雑記帳・かつおの尾

2000年5月

 

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・二連勝と二連敗(5/2)

名人戦は二局戦って挑戦者の丸山忠久八段が二連勝,受けて立った佐藤康光名人
が二連敗となっている。佐藤名人は力を出し切れずに敗れている感じがするのだ
が、3局目は名人防衛には負けられない一番である。
将棋のタイトル戦7番勝負では今まで3連敗4連勝は無かったはずである。囲碁
ではあったと聞いているので,将棋界始めての3連敗4連勝も無いとは言えない
が、可能性は極めて低いと思う。3局目に佐藤名人が勝つと1勝2敗となり、こ
れは1番だけの差となり先の展開はまったくわからなくなる。
丸山八段はここのところずうと強さを発揮して各棋戦でも勝ち星をあげているの
だが,今が旬,今が棋力,気力,体力が充実している時だと思う。先々,何年も
何度もチャンスがあるわけでは無いと思う。南、高橋両九段も何年間か大活躍し
たのだが、30をいくつか過ぎた頃からパタッとタイトル戦に縁が無くなってし
まった。一流の棋士と超一流の棋士の違いか。数人の超一流の棋士を除いて,一
流の棋士でも年齢によるものが大きいと思う。丸山八段も力の出せる、勢いのあ
る今のうちに,名人となることができるかどうか。第3局は大一番になるだろう。

 

――∽―∽―∞―∞―*―*―*―∞―∞―∽―∽――

・有間皇子,結び松の歌 その後の後(5/11)

有間皇子の歌はどのようにして伝わったのか。興味深いところである。歌を作っ
た皇子は死ぬ前にその歌を誰かに委ねたと思われる。誰であろうか。自分を処刑
する側の人たちとは考えにくいのだが、どうだろう。あるいは護送の役人,責任
者か。あるいは一行の中に皇子の従者が,身の回りの世話をするために同行して
いて、その従者に託したか。いずれにしても、その歌は皇子の最後の様子ととも
に語られて、短い間に多くの人に広まっていった。
有間皇子の作った歌ではあるが、歌は作者から少し離れて、力を宿した。言霊と
いうのか、言葉のもつ力がそのままに歌に現れた。その歌に接する者は少しの畏
れをもって対したのである。
言葉に力があり、言葉に畏れを持って接した時代である。





   ┣ 舒明天皇  ━┳ 天智天皇(中大兄)              
   ┃        ┣ 天武天皇                  
   ┃                           
   ┣ 茅淳王 ━━━┳ 斉明天皇(皇極天皇)(舒明天皇后)       
   ┃        ┃                       
            ┗ 孝徳天皇 ━━━ 有間皇子         




     舒明天皇     ┓
              ┣ 天智天皇(中大兄)
              ┣ 天武天皇
     斉明天皇(皇極天皇)┛



三十五代 舒明天皇
三十六代 皇極天皇(斉明天皇)
三十七代 孝徳天皇
三十八代 斉明天皇 (皇極天皇)


(おわり)

 


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