山ある記・補足

   <またもや野宿。そして、明くる朝・・> 興味があればもう少し、お付き合いください。

 バス停のそばの売店にベンチがあり、これを向かい合わせで並べ、スポンジマットを敷く。簡易ベッドの出来上がり。
 トイレの洗面所で体の汗を拭い、夕食の準備。次第に暗くなる売店のベンチでインスタント・ラーメンをすする。
 早々とシュラフに潜り込むが寝付けない。すぐに蚊との格闘が始まった。しょっちゅう耳元を飛び交う。戦いに疲れ、眠って迎えた朝は無残であった。あちこちを蚊に刺され、人に見せるのも恥ずかしい有り様。

8/31(木)
 6時頃、雨が降り出す。7時に起き出し、朝食。雨も降り、やることもないので、再び寝ることにした。 そのうちにマイクロバスのエンジン音と、車から降りてきた人々の声で目を覚ます。時計を見ると8時。上流の椹島(さわらじま)のロッジの送迎バスで下山してきた人達だった。
 ダム付近にマイカーを停めている方は車でそのまま帰っていったが、中高年の男女3人ずつのグループだけが取り残され、私が横になっているベンチのある売店で腰を落ち着けた。リーダーらしい男性が、貸し切りのタクシーを呼んでいるからそれで静岡駅まで出ると言う。割り勘だからと私に同乗しないかと誘って下さった。おかげでバスよりもずっと早く下界に戻れそうだ。しかし、なかなかタクシーは来ない。雨も降った入り止んだりと、天気は落ち着きそうもない。
10:25 タクシーが到着。すぐに荷物をまとめ、タクシーに飛び乗る。バスだったら、あと2時間も待たされるはずだから、よっぽどタクシーの方がいい。
12:30 静岡駅にタクシー着。約2時間で静岡市内まで下ってきたことになる。恐るべき早さだ。今頃、ようやくバスがダムに着いたところだなと、しみじみタクシーのありがたさを噛み締める。割り勘で一人頭\4,600をリーダーに渡して、そのグループとは駅で別れた。静岡市内は雨も止み、蒸し暑いくらい。畑薙にいたときは肌寒いほどだったのにだ。
 この後、私は13:00駅前発の東京行きのJRハイウエイバスで帰ることにした(\2,850)。途中、東名足柄SAで10分休憩。
17:00 無事、バスでは東京駅に到着。