苗場山
(2,145m) − 新潟・長野県
1999.09.12 (日)
山ある記
天候:曇り
前日、谷川岳を下り、谷川温泉でゆっくりした後、国道17号を一路、湯沢方面に向かった。苗場山に登るためだ。三国峠を越え、三俣あたりで昼寝。起きたあとも未だ明るかったので、更に塩沢・六日町方面までドライブしてしまった。湯沢では17時ころに猛烈な夕立に遭い、車を路の脇に寄せて運転を止めるくらいだった。
その夜は晩ご飯を食べたり、本屋に入ったりとブラブラしていたが早めに三俣に戻り、朝を待つことにした。苗場山の登山コースの一つ・祓川(はらいかわ)コースは八木沢から清津川を渡り、かぐらスキー場から林道を和田小屋に向けて上るところから始まる。マイカーなら小屋の下をしばらく下った所に駐車場がある。が、その夜はもっと下ったところのゲートで一般車両通行止めの看板があったので、素直にそこの駐車場に車を停めた。自分の車一台だけの、漆黒の闇。下界では雲が広がり翌日の天候に不安もあったが、そこは別世界。空を見上げるまでもなく満天の星空だった。車の窓から見える星々と虫の歌声を聞きながら、いつしか眠りへ。
何時ころか、ふと目を覚ますと空には星は見えなくなっていた。再び眠りにつくと今度は雨音で目を覚ます。昨日と同じパターンだ。はやり天気予報どおり、ここ一、二週間は大気が不安定な状態にあるようで天候も安定しない。昨日のパターンなら夜が明けて雨が上がれば、曇っていても登山には問題ない。そう思ってまた寝た。
午前6時前には周りに車が出入りするようになり、物音で自然に目が覚める。ゲートには何時の間にか管理人がいて登山者に登山計画書を書かせて、車を和田小屋方面へ送り出していた。そのとき初めてもっと上まで車で行けることを知る。雨は止んだが曇ったまま。6時のNHKラジオの天気予報では低気圧が北東へ移動して、新潟県地方も午後には晴れ間も見えると言っていた。だが午後までは待ってはいられない。
6:45 苗場山登山道口を発。相変わらず霧が立ち込めている。
7:00
和田小屋。ここが苗場山5合目。小屋はかぐらスキー場のゴンドラ降り場のそばで、ここにも多く駐車していた。スキー場を横切って本格的な登山道に入る。
7:35 下ノ芝(標高1,703m)。この辺りから分厚い板を敷いた木道が出てくるが、雨と泥で濡れて滑りそうで少々危ない。リンドウがたくさん蕾を付けている。このリンドウ、苗場山のどこかしこと見られた。生命力が強いのか、繁殖力が強いのか、一番の権勢を誇っていた。
8:00
中ノ芝。この下あたりまでスキーリストが伸びていた。道の脇には時々、木道の補修用の木材が横たわっていた。ヘリコプターで運んだらしい。8:10
には上ノ芝に達する。芝というよりは笹原が広がる。
8:25
神楽ヶ峰。時々、とおり雨に遭いながらもなんとか辿り着く。ここからはお花畑までしばらく下ることになる。
8:35 雷清水(標高1,948m)。コース唯一の水場。すぐ下がお花畑。トリカブトがたくさん咲いている。
8:55 雲尾坂。お花畑からの急登である。山頂はすぐそこだ。
イワハゼ
ミヤマコゴメグサ
9:15
山頂に着。小さな沼が点々とした湿原。霧のために見渡せないが、かえって幻想的な雰囲気を醸し出す。でも薄暗くて陰気くさい。三角点は遊仙閣の裏。長野県側には新しいヒュッテが建っていて、そこで休憩。
9:45 下山開始。あまり期待せず30分ねばって天候の回復を待ってみたが、相変わらずなので下山。好天なら4km四方の大湿原を見渡すことができたのかも知れない。残念。
10:50 神楽ヶ峰。下って、登って、ここからは下る一方。
11:35
下ノ芝。天気が回復してきて時々晴れ間も見える。この上の6合目あたりでは日曜というのに登山道の補修作業をされていた。
12:10
和田小屋。ここまで来るとスキー場のゲレンデが広がり視界が明るくなる。山頂方向を振り返るがやはり雲が掛かっている。
12:30
登山道口に着。原っぱの蝶をカメラで追いかけながら更に下ってきた。陽光が差し始め気温も上がってきた。
ヒョウモンチョウ
標高差約 ?m(高度計をうちに忘れた)。
<日帰り温泉>
三国街道三俣宿「街道の湯」:清津川を渡ってすぐ、国道17号沿いにある(\500)。木目をいかした造りの建物で目立つ。浴室にも太い丸太が多用されていた。
シャンプーがないのが減点。貴重品ロッカーも有料(\100)。内湯1、露天あり。休憩室は狭い。
<参考地図>
どこでもアウトドア 「日本百名山を登る(上巻)」(昭文社)
*祓川(はらいかわ)コースは紹介されていない。
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