[ 0012 ]

[ 前へ (Previous) |  目次 (Contents) |  次へ (Next) ]

銭や、銭ぃ!!

「…に、人間の方と同じようになってます」
「ホ、ホントか?」
 …こくん。
 マルチは小さくうなずいた。
「…マ、マ、マルチ」
「?」
「…オ、オレ、見たい」
「えっ?」
「マルチの…見たいっ!」
「えっ、えっ、えっ!?」

「いいだろ? 見せてくれよ!」
「…で、でも。…開発者の方に、あそこはお金を
とって人に見せるところだって…」
 なんつー開発者だ!!


メインのヒロイン中、最下位だそうで…

「…マルチぃ〜」
 オレはちょっと甘えた顔でマルチを見つめてみた。
 俯いたまま、しばらく悩んでいたマルチだったが、
やがて囁くような声で言った。
「…わかりました。…ほ、ほんの、ちょっぴりだけ…
ですよ?」
「やった、ラッキー! じゃ、じゃあ、早速、どこか
人気のないところへ――」
 と、そのとき。

「ちょっと待ったああぁぁーーーーーーーーーっ!」
 耳を突き抜けるような声を上げて現れたのは、志保
だった。

「うるせーのが来たよ。『人気(ひとけ)のない』の
はずが、『人気(にんき)のない』ヤツが来るとは…」

 ゲシッ!
 志保のキックが炸裂した。


ババンババンバンバン

「じゃあさ、ちょっとオレに付き合えよ」
「えっ?」
「ゲーセン行こうぜ、ゲーセン。時間潰しに」
「…で、でも、セリオさんが…」
「すぐ目の前じゃねーか。大丈夫だって」
「うーん。…そうですね」
「よしっ、じゃ早速行こうぜ」
「はいっ」
 オレはマルチを連れて、温泉に入った。






 ゲーセンに入るはずが、なぜ温泉…。


1パック

 オレたちは、台を挟んで向き合った。
「いいか、ラケットはこうして持つ。んで、パックを
打ち返して、相手のゴールに入れれば得点だ」
「はいっ、解りました!」
「よーし、じゃあ、始めるぜぇ〜」
 オレは100円を入れた。
 コトンと、出てきたパックを取り出し、フィールド
に置いた。
 さーて…、オレは――。

1.コップに注いで飲む。
2.腰に手を当ててパックから直接飲む。
3.牛乳は嫌いなので、マルチにあげる。

 って、なぜ牛乳パックが出てくるんだよ!?


擬音精舎の…

 オレたちは、台を挟んで向き合った。
「いいか、ラケットはこうして持つ。んで、パックを
打ち返して、相手のゴールに入れれば得点だ」
「はいっ、解りました!」
「よーし、じゃあ、始めるぜぇ〜」
 オレは100円を入れた。
 コトンと、出てきたパックを取り出し、フィールド
に置いた。
 さーて…、オレは――。

B、普通に打つ。

 オレは、パキンと、ごく普通にパックを打った。

「呼んだ!?」
 突然、レミィが出てきた。

 パキンとパツキンは違うよ、レミィ。


豊臣マルチ(意味不明)

「オレもこれから帰るとこだし、どうだ、よかったら
一緒に帰ろうぜ?」
 オレが誘うと、
「あ、はいっ、喜んで!」
 マルチは快く承諾した。

 校舎を出たところで、マルチが言ってきた。
「あの、靴、お持ちします」
「え?」

 お持ちしますって言われてもねぇ。今履いてるし…。


[ 前へ (Previous) |  目次 (Contents) |  次へ (Next) ]

[ 0012 ]