三国一のバイク馬鹿
愛車VFR400Rよ、さようなら

もう、7年が経った。
俺がバイクの免許を取得してから、そして、
ホンダVFR400Rという単車を手に入れてから。
語ることは本当に多いのだけれども、なんかしんみりしてしまうねえ。
そう、あと1か月でVFRとはお別れなのである。
てなわけで、このページの冒頭を飾るに相応しい(と思われる)
俺とVFR400Rの
7年に渡る愛と栄光の日々をつづってみようと思う。

ホンダVFR400R(NC30)とは、いわゆるレーサーレプリカで知っている人も多いと思う。
V型4気筒の凄いマシンで、少なくとも免許取り立ての者が乗れる代物ではない。
詳しい説明は省くが、カッ飛ばすだけでなく、ちんたら乗ってもそれなりに楽しい。
では、その歴史と思い出から語ろう。まずは、事故記録だ。
さすがに正確な記録をとっていなので、記憶による
バイク購入初日に帰り道で転倒。ブレーキペダルが曲がる。
2年目。この年が凄い。
春先、出社途中で、左折しようとした前走車に衝突。フロントカウル破損。
なんとか走行できたため、そのまま都内を走り回る。赤坂で停車した際、さすがに職務質問された。
その一週間後の深夜。
国道6号線の向島あたりを走行中、時速?kmで走行中タクシーに衝突。深夜だからとはいえ、客を乗せるために道のど真ん中に停車されたため、パニックブレーキ。滑走15m。単車はタクシーのバンパー下に滑り込み、踏みつぶされた。フロント全損。
さすがに走行できず。事故を起こしたタクシーに家まで送らせた。単車は交番に預かってもらう。
その時は知らなかったのだが、タクシー相手の事故はかなりヤバイらしい。営業車なので、修理代+使用できなかった期間の損害も賠償しなければならないらしい。
俺はそんなことも知らずにブチ切れまくり、とりあえず示談。
しかし、修理費50万!
健気にもローンを組んで払いましたよ。その時は廃車にしたほうが安かったということに気が付かなかった。
当然、絶対事故を起こさない宣言をし、現在まで無事故である。

続いて、怒りの日々。
今更だけれども、このバイクはどうやら「ハズレ」のようで、
国産車にしてはかなりトラブルが多かった。
とにかく電装関係が弱い。確か3年目くらいの頃だろうか、何故かバッテリーがすぐに上がった。
昼間はメインライトはもちろん、ポジションライトもオフ。
それでもクーラーが回り出すと(VFRはとにかく冷却が悪く、夏は火傷するほど熱い)、もうダメ。
アイドリング回転では発電量が足らないらしく、信号待ちで停止するとエンジンが止まっちゃう。
当然、セルなんか回らないから押しがけをすることになる。
忙しくてバイク屋に行けなかったため、真夏の1週間、お茶の水の駅前で必ず押しがけをしていた。
その後、バイク屋に持っていったが、レギュレーターとかいうパーツが死んでいると診断され、
しばらくはこの問題は解決。
しかし、去年の夏に再発。
北海道ツーリングの1週間前だった。
地元のバイク屋に入院させ、セレン整流器を交換。直ったのは出発前日。
しかし、完治せず!
モトトレインで函館に上陸した日の午後。JR函館駅前で押しがけ。こういう奴も珍しい。
函館のバイク屋で修理を頼んだら、案の定ダイナモが腐っていた。
最悪の場合、函館に3日足止めされることも覚悟した。
セレン、レギュレーターとどんどん遡り、ついに大元にたどり着いたわけだ。
運良く、ダイナモがあったため、即日出発できたが
このほか、自分の整備ミスによるものも多いのだが、
とにかく去年の暮れあたりから、トラブルが続出する
フロントフォークのオイル漏れ
チェーンの交換
エンジンがとにかくカブる。(なぜか必ず午後5時にエンジンをかけるとカブった)
エンジンのカブりは、エアクリーナーの交換を怠ったためだと後に気づく。
なにしろ金がかかりまくるので、買い換えを決心したのもこの頃だ。

負け惜しみに近いのだが、トラブルが多いだけにいろいろメンテナンスも覚えた。
今にして思えば、いい勉強をしたとも思う
なにより、思い出が多い。
北海道を除けば、決して長距離のツーリングをこなしているわけではないが、
記憶に残るのは、
なぜか、勢いで日光を目指し、夜明け頃についた明智平の朝焼け
奥多摩、市ノ瀬高原林道を走行し、道に迷い、危うく遭難しかけたこと
箱根(第3新東京市とも言いますね)のワインディングは今でもよく出掛ける
話は尽きない。
それに、バイクを操るテクニックを教えてくれたのもVFRだ。
ホンダのバイクは優等生で、誰が乗ってもそれなりに速く走ることができる。
私のような下手クソライダーにはありがたいバイクなのだが、
腕が上がればもっと楽しくなる(当然である)。
1万回転まで回した時の底力のすさまじさは、ある意味感動的でさえある。
単車としては極めて優秀なので、腕の劣る俺には荷が重いマシンだったと思う。
もっと腕が上がってから乗れば、もっと楽しいと思うのだ。

1997年4月現在、俺は大型二輪免許取得のため、教習所に通 っている。
4月30日に卒業検定という状態である。
この話は、それはそれで面白いことが多いので、また別項で書きたいと思うが、
次はなんと大型車を購入する。
またもや自分の腕も考えずに購入を決めてしまった。
けれども今回は、もっと腕を磨いてフルにその能力を使いきってやりたいと思う。
納車は5月末。あと1カ月だ。
その1カ月間。俺はVFRと最後の日々を過ごす。
さよなら記念ツーリングも考えている。行き先はどこにするか?
今、走ることが楽しくて仕方がない。
速く走るだけでなく、楽しく走りたい。
走ることを通じて、いろいろなことを学んでいる。
バイクはいいぞ!
どんなことでもそうだが、真剣に、そして全力で挑めば何かが得られる。
どんなにくだらないことでも、無駄なことでも。
バイクは、VFRはそれをも教えてくれた。
1カ月後、心からこの言葉を言えるように、悔いの残らない走りを俺は目指す。
ありがとう、そしてさようなら

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