4、金型に起因する問題
Q1 ショートショットするのでランナーを太くしたが効果が無い、逆にランナーの冷却時間
が伸びてしまった。


これは良くあるケースです。ショートショートになる理由を簡単に圧力損失で片付けようと
する安易な考えですね。昔は、常識だったみたいですが・・・・

ショートショットまたはヒケなどで良品が得られない理由を冷静に考えるべきです。
1)成形機の能力不足(成形品、ゲート、ランナースプルーでの圧力損失)
2)樹脂温度とヒケ
3)ゲートシール時間と保持圧時間(ゲート径、厚み)
4)射出速度とせん断発熱
5)金型のガス抜けが悪い(入れ子化、ガスベント)

・ ランナーでの圧力損失は、通常の設定径では意外と小さいものです。
太くすると若干圧力損失は減りますが、ランナーの冷却セットアップ時間が伸び、
成形サイクルを伸ばしてしまうことになります。

・ 逆に細い場合は、どうでしょうか?ランナーでの圧力損失は大きくなりますが、
せん断発熱により、樹脂温度が上昇し、樹脂の粘度(流れにくさ)が低下します。
このことは、成形品部での流れやすさに繋がります。過度な温度上昇は注意
しないといけないですが・・・(適正なランナー径が存在します)

また、ランナーが細い方が、ランナーの冷却セットアップ時間が短くなり、
成形サイクル短縮のネックが1つ減ることになります。
金型修正上の都合から言っても、細いランナーを太くすることは簡単ですが、
太いランナーを細くするのは費用もかかり困難です。
金型製作時は、細めのランナー設定で行うのが良いと考えています。

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