山ある記

白砂山   ( しらすなやま 2,140m) − 長野・群馬県                 2003.05.04 (日)

 
天候:晴れ
標高差:640m

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山頂手前辺りのピークから白砂山を望む(25KB)。

  <白砂山はまだ冬と春の境>
 GW後半。今年のGWは休日の並びが悪いため、大型連休にはしにくかった。結局、平日3日間は仕事をしていた。が、そのGW後半も好天が続き、この日も山に向かった。白砂山へは群馬県六合(くに)村から入る方がアプローチしやすい。
 出掛けるのが遅かったため結局、登山口のある野反湖に着いたのは正午前という遅い時間。ガイド本によると往復6時間45分とあるから、もしかすると山頂までは無理かという時間帯。しかも登山口周辺にも残雪がたっぷりあり、山中ではかなりの雪を覚悟せねばならないという状況。
 丁度、下山して来られた静岡ナンバーのおじさんに残雪の具合を尋ねると、堂岩山までは雪はあるが問題なく歩け、堂岩山から白砂山までの稜線は逆にほとんど雪はないらしい。せっかく来たのだから行けるところまで行ってみようと歩き出す。登山口のある駐車場は登山者はごく少数派で、他は皆、野反湖観光といったところ。
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まだ氷の残る薄暮の野反湖(16KB)。北欧の氷河かとこかに来たかのような印象。下界は夏も近づいてきたといった陽気だから、まるで別世界である(その異風景は衝撃的ですらあった)。

12:00 登山口(標高1,530m)。ここから雪の残る小高い丘を越えて一旦、ハンノ木沢(1,500m)まで下る。木橋で沢を渡ると、ひたすら登る。残雪はほどよく締まり、歩きにくいことはない。ただ、気温の上昇で所々で緩んだ深雪を踏み抜き、脚を取られることもあった。
12:25 約1,600m地点。地蔵峠の手前あたり。雪が多くて、登山道かどうかも分からなくなって来たが、先行者のおかげでなんとか進めているという状態。ぽつりぽつりと枝に付けられたテープがあったりするが、これだけを便りにはとても歩けないなというのが正直なところ。
12:50 約1,780m地点。野反湖を見下ろすことが出来るポイント。稜線に付いた雪はかなりの量。稜線上というよりは谷側に張り出して雪が積もったような感じで、雪庇のように今にも崩れ落ちないかと多少心配であった。
13:20 約1,800m地点。堂岩山から下って来た中高年夫婦と遭遇。時間が時間だから白砂山登頂は諦めて堂岩山で昼食を摂って下りて来たと言う。これから山頂を目指すか、堂岩山で引き返すか判断が微妙な状況。とりあえず先を急ぐ。
13:50 約1,940m地点。まだ白砂山は見えてこない。そう、堂岩山の更に向こうに隠れているのだ。午前中の薄曇も次第に晴れてきて、かなり晴れ間が広がった。ウィダー補給。
14:10 堂岩山(2,051m)。多分、残雪のせいで2,051mよりもっと高いはずだ。ここまで来れば白砂山の山容ははっきり分かる。確かに白砂山との間の方が残雪は少ないように見える。白砂の往復を約2時間と見て、堂岩山に戻るのは16時過ぎになる。これならぎりぎり日没までに下山できると踏んで、白砂へ向かう。陽ざしは穏やか。気温18.3度
 
<日帰り温泉>
「応徳温泉 くつろぎの湯」
 \400。国道292号沿い、六合村・道の駅にある。
 内湯1のみのシンプルな造りだが、必要なものは揃っている。湯の華が黒かった。
 温泉と公民館がくっ付いたような雰囲気。日が長くなったとはいえ、すっかり外は暗くなっていたが、翌日も休みということでゆっくりさせてもらった。
 

<参考地図>
・どこでもアウトドア 「日本200名山を登る(上巻)」(昭文社)
14:35 白砂山直下(約1,980m)。ピークを2つほど越えた。アップダウンが続いたため、足腰に強く疲労を感じるようになる。ここからの急な稜線の登りは雪解け水が流れ、道が泥化して歩き辛かった。
15:00 山頂。男性が1名。少し離れた笹薮の向こうからオバさんグループの声がする。360度見渡せば山ばかり。上信越の残雪の山々である。名前を知らない山がほとんどだが苗場山だけは特徴があるからすぐに分かった。傾いた広い台のように見える。ゆっくりしたいのはヤマヤマであるが、日が暮れる前には下山したいから、早々と15:15には下山。オバさんGはいっこうに動く気配はなかったが、もしかして一泊するのだろうか?
15:40 堂岩山との間のピーク(約2,015m)。堂岩に着けば後は下るだけだし何とかなると思って、足を踏ん張る。
16:10 堂岩山。パンをかじる。出発してから初めての食事らしい食事。それまではクッキーをかじる程度だったが、さすがにそれだけでは力が出ない。
17:00 約1,800m地点。雪上の下りは夏山より断然に楽である。スキーならもっと楽だろうが、登山靴でもバランスさえよければ滑るように降りることが出来る。だいぶ、日が傾いては来ていたが空は晴れ渡り、まだしばらくは明るそうであった。気温16.7度。
17:25 ハンノ木沢。沢の流れは水量も豊富。この水で顔を洗い、体の汗を拭うのだが、これが凍るように冷たかった。
17:40 駐車場。沢からの登りは息が切れたが、すっかり太陽は山の向こうに隠れてしまった。ほぼ予定通りに下山できたが、かなり無理をしたなというのが本音。気温15.2度。

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