2、インラインスクリューの射出工程
Q1 1次圧射出速度制御と 2次圧圧力制御の切り替え位置(V→P切り替え)の設定がわからない!
射出工程では設定した1次圧を基に射出速度で制御します。たとえば速度を徐々に上げいくと、
設定を上げても、ある速度から実際の速度が上がらなくなります。これは、その速度を出すため
に必要な1次圧力がなければ、設定した速度は出ないということであり、1次圧力を上げる
ことで、速度が上がります。

では、十分な速度が出ているのに、その速度に必要な圧力以上に1次圧が設定されて
いたらどうなるのでしょうか?充填完了とともにサージ圧として金型内に伝わり、オーバーパック
や不必要な成形ヒズミ(残留応力)を 残すことになります。

設定のやり方としては、1次圧を低めにそして射出速度を上げていく、設定速度が得られない
状態になってから、1次圧を徐々に上げていきます。最終的には、設定速度に必要な圧力より
少しだけ高めに1次圧が設定されるようにします。

V→P切り替え位置 は、1次圧速度制御から圧力制御に切り替える位置になります。
高い1次圧のまま充填完了してしまったら、過充填(オーバーパック)になるため、ほんの少し
手前から低い2次圧に切り替え、速度制御ではなく圧力制御でじわっと押し充填完了させ、
その後、冷却に伴う収縮を補います。

個人的な設定のやり方ですが、最初の切り替え位置は20mm程度に設定し、2次圧を切って
ショートショットから計量を増やしていきます。
ほんの少しショートになった状態から、低めの2次圧を設定し切り替え位置から2次圧で押します。
ヒケなどを見ながら2次圧を徐々に上げていきます。

このとき、最終クッション量が7〜10mm以下になった場合は、計量を少し増やし、切り替え位置
も同様に手前(増やす)に調節します。
また、最終クッション量が7〜10mmより大幅に大きい場合は、計量を減らし、切り替え位置も同様
に先に(減らす)調節します。
最終的には、良品が得られた時にクッション量が7〜10mm程度になれば問題無いと考えます。

また、2次圧だけでは押し切れない場合やヒケが解消しない場合もあるでしょう。
そういう時は、計量をいじらず、切り替え位置を少し先に(減らす)調節します。

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