
TeacherBの投書

 4月半ば、TeacherBが「これ書いたよ。読んで。」と原稿を手渡してくれた。地元紙 Startribune 記事についての感想をまとめたものだ。日本とポーランド、2つの国の戦争に対する姿勢が対照的に扱われたことを通して、日本語教師である彼女が考えたことが述べられている。内容に共感した。
 読みやすい日本語に直しながら、これは是非日本の新聞に投書すべきだ、と考えた。毎日目を通しているasahi.comに投書用のメール・アドレスがあるようだ。ここですね。TeacherBと投書用原稿について相談し、早速送信した。
 投書欄担当のE氏から連絡が入ったのはその5日後である。小泉政権発足で予定より少し遅れたが、数回の確認作業を経て、5月2日の朝刊に掲載された。かなり短めになったものの、TeacherBの意見の要旨は十分に伝えている。教室でも大いに話題になった。

↑ ↑ ↑ 01年5月2日付朝日新聞朝刊、投書欄「声」


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