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ここでは、音階の形成について、思うところを記述しています。  
陽音階
 「ド」「レ」「ミ」「ソ」「ラ」の5音階(ペンタトニック)は、実にさまざまな民族音楽によって使用されている音階であります。この音階が、特に広く使用される理由は何でしょうか?それは、この音階が、弦楽器や管楽器などを弾くうちに、自然に形成されやすいからだと思います。 

ギターのような弦楽器で、ある音程を出しているとき、その弦の長さの上から1/3の位置を押さえて弦をはじくと、5度上の音が発音されます。例えば、最初「ド」の音を弾いていたとすると、「ソ」の音が発音されるわけです。(ちなみに、1/2の位置をはじくと、1オクターブ上の音がします。)さらに、その「ソ」の音について、これを繰り返すと、「レ」の音が発音されます。そして、さらに、さらに、これを繰り返すと、次は、「ラ」の音が、その次は、「ミ」の音が発音されます。このようにして、「ド」「ソ」「レ」「ラ」「ミ」の音が順に発音されるわけですが、これを並べかえると、「ド」「レ」「ミ」「ソ」「ラ」の音になるわけです。 

上記の作業を、「ファ」の音から始めて6回繰り返すと、「ファ」「ド」「ソ」「レ」「ラ」「ミ」「シ」の音が成生されますが、これを並べ替えると、「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」「シ」の7音階ができあがります。このようにして、形成された音階は、純正律の音階とよばれ、現在の12平均律の音階とは若干異なったものになっております。
沖縄音階
通常5音階は、「ファ」なし「シ」なしの、半音ぬきが多いのですが、なぜ沖縄は、「レ」なし「ラ」なしになっているのか、という疑問が生じます。楽器を純正律で調律した場合、「レ」と「ラ」の幅に大きな狂いが生じ、これらの音を同時、あるいは続けて演奏した場合に、不快に響くということが知られています。沖縄音階に「レ」と「ラ」がぬけているのと、上記の純正律の問題は、何か関係があるのかもしれません。純正律について、もっとしりたい方は、民族音楽関係のリンクで「FMIDICLA」の「古典調律」のページを参照してください。(以上の議論に関して、情報をお持ちの方、ご意見のある方は、メールください。)
 沖縄音階について藤尾博さんからメールをいただきましたので、紹介したいと思います。
ドミファソシド《オクターブ上》をへ短調にのせた上で移動度で歌うとミ ソ♯ ラ シ レ♯ ミ となります、これは総括的にみて中近東やシルクロードの地域の音階に近いと思います。さかのぼればフラメンコの元といわれるサラセンの音階ではないかとも思います。これらの地域の短調音階を長調音階に置き換わったのではないかと考えます。昔、ある時期には琉球と現福建省アモイは深い交易があり、そのアモイにはアラブ系、ユダヤ系の人々が港に住んでいた、聞いたことがあります。
実際の沖縄民謡と奄美民謡でどのような音が使用されているかを調べて表にました。興味のある方は、沖縄音楽の特徴につて紹介しているページをご覧ください。
 
     
 
 
書籍とCDの紹介
島唄の風~沖縄ベストコレクション~ というCDで沖縄の音楽を聴くことができます。

沖縄音楽入門 は沖縄音楽について書かれた書籍です。