山ある記 |
|
太郎山、大峰山 (各1,164m、1,327m) − 長野県 2002.04.14 (日) |
|
天候:晴れ 標高差:730m |
<上田市民の山へ詣でる> 朝から暖かい日であった。少し動くだけで汗ばむほどの陽気。信州・上田の地に移住して2週間。引越し地獄もほぼ一段落して、そろそろ山へ繰り出したくなった。何しろ転職・引越しでここのところ落ち着かない日々が続いていたから、山どころではなかった。信州なら山は選り取りみどりだが、地元のシンボルに敬意を表して、最初の山はここと決めていた。 山口という地区へ入り、表登山道から登ることにした。登り口は上信越道のすぐ脇というロケーション。登り始めるとすぐ脇の足元を自動車がバンバン走り抜けて行く。 |
9:20
登山口には駐車場はないが、道路脇に既に6台ほど車が停めてあったので、これに倣って駐車(標高約600m)。標高差は大したことはないのでゆっくり足慣らしのつもりで登り始める。 9:50 太郎山神社の石の鳥居(約850m)。足元の石段に可憐にスミレが咲いていた。気温14.5度。 10:10 太郎山神社のすぐ下の朱の鳥居(約1,120m)。もう少しで神社本殿である。気温16.8度。 10:25 山頂。山頂は本殿の脇を通って更に少し歩くのだが、平坦な芝生になっており展望もよい。遠くは白くカスんであまり見通しはよくなかったが、美ヶ原の上部にまだ白いのものが残っているのまでは確認できた。多分、新しい自宅から見えるのもこれらしい。時間も早いので、少し足を伸ばして、尾根伝いに虚空蔵山(標高1,077m)まで行くことにした。が、これが間違いの始まりであった。 10:50 尾根の途中にある低くて古い木の鳥居(約1,220m)。これは後で知ったことだが、虚空蔵山を目指して西に向かっていたはずが、実は北の大峰山に向かっていたのだ。このときは全く気付いていなかった。 11:15 大峰山(1,327m)。この日は簡単な太郎山周辺の地図しか載っていないガイドブックしか持参していなかったので、大峰山なるものが、太郎山の北にあることすら認識できなかった。虚空蔵山ではないことだけは分かったが。とりあえず、いい時間かなと思い、引き返すことにした。 |
|
<参考地図> |
11:50
しかし、いつの間にか道を見失い、山中をさ迷い始めていることに気付く。木の幹に巻かれた黄色いリボンに惑わされて、来た道とは全然違う方向へ導かれていたのだ。ようやく車が走れるほどの幅のある荒れた林道に出た。少しホッとして林道を歩いていると測量に来ていた4,5人のグループに遭遇。そこでようやく自分が居る場所が分かった。真田町側の谷に出ていたのだ。彼等の地図を見せてもらい、林道の少し先から一旦、尾根まで登ってから行くのがよいと助言をもらう。礼を言って分かれる。彼らとは反対に進む。 しかしここからが長い道のりであった。どこまで行っても尾根に辿り着けそうな適度な登り口が見当たらない。倒木で塞がれ荒れた林道を突き進むと、最近車が通ったらしい気配のある林道に合流。こうなると完全に尾根に出るのを諦めた。下手に道もない斜面を登ったところで、どこの尾根に出れるとも知れない。多分、真田町に出ることが出来れば、後は何とかなるだろうと考えた。ただ地図がない分、いったいどれだけ歩けば町に出られるのかが分からず不安ではあった。その不安を和らげてくれたのはカモシカとの遭遇であった。別々の場所で2頭に出会えた。 12:50 真田町中組という地区へ出る手前で、山仕事をしている人を発見(約740m)。どれくらいで真田の町に出られるかを訪ねる。以外にもバス路線のある道路が近いことを知らされる。「捨てる神あれば拾う神ありだ」と思った。そしてそれまで歩いていた林道が石堂沢に沿って開かれた石堂林道だと知る。10分ほどで県道35号線に出た。バス停を見つけると、時刻表を見る。全然、走っていないではないか!しかたなく上田方面に向けてトボトボ歩いていく。まあ遭難しなかっただけ儲けものだったと考えることにした。 13:25 登山口。駐車した場所に戻る。なぜ、こんな早く元の場所に戻れたか?それは先ほど石堂林道で出会った方が途中で軽トラで拾ってくれ、そのまま送って下さったのだ。本当に感謝感謝で言葉もなかった。 |