IPマスカレードの設定(TurboLinux Advanced Server 6)

IPマスカレードについて

通常、1つの回線で2台以上のPCをインターネットに接続させるには、ルータ
を使用するのが簡単ですが、ルータ1台だけでは接続形態に制限が出てしまいます。
かといってコスト的には、ルータを何台も使うわけにはいきません。
そこで、LinuxのIPマスカレード機能を利用すれば、Linuxサーバー経由で接続できる
だけではなく、パケットフィルタリングにより、ファイヤーウォールの構築も可能になります。

接続形態

引越しに伴い、1階と2階でPCを接続する必要性が生じたため、
1階のPCはルータに直接接続し、2階のPCはLinuxマシン経由でルータに接続しました。

NET.gif

taka ルータ を1階に設置し、 tabo(Linuxサーバー)以下を2階に設置。

Linuxサーバーの準備

IPマスカレードを利用するには、LinuxサーバーにNIC(ネットワークカード)
を2枚さし、認識させる必要があります。

NE2000互換PCIカードの場合

root login するか、su コマンドでスーパーユーザーになる。
viエディタまたはemacsで/etc/modules.conf を開き

alias eth0 ne2k-pci ---- VAN用カード
alias eth1 ne2k-pci ----LAN用カード

を追加・保存する

# depmod -a
# mkinitrd -f /boot/initrd `uname -r`
# lilo
再起する

# /usr/sbin/turbonetcfg を実行

広域ネットワーク設定
ホスト名: tabo
ドメイン名: hosoyama.dyn.to
検索ドメイン: hosoyama.dyn.to
DNSネームサーバー: 192.168.0.6 ---サーバーでBIND起動
プロバイダDNSのIPでも可
GatewayのIP: 192.168.0.1 ---ルータのIP
Gatewayの機器: eth0

ホスト一覧

IPアドレス
FQDN
ホスト名
127.0.0.1
localhost.localdomain
localhost
192.168.0.2
taka.hosoyama.dyn.to
taka
192.168.0.6
tabo.hosoyama.dyn.to
tabo ---Linuxサーバー
192.168.1.3
junko.hosoyama.dyn.to
junko ---マスカレードするクライアント
192.168.1.4
ken.hosoyama.dyn.to
ken ---マスカレードするクライアント
192.168.1.5
miyu.hosoyama.dyn.to
miyu ---マスカレードするクライアント

インターフェースの選択・設定
インターフェース名
eth0
eth1
IPアドレス
192.168.0.6
192.168.1.1
ネットマスク
255.255.255.0
255.255.255.0
ネットアドレス
192.168.0.0
192.168.1.0
ブロードキャストアドレス
192.168.0.255
192.168.1.255

[*]起動時に使用
[*]起動時に使用

(*)No Bootp/DHCP
(*)No Bootp/DHCP

インターフェースの選択で起動させる

[*] eth0: 192.168.0.6
[*] eth1: 192.168.1.1
[*] lo: 127.0.0.1

/etc/rc.d/rc.local の設定

TurboLinux Advanced Server6の場合、標準でIPマスカレードが使えます。
/etc/rc.d/rc.local に、下記設定を 追加保存後、再起動
    echo 1 > /proc/sys/net/ipv4/ip_forward
/sbin/ipchains -P forward DENY
/sbin/ipchains -A forward -p tcp -s 192.168.1.0/24 1024:65535 -d 0/0 7:65535 -j MASQ
/sbin/ipchains -A forward -p udp -s 192.168.1.0/24 1024:65535 -d 0/0 7:65535 -j MASQ

ipchains の起動

    # /usr/sbin/turboservice
を実行し、ipchains を起動させる。

クライアントマシン(192.168.1.*) の設定

	TCP/IPのプロパティ
IPアドレス: 192.168.1.* ----それぞれのIPアドレス
ネットマスク: 255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ: 192.168.1.1 (eth1 のIPアドレス)
DNSサーバ: 192.168.0.6 ----Linuxサーバー(BIND起動)
プロバイダのDNSでも可

以上で、とりあえずネットアドレス192.168.1.0からサーバー経由で
インターネットアクセスが可能になります。
お好みで、詳細なアクセス制御の設定を追加します。

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