ポートランド日記                                     スズキメディア

9月17日(金)──49日目


 PCC(ポートランド・コミュニティカレッジ)で英語の授業をとるためにはテストを受ける必要がある。そのテストを受ける予約をするために、PCCのシルバニアキャンパスに電話をしてみるが、「火曜日の1時以降でないと人がいない」という留守電のメッセージだけ。明日また電話してみることにしよう。

 仕方ないので、ダウンタウンの郵便局と銀行へ用事を片付けにいく。郵便局では、海外への郵便に保険を掛けるといくらになるか聞いてみたが、僕の英語がまずいのか、要領を得なかった。USPSのホームページ(http://www.usps.com/)で調べたところでは、書留郵便(レジスタードメール)はプラス7.25ドルで、保険は補償金額が50ドルまで、1.10ドルとなっていた。書留郵便の7.25ドルは海外での有効なのはホームページでわかったが、保険は海外郵便でも掛けられるのか、料金はいくらなのかわからない。
 窓口の人に、「30ドルのものに掛けたい」と言うと、「40ドル」という。補償金額より掛け金が高くなるわけはないから、僕の聞き方がまずいのだろう。結局解決せず、保険はあきらめることにする。
 海外へオークションで売ったCDやレコードなどを送る場合、書留で7.25ドルより、保険だけで安い方法がないかと考えたのだが、なかなかうまくいかない。品物は貴重といっても、もしなくなったら、その金額が戻ってくればいいので、一番安全な書留にしなくてもいいのではないかと考えたのだが、うまくいかない。

 銀行では、CDの代金として受け取ったマネーオーダーを口座に入れた。これも前回のパーソナルチェックのように窓口で渡しただけですんなり済んだ。アメリカは、パーソナルチェックや、マネーオーダー(これは銀行が発行する小切手)など、お金を受け取ったり支払ったりする仕組みがいろいろあるが、どれも受け取ったら手数料などかからず自分の口座に入金ができる。日本は、銀行でお金を受け取ったり支払ったりするのは、銀行振込しかない。日本ではどうしてパーソナルチェックやマネーオーダーが発展しなかったのだろう。

 「地球の歩き方」にダウンタウンにあるおいしいそうなレストランが出ていたので、今日はそこで昼食を食べようと思っていた。ひとつは、「マザーズ・ビストロ&バー」。でも、ここは月曜日はランチは休みのようで、閉店中。もうひとつの、「マコーミック&シュミック」は、あるはずの場所に見つからなかった。店を閉めたか、引っ越したのだろうか。新鮮な魚介類の料理がおいしいと書いてあったので、期待していたのだが。
 結局、「タコス・デル・マー」という店で、タコスのコンボセットを食べたが、期待以上においしかった。数人並んでいて、注文するまで10分くらいかかったが、チキンを選んだタコスは、2つ入っていて、そのほかに、チリとライスが付いてくる。
 辛いソースを頼んだので、けっこう辛さが残って大変だったが(アメリカの料理は甘いという先入観があるので、つい辛い物を頼んでしまうが、タコスのようなメキシコ料理のときには、辛いソースを選ぶと辛すぎて失敗する。胃にも悪い)、チリとライスがそれを和らげてくれた。
 あとで、「ポートランド・チープ・イート」で見たら、この店も載っていた。ファーストフードの店だが、タコスならここがおすすめだ。

 ダウンタウンにある靴の量販店で、サンダルを探すがちょうどいいサイズのがない。この間から、スーパーで安いサンダルを探しているが、アメリカには、そういうのはないようだ。サンダルを買おうとすると、普通の革靴と同じくらいの値段(もちろんしっかりとした作り)の物しかない。
 となると、日本のスーパーの安売りサンダルみたいに簡単に買うわけにいかなくて、きちんんと選ばないといけない。
 以前、アメリカの大学に留学していた友人のところに遊びに行ったとき、「何か日本から買ってきてほしい物はない?」と聞いたら、「サンダル」と言っていたのを思い出した。アメリカのように室内でも靴の生活だと、日本人はどうしてもサンダルがほしくなる。でも、安いサンダルはない。友人の希望したサンダルの意味はそういうことだったのかと、今になってわかった。

 隣の112号室にいる中国系のオーストラリア夫婦は、明日ナッシュビルへ発つそうだ。火曜日のテロ事件の影響で、滞在予定が短縮されて、10月には帰ると言っていた。余った調味料や食材をいただいた。


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