生物はまず動物と植物に大きく分けられ、次になにかしら似ているものを集めていくつかのグループにし、所属する場所をはっきりとさせている。その中でヒトの分類は
霊長目ヒト科ヒト属ヒト=ホモサピエンス
ヒトは生物分類学上霊長目に属する動物で、その中で最も進化したものとして最上位をしめている。動物界からヒトの食性を見てみよう。
霊長類の進化と食性
霊長類を大きく4つに分けた時どのようなものを食べているか、植物性と動物性の食事の割合を示したもの
先祖返りした食性?
ここで注目したいのは進化の流れにそえばヒトは完全な植物食になっていても不思議ではないのに植物性と動物性の食品をほぼ等量ずつ食べるようになったことだ。ヒトは他の霊長類と違って、発達した大脳と言語を持っている。それゆえ食糧を生産することを覚え、世界各地へ移住することができた。しかし、このことが霊長類としての進化における食性に限っては大きく変化させることになったのではないだろうか。
生き残るすべ
現在、世界各地に住む人々の食事を見てみると完全に植物性の食品を食べて生活をしている人々からエスキモーのような肉食者までいる。ヨーロッパ、アメリカではかなり以前から多量の肉類、乳製品が摂取されている。世界の多くの人が穀物を主食としている中、このような肉類、乳製品の摂取が行われた背景について考えると、これはその厳しい気候に大きな関係があるようだ。植物が豊富な地域から生活圏を拡大し、厳しい寒さ、または乾燥地域など暮らさなければならない時、ヒトはその土地にあるものを利用することになる。ヨーロッパは寒冷な気候のため主食となるような植物がとれなかった。だから牛や豚を飼いヒトの食べられない草を食べさせる代わりにその肉と乳を主食とした。ヨーロッパの人にとって肉類、乳製品の利用は生き残るための必要な手段であった。
日本人について
日本は温暖な気候と豊かな土壌に恵まれ、肉類や乳製品を必要とせずに生きてきた。が、戦争が終わって急速に発達した栄養教育の中身はヨーロッパを根元とするものだった。その後日本は経済的な発展に支えられ、所得も増えたことで大きくヨーロッパ的な食事を取り入れることが可能になる。肉類や乳製品を多く取り入れ、日本の食事は豊かになったと言われるが同時にヨーロッパ人と同じ病気、今までにはなかった病気まで取り入れることになるとは思わなかったのかもしれない。戦前までの食事は動物界から見てもヒトの食性にかなっていたといえる。そして今は進化と風土に逆行する道を益々歩んでいるのではないのだろうか。(戦前、戦後の食事や病気の変化はデータの部分を参照して下さい。)