白馬(しろうま)岳
(2,932m) − 長野・富山県
1999.10.09 (土)
山ある記
天候:晴れ
白馬(はくば)。その単語の響きからもこのリゾート地のイメージは日本では別格である。これは多分に私の思い入れが込められているから、一般的にはどうかは分からない。その思い入れは学生時代に冬の白馬でバイトをしてからだ。岩岳スキー場という白馬では八方と栂池に挟まれて地味な所であった。ここでリフトマンをしているうちにスキーに開眼。スキーに病み付きになったのもこのバイトのせいだ。うちの学校は一般的にいう3学期は実質的にはなく、雪に閉ざされて冬休みとなる。その冬休みのバイトを探している内に、幸運にもその冬から春にかけての1シーズンを白馬で過ごすこととなった。思い出話はここでは語り切れないし、これの趣旨ではないのでこのへんで。
体育の日を挟んで3連休。週末の天気予報は全国的に好天の予想。絶好の山日和。今回は足を伸ばして思い出の地・白馬を目指すことに。
東京からは少し距離もあり、現地での仮眠の時間も考慮して、今回は珍しく高速道路を使うことにした。八方の入り口から岩岳方面に入り、松川沿いに猿倉に向かう。満天の星空、猿倉の駐車場には午前3時前に到着。夜が明けて目が覚める頃には付近はうっすら朝靄に包まれていた。
6:20 猿倉荘(標高1,230m)でトイレを済ませ出発。一旦、砂利の車道に出て、ここからは白馬尻の手前まではしばらく沢沿いの車道を歩く。丁度よいウォーミングアップだ。
7:10 白馬尻(1,560m)。大雪渓の入り口。気温14度。吐く息が白い。
7:25
大雪渓末端の碑。が雪渓は切れっ端が僅かに残る。雪渓らしい雪渓を見るにはもう少し歩かねばならない。沢から上るガスの切れ目からたまに白馬岳が頭を覗かせる。
8:05
4合雪渓の先辺りか?ずっと雪渓の脇道を歩いてきたが雪渓を渡る唯一の場所はここだけ。雪面は多少絞まって固いがアイゼンは不要。3分もかからずに渡れる。少し登るとガスも晴れて、雲海に遠い山々が浮かんでいる。猿倉の駐車場に停まっていたヘリが荷物を運んで上空を何度も行き来していた。
大雪渓から白馬岳(50KB)
9:15 葱平(ねぶかっぴら:約2,440m)。気温18度。低い雲の上に出て日差しも暖かく感じる。小休憩。
9:55 村営頂上宿舎。宿舎の奥にはヘリポートがあった。この手前2,500m過ぎでは道沿いを伝う小さな流れが氷っていた。少し登ると、唐松岳への縦走路の分岐。白馬岳と並んで白馬三山を構成する杓子岳、鑓ガ岳が連なる。立山・剣が良く見える。
10:10 白馬山荘(約2,800m)。超立派な山荘。人気は僅かに小屋のスタッフくらい。気温12.6度。
10:20 山頂。360度最高の眺望。が風が冷たく、じっとしていられない。気温10.5度。白馬大池(栂池)方面から登って来られた人もいた。槍・穂高までくっきり見える。
白馬岳山頂からのパノラマ(QuickTime-VR : 172KB)
11:00
パノラマ撮影を手早く済ませ、白馬山荘まで下る。山荘の外のベンチで立山・剣を眺めながら日向ぼっこ。ずっといてもいいくらいの心地よさ。コンロで沸かしたお茶で暖まる。すぐそばを名前の知らない小鳥がちょこちょこ歩いている。
手前が杓子岳、奥が鑓ガ岳(58KB)
立山・剣岳(52KB)
11:45 再び下山開始。
12:20 葱平。朝とは違い、休憩する人であふれていた。
13:20
雪渓を渡った先で小休憩。右足人差し指の第2関節の頭がふやけて靴擦れ。絆創膏で救急処置。雪渓わきの下りは道も狭く、足場がしっかりしていないため非常に歩き辛い。ズリズリと足が流される。
13:50
白馬尻。登り道や山頂で言葉を交わした静岡から来られたという親父さんにようやく追いつく。膝を傷めているとは思えないくらい健脚だ。小休憩。
14:40
猿倉の駐車場の着。紅葉の始まった沢沿いの車道をだらだらと歩く。岩岳スキー場の裏側のゲレンデが見える。標高1,290mの岩蕈山なんて白馬岳から見れば可愛いものだ。駐車場に着いて、さっきの親父さんにリンゴをご馳走になった。
大雪渓は想像通り小さく汚かったが、山頂からの展望は最高。登りは比較的楽であったが、雪渓わきの下りに苦労した。
標高差約 1,700m。
<日帰り温泉>
極楽の湯。内湯1/露天1。内湯といっても屋根があるだけで洗い場のある壁2面以外は柱のみの桧の浴槽。お湯がやたら熱い。ゆっくり浸かっていられない。露天のほうは底が白く塗装してあって少し変(\500、ロッカーなし)。
風呂の後は、翌日に登るつもりの五竜岳へのアクセスの確認。五竜とおみスキー場のテレキャビンは朝8:30発。あまりにも遅いスタートなので却下。八方の黒菱まで車で上がれることを知り、歩行時間は長いが八方側から攻めることに。
<参考地図>
アルペンガイド13 「北アルプス」(山と渓谷社)
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