山ある記 |
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針ノ木岳 (2,821m) − 長野県大町市・富山県立山町 2004.08.01 (日) |
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天候:曇り 標高差: 1,450m |
<真夏でも肌寒い針ノ木雪渓・・> 扇沢には昨年、爺ヶ岳に登って以来。前回同様、大町市内から扇沢に近づくに従い、雲行きが怪しくなり、雨でも降りそうなほど、朝から薄暗い。年中、そういう気候の土地なのだろうか?この季節の特徴か?9時にして扇沢の無料駐車場は満車。扇沢は立山黒部アルペンルートの玄関だから登山客だけではないと思うが、凄い賑わいである。しかし車だけは多いが、人の姿は疎らであった。駐車場に停められないため、50mほど戻った路肩に駐車。 |
9:00
駐車地点(標高約1,370m)。扇沢のバスターミナルまでしばらく車道を歩く。割と頻繁に車が行き来する。先は長い。ゆっくりと足慣らし。 9:15 ターミナル(1,420m)。立山に行く人はここからバスに乗り換える。駅のトイレで用を済ますと、バスが通る車道脇の登山道を歩き始める。時々、その車道と交差する。 9:40 約1,570m地点。小休止。立山に向かうトンネルの入り口の上辺り。ブナの樹林。 10:15 約1,710m地点。小休止。大沢小屋の少し上辺り。大沢小屋では熊避けのカウベルを鳴らして来た私に気付いたのか、小屋のオヤジさんが出迎えてくれたが、勢い余って挨拶だけして通り過ぎた。北アルプス三大雪渓の一つ、針ノ木雪渓が融けて沢となっている。気温19.6度。 10:40 約1,790m地点。雪渓の始まり。沢の途中で小休止。しばらく高校生らしい団体の後ろについて歩くことになったが、ここで彼らが休んだのを見て、彼らよりも先に出発。汗もたっぷりかいた後でもあり、雪渓歩きは寒くなりそうであったため、しっかり汗を拭った後、長袖シャツを着込む。雪渓の始まる谷は付近から山頂にかけて完全にガスってしまい、視界が悪い。 11:25 雪渓の終り(約2,080m)。雪渓では終始、ガスの中を歩かされたが、なんとかアイゼンなしで雪渓を通過(アイゼンは持参していたが履き替えるのが面倒だった)。ところどころに雪渓の割れ目があったりして、緊張した。先行者の足跡が続くので道に迷うことはなかった。気温16.5度。 12:00 最終水場(約2,300m)。小休止。雪解け水が勢いよく流れ落ちる。気温17.6度。 12:30 針ノ木小屋(2,536m)。ジグザグのガレた細い道を登り切ると大きな小屋が現れる。急に視界が広がり、すぐ東には蓮華岳が見え、登山道が伸びているのが分かる。南西には雲が多いが赤牛岳から水晶岳にかけての山並みが望める。小屋付近は多くの登山者で賑わっている。少し休んで山頂に向かう。 |
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<日帰り入浴>
湯けむり屋敷”薬師の湯” 。大町温泉郷の入り口近く。\600。 佐々成政のサラサラ越えの伝説にも関係のある温泉。厳冬の北アルプスを越えて富山から大町に辿り着いた成政一行が、温泉の湯で疲れを癒したと言われる。これが史実かどうかは分からないが、私はしっかり疲れを癒してもらった。しかしそれでも、この夜はあまりに疲れ過ぎて、よく眠れなかった。 内湯1、露天1。 <参考地図> |
13:35
山頂。小屋からしばらくして腿がツリそうになり始める。途中で雷鳥の親子に出会い、少し気を紛らせてくれた。ガスり勝ちな斜面を山頂はまだか、まだかと思いながら歩き続けると、なんとか登頂。山頂ではガスも晴れ、視界は良好。立山が近い。黒部湖もはるか真下に見下ろせる。丁度、観覧船が湖面に白い筋を引いて走っていた。立山から北は雲が多くて、剣岳などは望めなかったが、西から南にかけての山々はほぼ見晴らせた。やや遠いが槍ヶ岳の鋭い穂先がよく見えた。気温25.4度。 14:00 下山開始。かなり草臥れていたし、素晴らしい景色にずっと山頂にいたい気分ではあったが、夕刻までには下山したかったし、落雷や雨の恐れもあり、早々に下山。再び雷鳥の親子に遭遇、花の写真を撮ったりしながら、ゆっくり下る。 14:45 針ノ木小屋。道草を食っているうちに、いよいよガスが濃くなり始める。気温18.2度。 15:00 最終水場。小休止。この時間帯に下山する人は少ない。急な下りではストックがかなり有効。長い下りでも心強い。 15:15 レンゲ沢(約2,200m)。薄暗くなってきた。沢の流れの音だけが大きく響く。 15:30 雪渓の終り(上端部)。少し前方を中高年のご夫婦が下っていたので、少し距離を置いてゆっくり下る。 15:50 雪渓の始まり(下端部)。下りでもアイゼンなしで乗り切る。雪渓を通過すれば、こちらのものだが、まだ先は長い。 16:20 大沢小屋の少し上辺り。雪渓より下のほうではガスも晴れ、明るさも戻る。好きで登っているとはいえ、あまりに長く歩かされて、そろそろウンザリしてくる。 16:55 約1,590m地点。小休止。 17:15 ターミナル。ようやく辿り着いた、という感じ。これだけ長時間歩いたのは久々。それだけの体力がまだ残っていたのは少々嬉しい。それにしても疲れた。 17:30 駐車地点。脚がガクガクである。 |