山ある記

南八ツ横岳   (よこだけ 2,829m) − 長野県茅野市・南牧村    2003.09.28 (日)

天候:曇
標高差:1,050m
  <小泉首相、総裁選に再選、そして台風15号・・>
 前週末は台風15号の接近・通過による影響で天候が悪く、秋分の日にかけた飛び石連休も、谷間の月曜が会社の休日で4連休となったが、台風のせいで山には行けなかった(おかげで自宅に持ち帰りの仕事が捗ったが・・)。そんな鬱憤を晴らすべく、この週は八ヶ岳に向かったのだが、実は朝から曇り空。上田上空はそれほどでもなかったが、八ヶ岳に近づくに連れて雲は多くなり、佐久側から麓の南牧村に入ると、八ヶ岳は全体がすっぽり雲の中に消えていた。登山口のある海ノ口自然郷は広大な別荘地で、メインストリートの両側に背の高い針葉樹が整然と並び、気品さえ漂わせていて、別世界といった感じ。そんな別荘地の外れにようやく登山口を見つけた。
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三叉峰下より南横岳を望む(16KB)

10:35 登山口駐車場(標高約1,780m)。しばらく別荘地の中の湿った登山道を歩く。別荘のすぐ脇を通る箇所もある。雨後らしく、地面も草木も濡れている。山頂へは杣添尾根コースを取る。日当たりが悪いせいもあるが気温も低く、すっかり秋山シーズンになったことを実感。
10:55 小休止(約1,920m)。割と水量のある沢に丸太を数本渡したちょっとした橋がある。尾根伝いのコース上には、これといった目立ったポイントは少ない。気温12.8度。長袖の速乾Tシャツ一枚では少々肌寒い。
11:30 小休止(約2,185m)。徐々に高度を増すと、一段とガスも濃くなり、余計に視界もはっきりしなくなる。見える景色もわずかである。ガスが物音を吸収するのか、静寂が続く。若者グループが下山してきた。気温8.9度。
12:00 小休止(約2,380m)。急登が続く。相変わらずのガスの中。自分がこの世界のどこにいるのかも分からない。気温7.9度。肌寒くても汗はかく。体温を奪われないように、タオルで汗をしっかり拭う。
12:50 小休止(約2,645m)。変わり映えしない登りが続いたが、背の高い木が姿を消し始めた。鬱蒼とした森から抜け出した。
 
<日帰り入浴>
八ヶ岳 海尻温泉”灯明の湯”。\800
国道141号を佐久方面に下っていくと、海尻というところに看板が出ている。左折して湯川沿いに山の中へ少し入っていく。浴室からは八ヶ岳がよく展望できた。つい先ほどまでは雲が多かった山頂付近だったが、その雲は今は山頂を掠めるくらいの位置にしかない。ぬるめの内湯は私には丁度よく、ゆっくりと長く浸かっていることが出来た。
内湯1、露天1、サウナ。

<参考地図>
・アルペンガイド11 「八ヶ岳・北八ヶ岳」(山と渓谷社)

13:20 稜線(約2,810m)に出る。八ヶ岳の縦走路に合流した。振り返ると、近くのごくわずかな景色しか見渡せなかったが、紅葉しているのが分かった。ハイマツが茂る杣添尾根の終点から稜線に出ると、そこは赤い砂礫の登山道に変わる。赤岳もこんな地面だったことを思い出す。上空は雲に覆われているが太陽が近いせいか明るく、雲を通しても陽の暖かさを感じる。気温10.3度。ガスが多く、右も左もよく分からなかったが一瞬、周囲のガスが晴れて、横岳方面の景色がパッと広がる。この機を逃すのものかと写真を撮る。しかし、すぐにまたガスがやってくると、二度とこんな瞬間は訪れてくれなかった。切り立った狭い稜線を横岳山頂を目指す。
13:35 山頂。鉄梯子を2つ越えた先の山頂は狭く、縦走路の通過点にしか過ぎないのだな、と感じる。下界で暖められた空気が上昇気流に乗って上って来る。まだ夏山の香りがする。夏山の名残を楽しんで下山。気温13.7度。一旦、来た道を戻って、風の当たらない岩陰に腰を下ろして昼食。熱いお茶が旨い季節になった。
14:05 下山開始。杣添尾根を下る。
14:30 小休止(約2,510m)。朽ちて倒れたのか、倒木が多い。後はただ下るのみ。ひたすら下りていく。
15:05 小休止。高度計、温度計付きの腕時計の調子が悪い。データを表示してくれなくなった。木々の隙間から下界の景色がようやく見えるようになる。
15:45 駐車場。下界は嘘のように晴れていた。若干、雲は多いが青空が見えた。
 登山口を離れ、国道141号方面に下っていくと、広大な畑から近くに鋭角に尖った男山や、遠くに瑞牆山の奇岩がよく見えた。

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