【導入】 |
いよいよ導入である。頭の中はパフォーマンスが向上している組み上がったパソコンのことしかない。自分のマシンは、富士通の部品寄せ集めマシンだという意識は既になく、また、かつて組み上げたときのものすごい苦労など、微塵もあるものではなかった。気持ちはいち早く速いマシンをいじりたいということでいっぱいだ。私はあっという間にマシンを分解していた・・・ |
◆Winchip2A取り付け |
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今までささっていたPentium150MHzを取りはずし、購入してきたWinchip2Aをピンを曲げて計画がおじゃんにならないよう取り付ける。ここは慎重にピンの穴を合わせ無事取り付けた。 取り付けられたらジャンパピンの設定である。私のWinchip2Aは200MHzのため、バスクロック(JP4)を66MHz(3-6)に、CPU(JP8)をP54C(1-2)にし、さらに倍率(JP19/JP16)を3倍(V50LAは200MHzの時のみ、1-2/1-2となる)に設定した。そして電圧を購入したWinchip2Aの電圧に合わせた。私の場合は3.52V(JP21 2-3)である。 |
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ここで気をつけなければならないのは、CPUの電圧である。前もって自分のマザーが、3.3Vと3.5Vのどちらに対応しているのかチェックしておかないと、動作しない物を購入してしまう恐れがある。 |
◆CPUファンの取り付け |
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次に、CPUの上にシリコンを塗り、ファンの取り付けを行った。購入してきたのはこれくらい冷えれば問題はないだろうといわれるSANYOのファン。だが、これが失敗だった。まさかファンで失敗するとは。「載せ換えだから今までのを流用するか、または別のをつけても今まで通り動くだろう。」なんて甘い考えは通用しなかったのだ。「ファンの電源の取り口が合わんっっ!」SANYOのファンは3穴なのだが、マザーボードは2穴なのだ。今までのPentiumに付いていたのはPentiumにがっちりかみ合っていて使えない。(写真1) 「残念でしたぁ〜。」パソコンに馬鹿にされているようだ。お主、やるな!私はこんなところで挫折してたまるかとばかりに押入を引っかき回した。その結果、電源からとるタイプのファンが見つかったのである。とりあえず取り付け、パソコンの「動いてやらないっ!」という意志を一つ阻むことができた。(写真2) |
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写真1:マザーとファンのコネクタが合わず失敗。 | 写真2:電源から供給されるファンに変更。 |
◆OSの導入 |
いよいよWindowsの再インストールとなる。「これであとBIOSさえ設定すれば再インストールで終わりだ。」あと少し、あと少しと、はやる気持ちを抑えながら電源を入れると、まずBIOSがエラーメッセージを返してきた。「CPU mismatch」、これは通常CPUを変更するとでてくる。私の場合はもう一つ、「IRQ7 パラレルポート コンフリクトエラー」が返ってきた。これについてはネットワークカードなどを挿したときからでている。本来ならボ−ド類を抜いてから再インストすべきなのだが面倒くさい。ええい、問題ないだろう。私は、CPUのみBIOS調整した。というより、BIOSを立ち上げ、SAVEすると自動で調整されるのだ。 続いて起動ディスクより、パーティション変更、フォーマットなどを行った後再インストール。あれこれいろいろ聞かれた後、沈黙の数十分。この時間が長い!あと少しなのに何でおまえはそう焦らすんだ!俺はこんなに待ったんだぞ!おいっっ!という気分で待った後、「再起動します。」との返事。どうぞどうぞと私は快く再起動をさせてやった。 人の気持ちは変わりやすいものである。ついさっきまで快く返事に応じていた私の気持ちが一変した。Pentium200MHzと認識したまではよかったが、「不正な処理を行ったので終了します。」「レジストリエラー。Windowsを起動できません。」の嵐。ただWindowsを入れただけなのだ。「どうすりゃいいんじゃいっっっっっっ!」私はこのパソコンをぶち壊したくなったが、必死に冷静さを保った後、考えられる全てのことをやってみた。 @ボード類を挿したままでやったことが原因と考えられる。 ABIOSの設定がどこかおかしい。 BWindows98なら大丈夫じゃないか。 この3点を、@に関してはサウンドブラスター以外のボードを全て抜いて、Aは初期設定からやり直し、Bも一からインストールしてみた。しかし、なにをやってもだめである。万策つきた。私は窓の外を見やると、またもや空が白んでいる。もはや私のエネルギーは燃えつきた。 私は、このパソコンと別れることを半ば決意した。「もう、やるだけやったんだ。俺の手に負えるやつじゃなかったんだ。」離婚というのはこうやって起きるものなのかなと考えつつ、私は疲れをいやすため床に入った・・・・・ 翌日、少しぐらいはいじってみようと、また新たに考えられたことを試してみた。それはクロックを下げて動かしてみることであった。現在200MHzの設定を、とりあえず166MHzの設定に変えてみたのである。そしたらなんと動くではないか、コンフリクトエラー以外の何のエラーも返さず。つまりマザーボードがWinchip2Aの200MHzに対応していなかっただけなのだ。私はいろいろ試し、180MHz設定で安定動作することを見つけたのである(BIOSには180MHzなんて設定はないため、166MHzと表示される)。 |
◆パラレルポート コンフリクトエラーを修正
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さて、あとはのんびりしたものである。とりあえず動くことが確認できた私は非常に穏やか。まあ、残るボードはサウンドブラスターのみ。もしこれを抜いてもエラーが起こったらどうしようという不安はあったが、とりあえず抜いてみた。案の定、エラーが消えた。他のバスに挿してみてもエラーがでる。やっぱりな。サウンドブラスター(写真)が原因か。 と思ったが、ここで新たに不安が生じた。サウンドボードが必ずぶつかってしまったらどうしよう。音がでないパソコンなんてイヤじゃ。おっかなびっくり、あまっている別のサウンドブラスターをつけてみて一安心。ちゃんと動いたのである。どうも相性があったらしい。 |
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ここまでくるのにどれくらいの時間を費やしたことだろうか。完成したWinchip2Rev.Aマシン(写真)を眺めながらようやく速いマシンになったという感動と、全く手間のかかるやつだとの思いがこみ上げてきて、とても複雑な気持ちになった。 何はともあれ、NEW Acer/V(AcerBIOSで動作させているため、こう名付けた)完成である。 |