1998年を振り返って
-The books of the year,1998-

さんにとって今年はどういう年だったでしょうか。私は仕事にも大分慣れて、それなりに楽しい1年でした。こうしてこのページを作ってから2年目。Yahoo!にも載せていなかった最初の1年間と異なり、今年は去年に比べ10倍以上のアクセスを得ることができました。ひとえに毎週見てくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

書館には、標準統計というものがあります。その年の受け入れ冊数、貸し出し冊数など図書館における様々な変化を数字で表現し、次年度の方針の一端とするものです。全国的に実施され、図書館年鑑などに掲載されています。
そこで、わたしもその真似をして、統計を取ってみました。その結果と、今年1年を振り返って、どんな本があったかをざーっと見てみようと思います。

<統計>(1998/1/4より1998/12/27まで)
年間入館者数 14,889人
受け入れ冊数 190冊
評価状況 超おすすめ 23冊(12.1%)

と言っても大きな変化はアクセス数。自分なりに考えたところ、更新を週1回に限定したので、自分も読む人も楽だったこと、毎週それなりの量を掲載したことにあると思います。もしアクセスが増えなくてお悩みの方がいらっしゃいましたら、お試しください。

んだ本はこんなものでしょうか。まだまだ甘いなーと思っていらっしゃる方も多いかもしれません。毎週だいたい3,4冊くらいUPしていましたが、面白い本はやっぱり早く読める感じがします。

年は、面白い本が多かったのか少なかったのかわかりませんが、「人はどこから来て、どこへ行くのか」というものをテーマにしたものを結構読んだ気がします。そろそろノストラダムスの呪いの効果が見えてくる時期ですので(^^)、そんなことを考えるのも一興かなと思います。私はそういう話が結構好きなので、もしこれなんかどうかという本がありましたら、是非お知らせください。(小説に限ります(^^;)

<今年の本>

年読んだ本のベスト5を上げてみました。私の仕事は目録を取ることなんですけど、せっかくなので、日本目録規則に従って書いてみました(^^)。昔の図書館のカードはこの規則に従って書かれていたんですよ。

秘密 /東野圭吾著. 東京:文藝春秋, 1998.10. 415p;20cm
屍鬼 /小野不由美著 東京:新潮社,1998.10. 2冊(1271p);20cm
天使の囀り /貴志祐介著 東京:新潮社,1998.10. 445p;20cm
弥勒/篠田節子著 東京:講談社,1998.9. 555p ; 20cm
燃える地の果てに/逢坂剛著 東京:文藝春秋,1998.8. 724p ; 20cm

他のおすすめは、わたしのおすすめを御参照ください。「このミス」が出てしまっているのでつまらないベスト5になってしまいましたが、わたしが今年読んだ新刊の中ではイチオシの5冊です。「秘密」は、涙、涙の感動物語。最近面白い本ある?と言われて、真っ先にこれをあげています。友人にも好評でした。「屍鬼」は、厚さ、内容ともにものすごく重厚。「天使の囀り」は、わたしがホラーを見直した作品。「弥勒」は、美術品を守るためのちょっとした寄り道が、ものすごい冒険潭になってしまうお話。「燃える地の果てに」は、核兵器をめぐるスペインの村の大騒動。感想はそれぞれのページにどうぞ。どの本も、読んで損はありません。

こうして見ると、厚い本が多いですねえ。「屍鬼」なんて1271pで2段組ですから(^^;。それ以外は全部1段です。ただ、こういう本のすごいところは、厚さを全然気にさせないところでしょうか。寝ながら読むにはちょっと重いのですが、重いということを忘れさせてくれるくらい面白いです。

さてさて、これだけではつまらないので、「このミス」ベスト20にも入らなかったあまのじゃくベスト3も載せておきましょう。

夏のロケット/川端裕人著 東京:文藝春秋, 1998.10. 339p.;20cm
今はもうない/森博嗣著 東京:講談社, 1998.4 382p.;18cm
旅涯ての地/坂東眞砂子著 東京:角川書店,1998.10 556p ;20cm
こちらは、上とはうってかわって、薄めの本(「旅涯ての地」は厚いですが)。特に森氏の本は、シリーズの中でも薄めのものですね。わたしはこれが一番好きだったのですが、これを読むにはシリーズすべてを読まなければならないという大きな壁があって、他人には勧めにくい作品でした。

夏のロケット」はサントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞作。「今はもうない」はシリーズだからこそできる吃驚の結末。「旅涯ての地」は、発行時期の所為で「このミス」に入らなかったんじゃないかと思える力作。どれもよい作品です。

海外物はひとつもないですけど、そんなに読んでないですし、海外物は幅が広いので、ここでは載せないでおきましょう。「わたしのおすすめ」をご覧ください。

それでは、今年1年お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
1999年もまたよろしくお願いいたします。m(_ _)m

Hiroe's Private Library館長 片桐 裕恵