ポートランド日記                                     スズキメディア

10月14日(日)──75日目


 午前中にレンタカーを返しに行く。Cはその間に、今日、ダンさんのところのディナーに持っていく、鶏肉料理を作っていた。
 二時に、Iさんが車で迎えに来て、古着屋に連れて行ってもらう。「グッドウィル・スーパーストア」といって、みんなが寄付した古い服や小物を販売している。障害者の人に働く場を与える施設でもあるそうだ。古着屋さんというから、古い建物を想像していたら、建物は、新しくて立派だ。
 体育館四つ分くらいのフロアに、服がぎっしり並んでいる。隅には、古本もある。服以外には、オーディオ、家電製品、照明器具、ぬいぐるみ、食器、文房具など、何でもある。今は、ちょうとハローウィンの前なので、仮装用の衣装やグッズも並んでいた。
 服は探していくと、けっこういいものもある。僕はバナナリパブリックとギャップのシャツを買った。どちらも6ドル。丹念に見て、選んでいく根気があれば、けっこういいものが手に入りそうだ。
 ポロシャツやワークシャツは、同じ色とデザインの物がたくさんあったりする。これはトヨタとかインテルとか、会社のロゴが付いている。工場で使っていたシャツが大量に入ってくるのだろう。Cも、セーターとシャツを買った。
 日本にも古着屋はあるが、もっと小さいし、会社や個人が経営している物で、ここのような公共のものではない。日本にも、こんなショップがあったら、衣服代はずいぶん安くあがりそうだ。日本に帰るまでに、不要になった服があったら、寄付していくことにしよう。

 Iさんに寮まで送ってもらう。そのあと、四時にアンディさんとギルさんに迎えに来て、ワシントン州バトルフィールドのダンさんとマイケルさんの家へ。
 10月31日のハローウィンが近いので、ダンさんたちは、ハローウィンのかぼちゃを用意していた。ダンさんたちの孫のジャスティーナちゃん(8歳)とカボチャのカーヴィングに挑戦する。

 日本の緑色のカボチャはかたいから、これに穴を開けて目や鼻や口を作るのは大変だと思うかもしれないが、こちらの黄色いカボチャはとっても柔らかい。ナイフで簡単に穴を開けていくことができる。

 小一時間で、カボチャのおばけが出来上がった。これはランタンで、中にろうそくを入れて火を付ける。暗いところだと、目鼻口が明かりで浮き上がってなかなかきれいな眺めだ。


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