SVA東京市民ネットワークNEWS LETTER里程標第9号

インターナショナルフェスティバル開かれる
〜市民ネットはタイ料理とクラフトを販売〜

 去る96年11月23日と24日の2日間、川崎市の国際交流センターで、第2回インターナショナルフェスティバルが開催されました。SVA東京市民ネットワークも出店し、タイ料理とSVAのクラフトを販売しました。以下は当日手伝いに来てくれた2人の感想です。


 「タイカレーでも作ってみませんか」というお誘いに乗り今回の国際フェスティバルの出店に参加させていただきました。

 11月23日朝9時に元住吉の駅に集合。道すがらお話しをしながら初めて市民ネットの方達とお知り合いになれました。皆さん夫々のバックグラウンドはおありでしょうがこうやって時折活動をともにされるとのこと、皆さんの団結力と意志の強さに圧倒されました。

 川崎市国際交流センターに到着すると既に他の出店準備は開始されていました。市民ネットとしてはタイの少数民族の民芸品とタイのグリーンカレーを販売するというもの。早速交流センターのキッチンを借りてのカレー作りとテントや民芸品のセッティッングに別れて作業を開始しました。

 カレーが出来上がるお昼前頃には既に交流センターは多くの地域住民の方ですごい賑わいとなっていました。特別講演や映画上映などをメインに出店も様々でした。韓国、中国、インド、ドイツ、中南米等夫々のお国料理、フリーマーケットなどかなりの盛況ぶり。集まってこられた住民の方々はバラエティーに富む催しを楽しそうに眺めてもいらっしゃいました。市民ネットが販売しているアジア民芸品にも「なんという民族が作っているのか」等と質問されたりで外国文化への関心度の高さを伺い知ることも出来ました。国際化に力を入れる川崎市ならではの光景かもしれません。

 一日が終わるころには販売目標としていたカレー60皿も達成。民芸品もかなり売れたとのこと、少しは自分でもお役に立てたのかなと心地好い疲労感を感じたことを覚 えてます。

 後から考えると会場となった川崎市国際交流センターは昔住んでいた家から歩いて20分程の至近距離。当時はセンターの存在すら知らなかった自分が今やこうやってイベントのお手伝いをするようまでになっている。これはひとえに市民ネットの方々の熱意のおかげだと思います。人々の力が集結され発揮されるとこんなにも大きな催しが可能 になるんだな〜と草の根パワーのすごさが強く印象に残った一日でした。

(M)


 昨年に引き続き友人の誘いに乗って、インターナショナルフェスティバルに参加した。今回は1日だけ「お手伝い」という名目の下に朝から出かけることとなった。

 当初タイカレー等の調理班としてエントリーしていた私だが、諸々の理由によりタイ、ラオスの民芸品の販売をお手伝いすることとなった。民芸品は小物から大きなバッグ等、なかなかきれいなものが揃っている。値段も特に今回格安にするわけでもなくそれなりの価格のままの販売となる。

 センターの屋内では市民団体や地域コミュニティーのバザーもあり、また客層も地域住民の家族連れがほとんどという中で果たしてこのような趣向の品が売れるのだろうか?と販売業の経験などない私は思ってしまったのである。客足もぱらぱら、特に主婦と思われる人たちが民芸品の刺繍の細さに関心をしながらも値段を見ては去っていく、という状態がしばらく続いたように思う。

 もちろん、即席の販売員の私に商品の作業工程の説明などできるはずもなく、わけのわからない微笑みを浮かべて立っているのが精一杯だったのだが・・・。

 しかし、わずかだが、確かに商品は売れていくのである。一様にして、女性が大半だが、一度熱心に見た後しばらくして二度目で購入するというパターンが多かったように思う。

 日曜ということもあり、子供たちも会場内には大勢いた。少ないお小遣いを珍しい屋台のエスニック料理やお茶などに使っているのだろう、民芸品に興味を持てといっても無理な話である。二人連れの男の子は「お金が足りないので家まで取ってくる」といってもう一度来店したが、彼らの欲しいものはそれ以上に高かったらしい。結局諦めて帰ってしまった。ある女の子は、私から見るにかなり大人っぽい刺繍のケースを気に入った様子で、静かに一人じっと手にとって見入っていたが、最後に値段を聞いてため息混じりに去っていった。欲しい物が手に入らないと分かった時の気持ちは大人も子供も同じである。ギリギリにバッグを購入した婦人は、やはり、一度家に戻り不足分のを持ってきてといって再度訪れ、「娘と共用するの」と嬉しそうに抱えていった。

 その日売っていた民芸品の売上はタイ、ラオスの人たちの自立の糧となるそうだが、それを買っていった人たちのどれほどがそれを知っているのかは、分からない。が、他の世に出回っている商品と何も変わることなく気に入ってくれたことがただ何となく嬉しかったのである。

(T)


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