山ある記

雨飾山   (あまかざりやま、1,963m) − 新潟・長野県                 2000.10.08 (日)

 
天候:うす曇
標高差
:840m
amak.jpg (19910 バイト)

荒菅沢の手前から雨飾山(20KB)。右手奥が山頂。

  <紅葉で着飾った雨飾山へ>
 白馬村の北、日本海ももう少しという小谷村。稲の収穫も終わった村を更に奥に入っていくと、歴史ある(らしい)小谷温泉(標高860m)。バスはここまでだが、マイカーなら駐車場のある登山口までいける。登山口からは手前の尾根に隠れて、雨飾山の山容は分からない。駐車場に着いた深夜には、大粒の数え切れないほどの星が空に散らばっていた。その駐車場で目覚めたときには、登山口は多くの登山客で賑わい始めていた。。

7:10 登山口(標高1,127m)を発つ。すぐに大海川沿いの広河原の湿地帯に出る。小さな流れにイワナが泳ぐ。
8:15 荒菅沢(1,448m)。尾根を横切るような形で一旦、沢に下っていくと、色とりどりの紅葉に包まれた雨飾山直下の急斜面が正面に見えてくる。岩が剥き出しの部分もあり意外と険しいことが分かる。沢を渡ると急登が始まる。

笹平から山頂を望む(21KB)。広大な笹原が広がる

9:20 笹平(1,894m)。荒菅沢沿いの狭い尾根を登り始めると、尾根に数珠つなぎになった人の列が見え始める。一本の梯子を登りの列と下りの列の両方が使うため、渋滞が起きている。もう少し早めに出発したとしても、やはり下りで渋滞に巻き込まれていただろう。兎に角、紅葉の見頃と3連休、好天が重なれば人出の多さは予想されたが、これほどまでとは思ってもみなかった。こんなに混んだのは今年の富士山以外ない。渋滞で進むペースが急に落ち、尾根を吹き抜ける冷たい風に吹かれると急速に体温が奪われていく。富士山での苦い想いがいやでも頭に浮かぶ。こんな所でリタイヤするわけにはいかない。すぐにフリースを被る。それでも寒いのは寒い。渋滞待ちは岩陰、草むらで風を避ける。
 笹平は文字通り、笹が広がる丘だ。山頂までは更に急斜面を登る。

山頂から後立山連峰を望む(12KB)。肉眼ではもっとくっきり見えます

9:55 山頂。笹平の手前同様、山頂手前の斜面も大行列。どこかのデパートの閉店セールでもあるのか?登りと下りが交互に道をゆずりながら、なんとか山頂へ。山頂も大混雑。満員御礼。しかしそんな些細なことは吹き飛んでしまうほど、後立山連峰の峰々や、妙高方面には焼山の背後に火打山が頭を覗かせる。眼下には糸魚川の町の眺め。残念ながら日本海らしい海上にはガスがかかり、どこからが海なのかはっきりしない。白馬三山から五竜にかけての山並みを見ながら、おにぎりで軽く昼食。
10:10 下山開始。次から次へと登山者が山頂へ押し寄せて来るので、足の踏み場もなってくる。名残惜しいが仕方なく下山することに。
 
 <日帰り温泉>
村営・雨飾荘。登山口から下って、小谷温泉の少し上手にある。内湯1、露天1(実は混浴らしい)。一人でぬる目の露天に浸かっていると、別の入り口からオバサンが顔を覗かせた。彼女はびっくりしたように声を上げて、戻っていったが、そこが混浴露天風呂であることは後で知った。ちなみにオバサンはちゃんと服は着ていた。\300。

 雨飾荘から徒歩3分ほど歩いたところに無料(!)の露天風呂があるらしい。そこは男女別。

<参考地図>
・どこでもアウトドア 「日本百名山を登る(上巻)」(昭文社)

10:35 笹平。登りの時よりも更に渋滞が酷くなってきた。笹平からの下りはもっと凄かった。何箇所かある梯子では、登りと下りで10人ずつが交互に通るというルールが自然にできて、人の列は徐々に前進していく。これでは何時に登山口に辿り着くか思いやられる。
11:50 荒菅沢。さすがに沢までの数珠つなぎとまでは行かなかったが、狭い山道のこと、あちこちで道の譲り合いが発生。自然と人と人の間隔が狭くなり、ちょっと石を踏み違えて、それが転がり出したりすると、下を歩く人を直撃。それが実際目の前で起きた。すぐ下のほうから危ない!と声が上がると、大きな石がゴロゴロ音を立て、跳ねながら落ちていく。片手で持つのは辛いくらいの大きさの浮き石を、誰かが踏み外した。下を歩いていた人の足に当たったらしい。幸い大した怪我にはならなかったらしい。
12:55 登山口に着く。荒菅沢までの下りは、渋滞のせいで汗もかかなかったが、沢を渡ると先ほどまでの人の列が嘘のようになくなった。自然に歩みが早くなる。森林の間を歩くので風も感じなり、汗もかき始めた。

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