HOME 小人閑居して不善を成す 三国一のバイク馬鹿 作者について LINKS

小人閑居して不善を成す

INNOCENCE

LDの頃から映画やアニメをパッケージで買うようになって、
まあ、気が付いてみると、SPECIAL BOXだのがそこそこある。
そればかりでなく、いわゆる「特別版」なんてのには、
本編ディスクのほかに特典ディスクなんかがついている。
これはこれで、いい商売で、
同時にリリースされるレンタル版は本編ディスクのみ、
セル版は本編+特典ディスクで差別化というわけ。
映像特典見てますか?
実は俺、あまり見ていない。
BOXセットなんかにはついている豪華ブックレットなんてのも読まなかったり。
読んでみたら、結構いいこと書いてあったりして後悔するわけだが。

いつものフレーズで申し訳ないんだが、
どっかの監督が誰かが、自分の作品について質問されたとき、
「私が伝えたいことのすべてはフィルムの中にある」
(言葉で補足するのは蛇足だということかしら?)
と答えたらしい。
別に影響されたわけではないし、俺自身はあとがきとか好きだが、
あんまり、後付けでなんか解説されるのは好きではない
特にわかりやすいエンターテイメントなジャンルは。
そういうわけで、あまり監督インタビューとか関心がない。
特にオマケの人形はまるで興味がない。
迷うのが押井守作品。
あれを、本編のみ見て、自己流に理解していくのは面白い。
「イノセンス」本編でも堂々と言ってるしね。
それでも、あまりにも情報量が多いというか、
命題の提示だけしかしていないわけだから、
本人の考えというのも聞きたくなってくる。
その点では、今回の特典は良かった
俺が買ったのはスタンダード版。
人形付きとかの特典はもともと興味ないのでちょうどいい。
極めて珍しいことに、オーディオコメンタリーまで聞いた
でも白眉はやはり押井守VS鈴木敏夫インタビュー。
「え、まさかそんなこと考えていたの!?」
というほどの驚きはないのだが、興味深い意見の応酬であったことは間違いない。
見応えあります
たまたま運良く入手できた先着購入特典のガイドも面白かった。
一番いいのは、それだけの内容で比較的安価だったことかな。
というわけで、公開時にも劇場でさんざん見たのだが、
DVDでもこれまたさんざん見ている。

本題となるわけだが。
ちょっとした勘違いと時間的都合により、
発売日の9/15に買うはずが、買いに行ったのは9/20。
ま、いつ行っても買えるだろう。とタカをくくっていた。
が、どこも売り切れでした。
それなりに告知も多かったし、世界的にも有名な押井守作品だからして、
かなり売れたのか!?
あるいは、発売元のイニシャル予測が上手かったのか。販売数はどれくらいんなんだろう。
だって、押井守作品ですよ。
しかもパート2ですよ。
攻殻機動隊が好きという人は多いはず。が、イノセンスは・・・。
これは、どっかで書いたので、手短に書くが、
「うる星やつらオンリーユー」は、あくまで「うる星やつら」だが、
「うる星やつらビューティフルドリーマー」は、押井守オリジナルでしょ。
「起動警察パトレイバ- the Movie」も、あくまで「パトレイバー」だが、
「機動警察パトレイバー the Movie 2」 は、(以下略)
この人のパート2って、原作から遠く離れて監督自身のテーマが濃くなる傾向がある。
イノセンスってタイトルを聞いて、最初は久々に完全オリジナルかと思ったわけだが、
実際は攻殻機動隊2だったわけで・・・。
その瞬間に、俺は 原作者からそのタイトル使わせてもらえなかったのかと思ったほどだ。
(ちなみに原作者が書いている攻殻機動隊2はサイバーパンクでありながら全然別方向の話)
ずらずらと長いが、つまり押井守オリジナル長編はヒットするのか!? という話だ。
そもそも、本来の押井守作品は、かなりコアなファンから熱心な支持を集めるものであって、
必ずしもメジャーヒットするものではない(はず)。
というわけで、売れたかどうだか気になるわけだ。
ちなみに、松戸駅周辺のレコード屋全滅の状況にありながら、
なぜか先着購入特典付きで売れ残っていたのは、Dマートのおもちゃ売場
なんか、俺の言いたいことが、このあたりで証明されている気がする。
これはまじめに販売数を調べてみようかと思わせる。

で、本編の印象に戻るわけだが。
映画館で始めて見たとき、家に帰って全作品をLDとDVDで見直した
なんかもう、必然的に、そうした。
これまで彼の作ってきた作品の持つ一貫したテーマみたいなものを感じたからだ。
言葉で言っちゃうとものすごく当たり前で、
「現実感の喪失」というか 「ものすごくリアルな駄法螺」というか。
あるいは、空想と現実を区別しないというか。
映像的にも徹底して、リアルな表現を目指していて、映画的な演出をする。
その一方で、実写作品を撮るとアニメみたいな演出をするし。
そのあたりも、リアルな駄法螺の映像化という気がする。
今まさに脂がのっている感じだし、集大成などと言うのは失礼なのだが、
ここでなにか一段落したな、という印象。
ひとまず、オリジナルでも原作ものでもなんでもいいのだが、新作が楽しみだ

もちろん、映像面はまだ先がありそう。
いわゆる2D+3Dというジャンルは、GONZOあたりも得意技なんだが、
それともちょっと違う方向性。
もちろん、3DCGバリバリの実写映画とも違うと思う。
このあたりは、監督だけでなく、プロダクションIGのメンバーもいろいろトライしているんだろう。
俺は見慣れたというか、もはや「何でもアリ」だと思ってはいるが、
いわゆる普通の2Dアニメ見慣れた感覚だと、違和感はあるだろうし。
宮崎アニメなんかは、デジタル採り入れてからもきちんと違和感なくしてるしね。
(「ハウルの動く城」については、何も書かないと思うが、見ようとは思っている)

でもって、まあ、なんだ。
どう締めようかまるで思いつかないわけだ。
というわけで、なんかだらだら書く。
例えば、また凝りもせずに小説を書くとして、完全に押井系に追従した線も面白そうなんだが、
とても追いつける気がしない。
また、作品の好き嫌いとか良し悪しとは関係なく、考え方の相違みたいなものもある。
そのへんをちょっと考え込んで、何も出てこないわけで、ちと落ち込んでいたりする。
いずれにせよ、創作意欲刺激されました。
ま、タイトルの通り、なにかよからぬことを企んでいるだけなんだが。

NEXT

HOME 小人閑居して不善を成す 三国一のバイク馬鹿 作者について LINKS