映画を観たよ


もののけ姫<1997年8月>

 お盆休みに観に行ったらものすごい人だった。ターミナルに近いロードショウ館で観るのを諦めて、商店街を奥に入ったもう1館の劇場へ行ってみたが、そこも人だかりで諦める。さらに歩いて、その日から拡大ロードショウで上映を始めた劇場で並んでようやく観た。けっこう始めのほうで、口パクとセリフが合っていないところがあって、もしかして制作が間に合わなかったのかとちょっと心配したが、そこ以外は、めだったあらはなく、さすがはジプリ作品という映像クォリティ。
 デジタルドルビーを使った音もなかなかの迫力・・・とこれも誉めてあげたいところだが、もののけたちの声がエフェクトかかり過ぎていて、劇場では聞き取りづらい。いや、わたしには聞き取れなかった。
 物語は、映像程には楽しめなかったというのが、正直なところ。楽しむ映画ではない、考えよ、ということか。宮崎アニメとしては、首が飛ぶなどの残酷でショッキングな描写も、それを意図しているのか。いつもの明快さ・爽快さが押し込まれ、観る人に問い掛けている。

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ロストワールド−ジュラシックパーク−<1997年8月>

 巧い。テンポの良さ、見せることの巧さ、スピルバーグは健在である。ストーリーは、マイケル・クライトンの原作と違う。原作のおいしいシーンはちゃんと取り入れられているものの、前作ジュラシックパークでの結末の映画と小説の違いのためもあって、登場人物やシチュエーション・設定のある部分は引き継いではいるものの、それらは前作以上に映画むけに再構成され、別の要素が加えられ、映像的に苦しくなりそうなものは、ばっさりと切り捨てられている。
 で、映画のできは、恐竜の恐さという点では、前作の方がより恐かった。今回は、いろいろなバリエーションで見せては、くれているのだが、単なる猛獣に成り下がってしまったような気がするのは、ハンティングなんかされちゃうからか。サラが原作ほどカッコいい、スーパーヒロインぽくなかったのも小説を読んでから観た私にはちょっと裏切られた感じ。映像的には1作目を越えているが、映画としてはやはり単なる2匹目のドジョウでしかないような気もする。

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演歌の花道<1997年9月>

 同時上映は、キャッツ・アイ。最初、タイトルだけ見たときには、なんでキャッツ・アイの同時上映が演歌ものなのと思ったけれど、なんとシャランQ主演の映画なのね。ツンク・陣内孝則・平幹二郎と、悪乗り気味の演技で、なんだか昔懐かしい東宝コメディ映画の復活って感じか。そういえば、昔、ハウスを観に行ったら、同時上映が誰だっけ、歌手主演の映画だったなと余計なことを思い出してしまった。

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キャッツ・アイ<1997年9月>

 冒頭はアニメで始まる。テレビアニメでヒットしたおなじみのタイトルであるので、これは作り手としては正しい計算だ。アニメの3人の娘たちが、ビルをダイビングし、着地したときから実写となり、荒唐無稽とも思われる泥棒と警察の追いかけっこが始まる。
 原作やアニメでは、3人娘のレオタード姿だが、この映画では、ビニールレザーの黒いスーツ姿となった。猫耳の着いた帽子まであり、バットマン・リターンズのキャット・ウーマンを彷彿させる。いや、衣装だけでなく、猫まねの決めポーズまでして、それはちょっと違うんじゃないか、過剰演出よとつぶやきたくなってしまう。原作漫画やアニメでは、ほとんど体力勝負しかしていないような印象しかないのだが、実写ではそれではリアリティがないという判断からか、猫型気球・自動車などのメカや変装までみせてくれて、なんだかルパン三世ぽくもある。で、この監督、どうも映像的なつくりはいいんだが、起承転結がとれないのか意図的に崩そうとしてしまうのか、脚本か編集かどっちかでどうも私は納得行かない作品が多いと思っていたのだが、この作品は、映像的にも納得行かないまま。ラストのSee you againのキャットカードに同意しかねたまま、映画館を出たのであった。

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BLACK JACK<1996年末公開/1997年10月 Video CDで鑑賞><1997年9月>

 1996年末に劇場公開された劇場版。監督 出崎統、作画監督 杉野昭夫のあしたのジョー、エースをねらえ!で私達を熱くさせてくれた名コンビである。ここでも作画・演出の充実度は、"いい仕事"をしているといっていいだろう。手塚治虫ファンだけでなく、出崎・杉野ファン必見!?
 ストーリーは、原作にはないオリジナル。しかし、原作の味は十分に引き継いでいると思う。
 ところで、ビデオCDは、もうショップによってはジャンク扱いになっていて、今後はというか既にソフトはDVDに移りつつある。DVDは、いまのパソコンのCD-ROMじゃ観れないようだから、また、そのうちDVDドライブを買っちゃうんだろうなぁ・・・。

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モスラ2 海底の大決戦<1998年1月>

 前作を観ていないので、ちょっとためらいがあったが観る。案の定?、前作で説明されたと思われる設定の説明はほとんどなく途惑う。スピルバーグ風のジェットコースタームービー的演出を狙ったように思えるのだが、どうもそれが逆に単調なリズムを生み出してしまっていて観ていてちょっとくたびれる。かつてのガメラ映画的な風情で子供を主役に据えていて、子供映画路線ということもあるかもしれない。
 映像的には、多用されたCGは概ね成功していて、カメラが動いているのにセットにピタリとはまったマット画など、デジタル合成の成果は、日本映画が新しい映像の世界を使いこなし始めたことを如実に示している。怪獣映画としては、モスラとダガーラの戦闘は、ビームの撃ち合いで、いったい何?という感じ。生物から妖精へと昇格してしまったモスラにも違和感を覚える。モスラ3があるようだが、このストーリー展開だと観に行かないかな???

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MIB(メン・イン・ブラック)<1998年1月>

 のりのいいテーマ音楽は、ゴーストバスターズを思い起こさせる。別に似ているわけではないが。でも、ゴーストがエイリアンになって、ゴーストバスターズがMIBだと思えば、似たようなもの?とりあえず、観て面白かった。主演の二人も敵役のエイリアンもgoodだ。でも、ゴキブリだと思うとちと気分悪いか^^;リアル指向めのSF映画の逆手をとったような内容・設定が心地好く並び融合して成功している。お勧めだ。でも、大作だと思って観ないほうがいいかも。

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長靴をはいた猫<1998年3月(リバイバル)>

 東映動画の最高傑作。作品としてのまとまり、宇野誠一郎の音楽によるミュージカル仕立ての軽快さ、殺し屋やどろぼうネズミ親子のコミカルさ、森康二キャラクターのかわいらしさ、よーく考えると(考えなくても?)ちょっと強引なストーリー展開だが、お決まりのストーリーをほどよく飾りたてるすばらしいバランス。
 子供のころ、映画館で観て、その後何度もテレビで放映されるたびに観て、そしてレーザーディスクが発売されれば有無など考えず買った懐かしい日々も過去。それでも、いまなお、もう一度観たいと思わせるその魅力。魔王ルシファーの声って、小池一雄さんだったのね。「たたっらったたぁ〜」の呪文がよーく思い起こすと、なんとなくおかしい(笑)
 そうそう、あらためて観ると『ルパン三世カリオストロの城』って、ものすごくこの映画のオマージュのように見える。お城のギミック、追っ掛けこの楽しさ、レイアウトのすばらしさ、原点はここにありって感じ。

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銀河鉄道999エターナル・ストーリー<1998年3月>

 999が帰った来た。メーテルも、鉄郎も、昔のままの姿で。999は、CGになり、迫力倍増。機関車のリアリティが増し、宇宙飛ぶ汽車はますますミステリアスになった。で、原作のほうも現在連載進行形で、映画の結末はどうするのだろうかと思っていたら、次週に続くって感じで・・・。続きは、次回作があるのか、それともテレビシリーズがあるのか、ビデオがあるのか知らないけれど、それはちょっとないで〜。
 ハーロックの声が山寺さんになっていて、「おおっ」て感じ。原作同様、ヤマトまで飛んでらー。そういえば、ヤマトの版権って今どこに?

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スターシップ・トゥルパーズ<1998年5月>

 はっきりいって私はあまり楽しめなかった。正直、劇場で観ていて途中でいやになってしまった。冒頭、そして本編の途中にインサートされる政府広報的ニュース(いわゆる大本営発表とかって感じ)、主人公が恋人が志願するのにつられて志願してしまう入隊へのシチュエーション、軍隊生活での根性物ストーリー展開、先頭シーンは歩兵対バグズ(巨大な昆虫タイプのエイリアン)の肉弾戦、それ以前の問題として軍事国家としての未来世界(軍隊に志願しなければ、参政権が得られない)の設定・・・。なんというのか、語弊はあるだろうが例えてしまえば、機動戦士ガンダムでジオン軍側からの視点で淡々とひたすら描いてみましたみたいな・・・。爽快感も何もない。以前観た良くにた雰囲気の作品でいえば、『Uボート』か。でも、あれは第2時世界大戦という背景があり、ラストのむなしいドンデン返しをのぞけば、もう少し心地よいものがあったような・・・。どうも、スターシップ・トゥルパーズに関してはざらざらした違和感しか残らない。
 映像的には、なかなかの出来である。宇宙艦隊の描写、特に巨大な艦が真っ二つに割れて炎上して沈んでいく様子やバグズの大軍の描写など目を見張る。反面、入植基地のちゃちな感じなど、これ何?っていう感じ。まあ、歩兵が戦闘を繰り広げる世界だからあんなものか。
 ディナ・メイヤーがアングルによっては、30才くらいのころのシャロン・ストーンに似てるかなってのは余談。

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エイリアン4<1998年5月>

 前作で終わったはずのエイリアンシリーズ最新作。クローン技術で復活したりプリーとエイリアン。なぜか、記憶まで復活し、エイリアンの血(DNA?)が混じってまさにスーパーウーマンになったりプリーと、人のDNAを取り込んでさらに進化したエイリアンの登場である。全体の感じは、シリーズ中ではエイリアン2に近いか。まあ、3が宗教映画のような感じで今一つだったのに比べるとノーマルな仕上がり。
 でも、ゲチョゲチョ・グチョグチョ系はどうも私は苦手だ。しかし、設定の勝利もあり、○。

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GODZILLA<1998年8月>

 やっとというべきか、ようやくというべきか、遂にというべきか。米国版ゴジラである。とりあえず、面白かった。とりあえず?そう、とりあえず、エンターテイメントとしてソツなく成立している。もう少し、ゴジラを出さず、引っ張っていくかと思わせる出だしだが、意外に早いゴジラの登場。たたみ掛けるような展開で進んでいく。News Week紙を始め、ストーリーが薄っぺらという批評が多いようだが、ゴジラのこの存在感。それは、甘受されるべきもので的を得た批評ではないだろう。なにを求めているの?
 不満は、ベビーゴジラである。その存在や設定を否定はしないけれど、彼らの登場場面のウェートが重過ぎる?ジュラシックパークもどきの追っかけっこに見えてしまうのもちょっと脚本上の工夫が足りないのか。主役は巨大なゴジラなんだから、そっちでもっと頑張ってもらわねば。いや、・・・巨大ゴジラの見せ場は十分に多い。でも、予想される展開の範囲内での頑張りにみえる。もう少し、その巨大さと存在感でぞくぞくさせてくれなくっちゃ!

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ディープインパクト<1998年8月>

 なかなか、すっきりとまとまった映画である。いくつかのドラマが描かれているのだが、それらを無理に絡められることなく、なめらかに一本の映画として描き切った脚本と演出に拍手。
 テレビCMでも流されているニューヨークが津波にのみ込まれるCGを使ったシーンを始めとするおおむね美しいし、スペースシャトルの頭部にロケットユニットを継ぎ足したようなデザインの宇宙船もリアリティがほどよくあってよろしい。水物の常として、ちょっと水のスケールがあってないかなというカットもなくはないけれど(;^^)

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スプリガン<1998年9月>

 『AKIRA』の大友克洋が総監修・構成、監督・脚本 川崎博嗣のアニメーション。原作は、たかしげ宙・皆川亮二のコミックとのことが、私は原作を知らない。
 出だしは、矢島正明のナレーションも相まって、シリーズものの赴きもあり無難に快調。アクション映画としての構成はよし。映像は、全般に背景が濃くセル画が負けている観が少しあるが、どちらも力が入っている。クライマックスのノアの方舟の崩壊シーンは秀逸だ。
 で。しかし、なんか今一つ楽しめなかった。いや、楽しめたんだけれど、ノリが合わなかったというか。ワンダーさがすこーしたりなかったかなぁ。  

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Xファイル・ザ・ムービー<1998年12月>

 テレビシリーズのXファイルの映画版。総集編でも新しい着想で新たなXファイルを創り出す出もなく、テレビシリーズの続き・1エピソードとしてのお話の展開だ。映像は映画的にそれなりにゴージャスだが、脚本も演出も出演者もいつものXファイル。登場人物の設定の説明もテレビシリーズを見続けている人が見ることが前提となっているのでいっさい説明なしなので、テレビシリーズ見ていない人には特におすすめではないがテレビ版のファンの人は見ておいていいだろう。
 エイリアンが『エイリアン』のエイリアンのように、寄生・食人タイプなのは、いまひとつ新味に欠ける。まあ、テレビシリーズも同じようなアイデアの繰り返しで、どんどん内容をエスカレートしていくしかない傾向があるのと同じなのだが・・・。長期シリーズの宿命ってやつかなぁ。  

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アルマゲドン<1999年1月>

 『ディープインパクト』も観たので、同じような内容のを観るのもなんだかなぁと思っていたのだがやはり観ながら比べてしまう。こちらのほうが若干うそくささ・ご都合主義的な感じが強いか・・・。SFXは、最近の映画の出来といったら穴を見つける楽しさもないという感じで、この映画も映像の出来映えは水準以上だ。ただ、小惑星のデザインがいささかアニメ的にデザイン過剰か。スペースシャトルの小惑星着陸も芸がないというか、あんなでいいのかという感じがしないでもない。
 冒頭のニューヨークを流星が襲うカット(テレビでよく流されていたもの)は迫力があるがドラマは月並みで、その割には上映時間はちと長すぎるような。って、私がトイレに行きたくなって最後にクレジットが流れながらも、まだシーンが続いていたのに席を立たざるを得なかった悔しさの裏返しか・・・。  

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スモールソルジャーズ<1999年1月>

 『グレムリン』のジョー・ダンテ監督作品。とにかく、まずは面白い。深〜く、考えなければ、楽しめること間違いなし。『アルマゲドン』を見に行くより、こっちを観にいった方が、いろいろあとで話題に事欠かなくて楽しいと思うのだが。
 深〜く、考えなければというのは、玩具の人形が知能を持って動き出すというお話の設定上、細々とした無理があると思われること(たとえば、人形の指がコンピューター制御で指の一本一本まで動く玩具を製品化するか?とかつっこみを入れたくなるようなこと)があるのだが、そんなことは観ている間は忘れて、存分に楽しむことができる。散りばめられた映画やテレビ番組のパロディも判る人にはとても楽しい。どこかで観た女の子だなぁと思いながら観ていたら、あとでパンフレットを観て『ジュマンジ』に出ていた娘だということを知る。  

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