山ある記 |
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恵那山 (2,191m) − 岐阜・長野県 1999.12.30 (木) |
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天候: 快晴 標高差: 約1,070m ![]() 国道19号・中津川市街より恵那山(24KB) |
年末年始休暇。今年は何処へ行こうかと、少し前から天気予報をチェックしながら考えてきたが、結局ここを選択した。九州北部(九重、祖母、阿蘇あたり)も狙っていたが帰省の日程を考慮すると、すべてを攻略するのは不可能なのであっさり諦めた。 この年末年始は西暦2000年問題もあって、日本でも多くの方が待機されているようだが、幸いにも私はお休みをいただくことができた。 恵那山は帰省の途中の中山道からもアクセスできるから丁度よい。前夜に東京を離れ、甲州街道を諏訪から中津川方面へ車を走らせる。路面の雪や凍結が心配であったが、問題無く木曽谷も通過。中津川の国道19号沿いのコンビニで朝7時半ごろまで車中泊。 早朝の空はまだ薄暗く、曇りがちであった。名古屋へ向かう19号を中津川を渡る手前で左折、国道363号を岩村方面へ進むと、恵那山登山口である黒井沢への標識が現れる。中津川を渡ると川上スケート場の屋外リンクが見える。ここから黒井沢の登山口までは、ほとんど未舗装の林道を10kmほど走ることになる。皇海山の帰り道でのパンクの苦い思い出が頭をよぎるが、帰るまではタイヤがもってくれることを祈って、慎重に車を進めた。なんとか登山口に辿り着くと既に4、5台の車が停まっていた(途中、うっすらと積雪も)。くるぶし辺りまで積雪がある。 早速、卸したての登山靴を履く。今日は靴ならしと、雪上歩きが大きな目的だ。登山靴は冬のボーナスが出たら絶対に買おうと思っていたもの。西新宿の石井スポーツで28日に買ったばかりだ。29日にクリームをしっかり塗り込んだ。本格的な登山靴は初めてだから自然と気分も高揚する。 |
![]() 山頂小屋裏より南アルプス南部、富士山がうまく写っていない(15KB) |
8:35 登山口を発(標高1,120m)。登山口からの黒井沢沿いの緩やかな歩きは、積雪が先行者によって、しっかり踏まれて歩き易い。新しい靴の感触と、靴裏の雪の感覚をしっかり受け止めながら歩く。アイゼンも用意してきたが、まだ必要はなさそうだ。いつのまにかすっかり空は晴れ上がり、明るくなってきた。 8:55 林道歩きが終わり、本格的な登山道が始まる。 9:05 休憩小屋(約1,290m)。トタン拭きの簡素な小屋。スキージャケットを羽織っていたがさすがに暑くなってきたので、これを脱ぎフリースジャケットに。先行する人たちの踏んだ雪上の足跡を頼りに進む。 9:55 野熊の池避難小屋(約1,660m)。小さいがしっかりした造りの小屋。少し歩くと小さな野熊の池が現れる。浅いが水が澄んだ池で、凍ってはいない。倒木が沈んでいた。気温9.6度。 |
![]() 山頂小屋裏より南アルプス北部(15KB)
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10:40 山頂小屋まで1.85km地点(約1,930m)。両かかとが靴擦れを起こした。バンソウ膏で応急処置。やはり新しい靴がまだ足に合わない。軽く食事。気温15.4度。 11:45 山頂小屋(2,170m)。ここまでの登りで会った人はわずか3人。小屋の裏の岩の上で景色を楽しむ方が4人ほど。彼らが岩を下りてきたら自分も登ってみようと、しばらく休憩。そのうち山頂を極めて下ってきた二人組が、彼らと入れ替わったが、自分も後に続いた。岩の上からの景色は絶景であった。岡山から来られたというお二方に、東側に広がる日本アルプスの峰々の山名を講釈していただいた。 南アルプスの聖岳、光岳の間に富士山の頂が覗いている。視線をどんどん左へ移していくと、赤石、悪沢、塩見、農鳥、間ノ岳、北岳、仙丈、甲斐駒と続く。更に手前には中央アルプス、木曽駒、空木の山頂の雪が白い。気温8.3度。 12:10 山頂。恵那神社本宮で登頂を感謝。山頂は平らな広場になっているが、辺りは木々で囲まれて展望はよくない。木々の隙間からは北に大きな御岳が望めた。ここ、山頂はまさに小春日和といった感じ。 |
![]() 山頂より中央アルプス北部を望む(28KB)
<参考地図> |
12:25
山頂小屋へ戻る。誰もいない山頂は物音もせず静まりかえっている。昼食のあと下山開始。 13:40 野熊の池。ここまでの下りは南アルプス、中央アルプスの山々を眺めながら、その景色の素晴らしさに靴擦れの痛みも忘れて、ゆっくり歩いた。登りでは背後にあって全然気づかなかった景色の広がりを楽しんだ。 池のそばのベンチでしばし休憩。たまに吹く風の音、笹擦れの音、遠くに小鳥の声が聞こえる程度。気温11度。 14:25 休憩小屋。下りではかかとには負担がかかりにくいのか、痛いながらもなんとか下りてこれた。登山口まではもう少しだ。沢沿いの山肌から染み出る水が凍って、あちこちで氷柱になっている。気温13度。 15:00 登山口。結局、下りでは誰にも出合わなかった。アイゼンも使わずに済ませた。練習のために一度付けて歩いてみてもよかったかも知れない。駐車場には山頂にいらした二組のグループの方々が既に帰り支度をしていた。 どうやら明るいうちに山を下れそうだ。 |
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