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銘酒「鬼殺し」をご一緒に

 オレは、レミィに志保の使った怪しげな言葉の意味
を訊ねてみようと声を掛けることにした。
「いようっ、レミィ」
「はい?」
「レミィってさ、沈魚落雁閉月羞花だな」
 いきなり言ってみた。
「アラ、お上手ネ」
 あっ、レミィが照れた。
 通じたらしいぞ。

 そこでオレは――。
  A、もっとおだてる。

「いや、ホントだって。レミィ、イズ、ベリー美人!」
「そーかなぁ…」
 彼女は、まんざらでもなさそうだ。
「いやいや、レミィ日本一! いよっ、熊殺し!」
 オレは、言ってる本人もよく解らないノリで、はや
し立てた。
 いや、全く…。


マルチ部隊…、みんな耳飾り付き(笑)

「いや、ホントだって。レミィ、イズ、ベリー美人!」
「そーかなぁ…」
 彼女は、まんざらでもなさそうだ。
「いやいや、レミィ日本一! いよっ、男殺し!」
 オレは、言ってる本人もよく解らないノリで、はや
し立てた。

「誰を殺したの?」
 盛り上がってきたところで(何が?)、雅史のヤツ
がやってきた。
「なんだよ雅史。今いいとこなんだ」
「誰か死んだの?」
「そこまで聞くか、雅史。わかった、言おう。実は死
んだのは、クックロビンだ!」
 ちらりとレミィの方を見ると、彼女はきょとんとし
た表情でこっちを見ている。

 しまった、ネタが古かったか!!


いつも心にニッポン文化

 オレは、レミィに志保の使った怪しげな言葉の意味
を訊ねてみようと声を掛けることにした。
「いようっ、レミィ」
「はい?」
「レミィってさ、沈魚落雁閉月羞花だな」
 いきなり言ってみた。
「アラ、お上手ネ」
 あっ、レミィが照れた。
 通じたらしいぞ。

 そこでオレは――。
  C、「通じたか?」

「レミィ、オレの言葉、通じたか?」
「アタシを誉めても、何も出ないわヨ」
「別になんか景品をくれとか言ってるわけじゃなくて
な。通じるかどうか、使ってみたんだよ」
「そーなの?」
「レミィは古い言葉に詳しいから、訊いてみようと思っ
てな」
「『ぬかに釘』デス…」

 …なんだって?(笑)


天地無用とマルチ無用は違うのさ

「レミィ、オレの言葉、通じたか?」
「アタシを誉めても、何も出ないわヨ」
「別になんか景品をくれとか言ってるわけじゃなくて
な。通じるかどうか、使ってみたんだよ」
「そーなの?」
「レミィは古い言葉に詳しいから、訊いてみようと思っ
てな」
「ぬか喜びデス…」
「気にすんなって。わざわざ昔の言葉で言わなくても、
レミィは充分プリティー・サミィだぜ」

 いや、どちらかと言えば『ピクシー・ミサ』かも…。


若き日の疑問

 オレとレミィ、そしてメグミちゃんの一行は、駅前
商店街のまわりをさまよい始めた。
「メグミ、疲れたらアタシに言うのヨ」
 レミィはメグミちゃんを気遣って、声を掛けた。
 すると、メグミちゃんは、
「ねえ!」
「ナニ?」
「お姉ちゃん、どーして髪の毛が、白いのぉ? もし
かして、アソコの毛も、白いのぉ?」
 と訊いた。

 なんて事聞くんだ、このガキは!!(笑)


笑劇の告白…でもないか…

 レミィは何か遠い目をして、
「アタシね…小さい頃、ニッポンに住んでたの…」
 と語り始めた。
「ふ〜ん…」
 取りあえず、相づちを打つ。
「天気がいい日は、いつもお庭で、遊んでたワ」
「うん」

「そのときに、Dadがアタシと同い年くらいの男の
子を連れてきて――」
「それで?」
「――その子、隠し子だったの…。Dadは、その子
のお母さんと決着がつくまで、アタシと遊んでいなさ
いって…」

 …うぅ、レミィも苦労してるんだなぁ…。


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