NN in PEI 2001

Prince Edward Island #2
June & July '01

lobster

 6月27日、東のキングズ地区にある Souris スーリーから漁船に乗り、実際のロブスター漁を見た。ロブスター・トラップは前日からエサ(魚)を仕掛けて海に沈めてある。海底のトラップとブイはロープで結んであり、船はこのブイを引き上げ、巻き上げ機で次々にトラップを持ち上げる。トラップに入ったロブスターは、大体の大きさで3種類に分別するが、余りに小さいものや卵のついたメスは海に戻してやる。1つのブイにトラップは(この船の場合)7つだが、ブイ毎の収穫は10数匹だっただろうか。トラップにはカニや海藻・魚も入り込んでおり、これを取り出してから、再びエサをつけ放り込む。
 大きなロブスターは高値で買い取られ、ボストンやニューヨークのレストランに引き取られることになる。娘は、大物の爪にゴムを付ける作業を手伝った。
 この日の水揚げは2,000カナダドル(約20万円)、平均というところか。スーリー港における今年の記録的な大漁は1週間で9,500ポンド(約4,000キロ)、何と55,000カナダドル(550万円)だったそうだ。PEIの平均年収が25,000カナダドルほどだから、それはすごいことですね。

 さて、これが茹で上がったロブスター<たち。→
 大鍋にたっぷりのお湯を沸かす。塩をひとつかみ加える。ロブスターを1匹ずつ放り込む。ロブスターは暴れることなく丸く赤く茹でられる。ロブスターは熱を感じないのだ。本当?
 その昔、ロブスターは貧しい人たちの食べ物だったそうだ。学校にロブスターサンドを持っていくと
「やあ、あいつんちはビンボーだぜ」
と言われたんだそうな。
「おれなんか、ピーナッツバター・サンドだもんね」
Islanderに聞いた本当の話である。

mussels

 カラス貝は島中で養殖され、入り江には数え切れないほど多くの白いブイが浮かんでいる。Island Blueと呼ばれるここのカラス貝は大きく、身がきれいで柔らかい。十分に育った貝は、収穫されるとすぐ氷温保存される。こうすれば、1週間程度は新鮮さが続くらしい。あさりのように砂を噛んでいることもないので、調理も簡単だ。少量の水を加えて蒸しただけの貝を、ガーリック・バターやレモンでいただく。

Malpeque oysters


 PEIには3つの地区があり、東からキングス、クイーンズ、プリンスと呼ばれるが、Malpeque湾があるのは西のクイーンズとプリンス地区の間。PEI第二の町Summersideの北側だ。湾で養殖された牡蠣は世界中に輸出されているらしい。水質がよいため、マルペクの牡蠣には臭味がない。港のOyster Barn(牡蠣納屋?)レストランで取れたばかりの牡蠣を注文した。1ダースで7.5カナダドルくらい。娘と奪い合いだ。

seafood chowder


 PEIらしい食べ物のひとつがseafood chowder シーフード・チャウダー。NYやBostonではクラム・チャウダーが有名だが、ここではカラス貝や魚を加えたもっと複雑な味を楽しめる。
 とは言え、左のように観光客向けで出される見せかけだけのもの(シャーロットタウン港内)もあるから、注意しなきゃね。中央はMalpeque Oyster Barnの合格チャウダー。右はPEI人ご推薦 Rustico Robster Supplyのもの。チャウダーを引き立てるおいしいビスケットも欲しい。

potatoes

 PEIの赤い肥沃な土壌は様々な農作物に適しているが、最も収穫されるのはポテトだそうである。丘の多い地形を車で走ると、規則正しく作られたジャガイモ畑の畝を一面に見ることができる。
 20ポンド(約9キロかな?)袋入りのこのポテトは何と1.75カナダドル(175円)。いいなあ。

harness racing

 PEIのホースレースは、 harness ハーネスという二輪の馬具を引いて行われる。シャーロットタウンの競馬場には朝早くから馬をジョギングさせるため、馬主や世話係、友人が集まっている。陽気なPEIの人たち。写真を撮ると言うと、友人の頭を馬ブラシで磨いてくれた。
 この日の午前中、知り合いが持ち馬に娘を乗せてくれた。その馬サラベスが夕方、第二レースで優勝。私たちも見事賞金を獲得した。ただし、馬券は2ドル、賞金は4ドル70セント。

quilts

 キルト作りは北アメリカの重要な伝統のひとつだ。ヨーロッパからの移民とその家族・子孫にとって、布類は粗末にできない貴重なものだったし、長く寒い冬を過ごすため暖かいキルトは欠かせないものだった。豊富でない布類を組み合わせて縫い繋ぎ、18〜19世紀の女性たちは驚くほど美しいキルトを作った。
 アーミッシュの人たちの精巧で端正なキルトを、ウィスコンシンの小さな町で見たことがある。PEIのクラフト・ショップにも、様々な伝統的パターンのキルトが置かれていた。
 というわけで、その伝統の技術をしっかり受け継いだおばあちゃまたちが3人。いずれも一針一針糸目が揃った趣味の良い色合いのキルトだ。右の1枚は歴史資料館の壁に掛けられた合作。PEIに点在する灯台を各地方のご婦人が縫い上げ、それを1枚に繋いだものと説明された。


Prince Edward Island #2


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