山ある記 |
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魚沼駒ケ岳 (2,003m) − 新潟県 2000.11.05 (日) |
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天候:曇り後晴れ 標高差:940m |
<遥かに遠い駒ケ岳に気も遠くなる> 3連休の最終日。前日の巻機山に続き、新潟に留まってここへ。 前夜のうちに小出町から国道352号を枝折峠の登山口まで車で上っていた。午後8時前には満天の星明かりの下へ。車中泊。 日曜の天気は下り坂に向かうのではないかと多少不安はあったが、余程天候が崩れなければ登頂するつもりで早々と眠りに就いた。 6時過ぎに目を覚ますと上空は雲が多く、はっきりしない天候。丁度、奥只見湖方面から日の出の時間であった。ご来光の右手には荒沢岳が間近に見える。更に右奥にこれも越後三山の一つ八海山、中ノ岳と続く。 |
6:40
駐車場(標高1,065m)を出発。登山道に入るとすぐに尾根に出る。駒ケ岳は遥か彼方に聳える。気が遠くなる。山頂付近は雲が多く、周囲もどんよりと曇っている。果たして辿り着けるのだろうか?目標物が見えるのも考え物である。時には気力を萎えさせることもある。くねくねと屈曲した尾根が上下を繰り返して山頂に続いているのが見える。 7:00 明神峠(1,236m)を通過。手前に大き目の観音様が立っていたので、今日の山行の安全をお願いした。 7:35 道行山の下(約1,270m)。小休憩(以下、休)。水分補給(以下、水)。脈拍160。途中の薮に何か大型の動物ががさごそと音を立てたが姿は見えず。熊だったらどうしようと不安になり、その場は先を急ぐ。 8:10 小倉山(1,378m)を通過。駒の湯への分岐。 8:35 約1,455m地点。休。水。脈140。早朝の山頂付近の雲もすっかり晴れてきた。どうやら天気は回復に向かっている。意外であった。 8:45 百草の池(1,540m)を通過。この先で早くも下山してくる中年のご夫婦に遭遇。山頂はガスっていたと言う。彼らは少し早く上り過ぎたらしい。私にしてみれば山頂での素晴らしい展望が期待できる。 9:00 約1,635m地点。休。水。ずいぶん山頂が近づいてきたが、昨日のお釣もだいぶなくなってきた。足腰に疲労を感じるようになる。 9:25 約1,810m地点(前駒の手前、唯一の難所・岩場の下)。休。水。脈144。岩場を下から見上げると確かに急らしいが、そこを難なく2人の青年が続けて下りてくるのを見て、安心した。 9:40 駒の小屋(1,880m)。休。水。脈160。すぐに山頂に向かう。 |
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10:00
山頂。最初は遥か遠くに見えた山頂も、なんとかこの足で踏む事ができた。非常に満足。脈156。今日はコンビニのおにぎりとお茶でブランチ。 ここに来るまでに考えていたことだが、いったい自分は山に何をしに来ているのか?これは「なぜ山に登るか」という問いと似ている。この日考えたのは、山で自然と対話すると同時に、自分とも対話しているのではないかということ。対話は対決と置き換えても当てはまる気もする。 山頂での眺望であるが、曇りがちで昨日のようには遠くまでは見通しは効かなかった。気温17度。 10:15 下山開始。山頂から見る枝折峠も遥か遠い。あとは来た道を戻るだけだ。少し下ると中ノ岳への分岐。標識には中ノ岳まで4.9kmとある。疲れも溜まってきたし、ゆっくり下ろう。そんな時、駒の小屋へ下りて行きながらこんな戯れ歌が思わず口から出た。 「朝ははよから駒ケ岳、あとは風呂へぃって帰るだけ」 右手に雪渓から融けて沢へ流れ出すのが見える。 10:30 小屋。晩秋とは思えぬ陽気になってきた。スキーセーターを脱ぎ、長袖Tシャツ一枚となる。 11:05 百草の池を通過。晩秋の山は夏山のような臭いはしない。あの夏のむっとするほどに生に満ちた香りはない。 11:25 小倉山。休。水。脈152。 12:00 道行山の下。休。水。脈168。 12:40 明神峠。振り返ると駒ケ岳は遥か彼方となっていた。登山口まで残りわずかだが、燃料切れ。おにぎりを再びパクつく。 13:10 登山口に到着。紅葉観光で来た人で駐車場はほぼ満車状態であった。 |
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<日帰り温泉> 湯之谷村交流センター「ユピオ」。枝折峠を湯之谷村へ下っていくとある日帰り入浴もできる複合施設。内湯1だが広い浴室。休憩室は有料。浴室からも紅葉が楽しめた。\500。 <参考地図> ・どこでもアウトドア 「日本百名山を登る(上巻)」(昭文社) |
コース全体としてはアップ・ダウンが多いが傾斜が緩いため、下りでも膝への負担が小さい。路面は前日の巻機山と似たようなものだが、泥濘(ぬかるみ)はこちらのほうが酷かった。ジャングルをあるいているのじゃないかと思える場所も。 枝折峠から車での下りも楽しいものであった。奥只見の紅葉はオレンジから赤系の色が勝っている。燃えるような紅葉とはこのこと。エンジン・ブレーキを効かせてゆっくりと景色を楽しみながら下る。。 |