白山
(2,702m) − 石川県
1999.08.17 (火)
山ある記
天候:曇り後晴れ
いわずと知れた富士山、立山と並び三名山と言われる山の一つ。
前日まで弱い熱帯低気圧の影響が日本各地で残っていた。福井県内でも一部で崖崩れや浸水など大きな被害が出ていた。
本来なら前々日から両親を連れて立山へ行く予定であったが、天候には勝てず、足止めとなった。そこで前日(8/16)は、急遽予定を変更。実家に近い報恩寺山に近年、東急グループによって開発されたスキーリゾート、スキージャムへいくことにした。ホテルやロッジに併設された温泉が最近オープンしたということで、入浴が一番の目的である。スキーには2度ほど訪れたことがあるが、夏に来るのは初めてであった。
さて、白山は実は中学の頃、学校のイベントとして登っている。学年全員が室堂で一泊し、早朝ご来光を見た記憶がある。とにかく眠くて寒くて、ご来光どころでなかった。この頃は全く山には目覚めなかったようである。
報恩寺山から一夜明けて午前7時過ぎ、目が覚めた私は白山へ行くしかないと即座に思い、仕事のある両親を置いて単独、車を白峰村へ向けた。157号線を白峰村から白山温泉方面へ牛首川沿いを上る。シーズン中の週末ははマイカーの乗り入れは市ノ瀬で最後となるが、この日は火曜で別当出合まで入れた。
8:35
別当出合の駐車場には既に多くの車が停まり、何より目を引いたのは自衛隊の迷彩色のトラックの一団である。標高1,330m。気温30度。駐車場から見える柳谷に流れ落ちる滝が涼しげだ。谷は砂防工事の真っ最中であった。コースは吊り橋を渡って砂防新道をとる。
9:15 中飯場(標高1,540m)。水場あり。トイレあり。
9:55 甚之助小屋(標高1,970m)。水場あり。トイレあり(残念だが汚い)。気温21.4度。白山は整備された登山道が登山者に優しい。実際、小学生からお年寄りまで幅広い層の人が来ていた。
10:35 黒ボコ岩(標高2,320m)。気温18.2度。高度を増すにつれ霧の中を歩くことになる。トリカブトやタカネナデシコ、ハクサンフウロなどのお花畑もあり目を楽しませてくれる。かなり露に濡れていた。ここからは弥陀ガ原というハイマツの広がりになる。霧に覆われて幻想的な雰囲気を醸し出す。
11:00 室堂(標高2,448m)。室堂センターは改修中。老朽化が進んでいるようだ。代わりにプレハブの仮設事務所や食堂が建っていた。御前峰山頂はガスでけむって見えない。鳥居をくぐり白山比め神社(”め”は口へんに”羊”と書く)わきを通って、山頂を目指す。迷彩服の集団が続々、山を下ってくる。自衛隊の皆さんだ。なかなか異様な雰囲気(失礼)。
11:30 御前峰山頂。気温16.4度。霧で視界ゼロ。風も強く思わず長袖シャツに着替える。比め神社奥宮を囲う石垣で風を避けながら昼食。イワギキョウがそんな山頂にも花を咲かせている。視界が良ければ北アルプスの峰々が望めるはずであったが残念ながら、その姿を拝むことはできなかった。
下りは火山湖巡りコースをとる。御前峰を来た道の反対側を剣ガ峰を右手に見ながら下り始める。途端に、雲が晴れはじめ視界がどんどん良くなってきた。火山湖の数々が見下ろせる。火口にできた池を巡りながらお花畑を歩くと、雪渓に覆われた千蛇ガ池が現れた。この雪は1年を通して融けずに残るという。
チングルマやアオノツガザクラ、ヨツバシオガマなどが広がるお花畑、ハイマツの間を下ると室堂に戻る。
白山(しらやま)比め神社と御前峰
13:15
室堂。午前中の霧はほとんど晴れ、御前峰もはっきり見上げることができる。比め神社に参拝。小休憩後、下山開始。帰りは弥陀ガ原をエコーラインへのコースをとった。わずかだがイワイチョウが咲いていた。どんどん雲が減り、時間とともに天気は好転している。正面の別山の頂が鋭い。ニッコウキスゲやアザミ、フウロが咲き乱れる花畑を下ると南竜へ下りるコースに合流。これを少し登ると甚之助小屋へ下る砂防新道へ合流する。
弥陀ガ原のイワイチョウ
御前峰に因むゴゼンタチバナ
14:45
甚之助小屋。水分補給。白山は要所要所に水場が整備されていて、多量の水を用意しなくていい。
15:50
別当出合に着。日差しも強くなり暑い。既に自衛隊は撤収していた。
途中、数人の方がごみ袋とチリばさみを持って、ごみを拾いながら登っておられた。ごみ一つ落ちていない白山であった。
標高差約 1,330m。
<日帰り温泉>
帰りは白峰村の温泉館スプラッシュで汗を流す。プール(別料金)と一体になった施設で、浴場のほうが小さいのが残念(\650)。
<参考地図>
アルペンガイド16 「中央アルプス・御岳山・白山」(山と渓谷社)
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