2、インラインスクリューの射出工程
Q4 樹脂は流れながら発熱するの(せん断発熱)!
樹脂は流れながらせん断発熱し、また逆に金型によって冷却されています。
樹脂の流れは、水のような粘り(粘性)が無い流体の流れと全く違います。

ファウンテンフロー
金型面との滑りによって流れるのではなく、流れの中心から金型面へ噴出す様に
流れていきます。(ファウンテンフロー)
(このことは、ガラスインサート金型と高速ビデオシステムにより、この目で確認しました)

injection3

ファウンテンフローして金型面に接した樹脂は、金型に急冷されスキン層(固化層) を形成し
そしてスキン層(固化層)は成長していきます。

流れの速度は中心付近が最も速く、金型面及び固化層に近づくにつれ遅くなります。
この断面方向での速度勾配(せん断速度)により、せん断(すべり)が発生し発熱します。
せん断速度は、同じ肉厚であれば射出速度が速いほど大きくなり、せん断発熱も高くなります。

また、速度勾配(せん断速度)は肉厚が薄いほど大きく、せん断発熱も高くなりますが、
固化層の成長による流動層の減少とのバランスがあります。

特に流れが絞られるゲート近辺では、せん断速度が急激に上がり、せん断発熱が高いため
注意が必要です。

よく難燃グレードなどの焼けやすい樹脂で、成形品の広い範囲で焼けが発生する場合は、
ゲート近辺の射出速度やせん断発熱をイメージし、対処しなくてはなりません。

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