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モスキート音(モスキートトーン)と可聴域についての話です。。

 
 
 
モスキート音
モスキート音は蚊が飛んでいる時に鳴るプーンという高い音のことです。人間は誰しも、年齢が高くなると、 このような高い音が聞こえにくくなっていきます。これを利用した携帯電話の着信音がモスキート音です。 たとえば、高校の教室などで、着信音にモスキート音を使用していると、授業中に電話がかかってきても、生徒同士は聞こえるけれども、先生には聞こえないといった状況が発生します。
また、足立区の北鹿浜公園では、若者のたむろ対策として、高周波音発生装置が設置されているらしいです。(その後、撤去されたらしい。)
ただし、高い音が聞こえる、聞こえないは個人差が大きく、若い人でも高い音が聞こえない人もいれば、年をとっていても高い音が聞こえる人もいます。
ちなにに、アニメ映画「名探偵コナン 異次元の狙撃手」でも、探偵バッジ(?)を使用してモスキート音が流れるシーンがありました。50歳の私にも聞こえましたので、たぶん、本来のモスキート音よりは少し低めの周波数だったのではないかと思います。
 
年齢によってどう違う?
音の高さは、周波数という単位で示されます。
目安としては、13歳〜17歳で19kHz、 18歳〜24歳で17kHz、25歳〜30歳で15kHz、31歳〜40歳で13kHzという記述を見つけました。実際にファイルが置いてありましたが、私(45歳)は15KHzまで聞こえました。ただし、15KHzのほうは、ほんとうに微かにキーンという音が聞こえるという程度でした。
測定用のソフトで、もうすこし年齢別に、詳しく調べた結果を可聴域と音程の判別能力という記事で紹介しています。

ちなみに、モスキートトーンは訓練して聞こえるような類のものではありません。歳をとって高い音が聞こえにくくなるのは、 耳の中の繊毛がへたってきているからで、訓練してどうこうなるものではありません。 筋力のように訓練では向上しないのです。むしろ、使いすぎると、さらにへたってしまうかもしれません。
 
モスキート音が聞こえるかどうかを調べる際の注意点
ときどき、どのくらいの音まで聞こえるかを測定するソフトで、2万ヘルツぐらいまで、聞こえたという結果がでる人がありますが、これは、測定上の誤りである可能性が高いです。どういうことかというと、性能の低いサウンドカードでは、2万ヘルツを指定させて発音させても、かなり低い音しか出ていない可能性があります。そもそも2万ヘルツの音が聞こえる人は、非常に稀です。(むかしNHKのドラマで、これをテーマにしたものがありました。。。)モスキート音についても、もしも自分の年齢に対して、良すぎる結果、悪すぎる結果がでたら、測定方法そのものを疑ってみる必要があります。
たとえば、測定のためにモスキート音のMP3をダウンロードすることができます。しかし、MP3というのは、もともと、人間にはあまり聞こえない高周波数帯をカットする仕組みがついているので、MP3になっている時点である程度、音が聞こえにくくなっている可能性があるのです。
 
可聴域の測定ソフト
自分がどの程度の音の高さまで聞こえるかをテストできるソフト(無料)を可聴域&音程識別能力診断ツールで配布しています。
サウンドカードの性能を調べる機能もついていますので、診断の結果に信頼性があるかどうかも知ることができます。