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初音ちゃん パニック その八

 わたしの体に入った梓お姉ちゃんは、叫びながら、
梓お姉ちゃんの体に入った耕一お兄ちゃんを追いかけ
まわす。
「ああんっ、梓お姉ちゃ〜ん、わたしの体返して〜」
 そして、耕一お兄ちゃんになったわたしは、そんな
わたしの体に入った梓お姉ちゃんを追いかけている。
 ううっ…。
 もしも、この先ずっと、耕一お兄ちゃんの体のまま
だったら、どうしよう…。
 わたしは、お兄ちゃんになった自分が学校の制服を
着てる姿を想像して青ざめた。
 さらに、お兄ちゃんになった自分が学校のブルマを
はいてる姿を想像して青ざめた。
 さらに、お兄ちゃんになった自分が『プリクラ』で
同級生とポーズをとっている姿を想像して青ざめた。
 さらに、お兄ちゃんになった自分が援助交際で、
おじさまからお金を貰っている姿を想像して青ざめた。
 ああ〜んっ、そんなの絶対にいやああぁぁ〜〜〜〜
〜〜〜っ!


初音ちゃんの本音 その弐

「耕一ぃーーーーーッ、まてぇーーーーーーーーッ、
殺すーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
 …って叫びながら、お兄ちゃんを追っかけてる。
 ううっ、…にしても、すさまじい形相。
 わたしの顔が、あんな千鶴お姉ちゃんみたいな顔に
なるなんて、信じられない。
 「初音、それって…どういう意味?」
 きゃー、千鶴お姉ちゃん、ごめんなさ〜いぃ


加藤紀子はナイスボディ

「…うう〜ん、いったい、なにが…?」
 私は痛む頭を押さえ、左右に振りながら、ゆっくり
と瞼を開けた。
 …ええっと、確か、お風呂に入ろうと思って廊下の
角を曲がった瞬間に、頭に強い衝撃が走って…。
 あの衝撃は、いったい何だったんだろう?

 初音は楓に衝撃を与えた。しかし…
「あっ! 吸い込んだな!?」
「私のボディーはGOAなの!!」

 …ハッ! 今のは? 一体何が!?(笑)


貧乏くじ

「うるさああああぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いっ!」
 そう言って現れたのは千鶴姉だった。
 喧騒がピタリとやむ。
「もうっ! 何時だと思ってるのッ、あなたたちッ!
いい加減に−−」
 すたすたすた…。
「−−しなさいッ!」
 ゴツッ、ゴツッ、ゴツッ、ゴツッ!
 千鶴姉の『手加減を知らないげんこつ』が、全員に
いきわたった。

「わたし、別に騒いでないのに…」
 可哀想なのは何一つ騒いでいないのに叩かれた楓ちゃん
だった。


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