山ある記

伊吹山   (1,377m) − 滋賀県                 1999.12.31 (金)

 
天候: 快晴
標高差
約1,190m

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国道365号から伊吹山(20KB)

  伊吹山ドライブウエイの入り口のドライブインの駐車場で前夜からゆっくり休んだ大晦日の朝。
  関ヶ原から長浜へ向かう国道365号から、伊吹山に向かう広域農道を進むと、山頂にうっすらと雪をかぶった伊吹山が見えてきた。湖北から眺めるよりは、こちらのほうが美しく見える。北側からの伊吹は何か人工的というか無機的な輪郭を見せるからよくない。
  しばらくして登山口であり、伊吹山スキー場へのゴンドラの乗り口である山麓に。貸しスキーをやっている店の駐車場へ車を入れる(\1,000)。御主人の話ではゲレンデには人工雪があるだけで、山頂までは積雪はそれほどではなさそうだ。

8:05 山麓を発(標高190m)。前日の恵那山で靴擦れを起こした両かかとをバンソウ膏と靴下2足でしっかり保護して、歩き出す。登山道に入るとすぐ、近所の犬だろうか、私の歩く前をすたすたと登っていく。小さ目の犬だが、まだ小犬か?落ち葉を踏みしめながら追いかけるが、犬ほど早くは歩けない。

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三合目から伊吹山(36KB)
8:30 一合目(420m)。ここからスキー場になるが雪のないゲレンデは閑散としている。勿論、人影はない。黒い犬はここまで先導してくれたが、ゲレンデの斜面を進むこの道までは付いて来なかった。気温10度。

8:55 二合目(580m)。ひたすらスキー場を歩くと、右手に松尾寺が見えてくる。ゲレンデに付けられた道は直線的で傾斜がきつくて歩きづらい。二合目からも更にゲレンデ内を登る。

9:20 三合目(720m)。手前にかかる頃から、スキー場から音楽が聞こえてくる。静かな山歩きからスキー場の騒々しさに飛び込む、ミスマッチ。人工雪のゲレンデを横切って、すぐが三合目。スキーやスノーボードが出来るゲレンデはこの斜面一面のみで、スキー場としては寂しい風景であった。ここからもまたしばらくゲレンデ歩きが続く。五合目まではリフトが伸びている。
 
 

 

山頂で一句:

ゲレンデの喧騒も山頂では遠く伊吹山

9:50 五合目(880m)。ベンチで小休憩。トイレ有り。この後すぐ名古屋から来られた方が登って来た。10日ほど前に来たときはもっと積雪が多く、おまけに吹雪いていたらしく、八合目で引き返したとおっしゃっていた。その時とは全く違った今日の天気。その時の雪はそれこそ”伊吹”で吹き飛ばされたか、このところの好天で融けたか。ここから本格的な登山道となる。道に積もった雪は踏みかためられ歩き易い。雪は適度に緩んで、アイゼン無しでも大丈夫。

10:15 六合目(990m)。軽快に通過。天候がよく、暑いくらい。

10:30 七合目(1,080m)。先行していた神戸の方に追い付く。私は燃料切れで休憩。おにぎりを一つ口にする。ゲレンデはずいぶん下方になった。琵琶湖はモヤがかかって、はっきり見えない。気温18.6度。

10:55 八合目(1,220m)。小さな祠とベンチがある。ここから雪は多めになる。

11:20 山頂。風があるので多少寒いが、快晴の山頂からの眺めは最高。北に真っ白な白山から手前に能郷白山、さらに福井・岐阜県境の山並みが続く。東はあいにくモヤがかかって遠くは見とおせないが、かすかに南アルプスらしい稜線が見え隠れする。運がよければアルプスの奥に富士山が頭を覗かせるらしい。御岳、乗鞍まではなんとか見えた。
三角点は測候所のすぐ手前にある。しばらく山頂をぶらぶらする。気温10度。
 
 

 

<参考地図>
どこでもアウトドア 「日本百名山を登る(下巻)」(昭文社)

12:15 下山開始。途中でドライブウエイ駐車場への分岐の先に琵琶湖の眺めのよさそうな場所があったので寄り道。一人ぶんの足跡だけが残り、その上を慎重にトレースして進むと、山の西側にやや飛び出た場所に出る。時々足元を踏み外して膝まで雪に潜ることも。この時間になると湖面や竹生島、湖西のさらに西へ連なる峰々が見渡せる。

12:30 再び下山開始。気温も上がり、路面の積雪が融けてぐちゃぐちゃになると反って歩きづらくなるし、足元も汚れやすくなることを嫌って、さっさと下る。

12:40 八合目。一瞬、目の前を右から左へ、立ち上ったガスが通り過ぎる。気温16度。

13:20 四合目(800m)。スキー場の歌謡曲がまた近づく。無人のリフト降り場の緩いスロープの板の上に腰を下ろして休憩。おにぎりがうまい。お茶もうまい。しばらく横になる。
 
 <日帰り温泉>
長浜太閤温泉・豊公荘(国民宿舎)〜
  琵琶湖畔に長浜城と並んである。
\500
  内湯2(うち鉄泉1)。鉄泉は濁り、確かに鉄の臭いがした。靴擦れにお湯がしみるが、登山の疲れがとれていくようだ。
  帰りの夕暮れの湖岸道路は景色美しく、湖西の山々に沈んでゆく西暦1,900年代最後の夕日を眺めながらの素晴らしいドライブが出来た。明日はもう新年である。
13:55 二合目。再び、人工雪のゲレンデを横切って、下る。ここからはゲレンデの直線的な下りを嫌って、舗装された林道を歩くことにした。気温12.5度。

14:15 一合目。アスファルト歩きはクッションが効かないので膝への負担が大きかった。しかも遠回りであったが、あとの祭り。

14:35 山麓の駐車場に着。一合目からは再び山道を歩き、落ち葉のクッションの良さを改めて思い知り、快調に下ることが出来た。気温14度。

  貸しスキー屋のご主人に、年末に営業してそうな日帰り温泉を地図つきで紹介してもらい、お礼を言って伊吹をあとにする。温泉のあとは実家へ帰るだけだ。
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山頂からのパノラマ(63KB)
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