SVA東京市民ネットワークNEWS LETTER準備号第3号

「ささやかな一石」

武田 博志

 今の生活や仕事に支障をきたさない程度で、人のために何か役立ちたい。多くの時間をさき、積極的にボランティア活動に関わっている人が聞いたら、そんな都合の良い甘い考えでボランティアができるものかとお叱りを受けそうですが、私が今立っているのはそんなポイントです。
 物に恵まれ、チャンスに恵まれて、それを当然として生活している日本にあって、なぜかアジアの国々が気になりだした十年前、仏蹟巡りを思い立ちました。遠い国から高額の航空運賃を払ってやってくる旅人に、当然のように金品をせがむ人の群れがいたる所で押し寄せ、帰国後も生気のない目をした子どもややせた大人のひからびそうな姿が焼きついて離れない、楽しみもなく生きるのもやっと、施しだけが頼りの人たちに個人のできることは、たかがしれています。
 新聞を通してSVAが同じアジアの援助活動をしているのを知って、機関誌の購読から関わりだしました。そこで個人が集まって大きな力を発揮していることを知ったのです。いずれはタイ・カンボジアへのスタディツアーをもくろみながら、SVAのプロジェクトを通して自分が他人に役立てるうれしさがあります。SVAを支える会員・ボランティアの人たちがお互いの情報やノウハウの交換によって、今一度自分自身のボランティアの在り方を見つめてみたい。草の根的情報がほしい、そんなささやかな一石をSVA東京市民ネットワークというフィールドに投じてみようと思っているのです。


里程標内容SVA東京市民ネットワーク