発行日:’94年 4月 9日(土)
発行:守山リス研事務局

リス研通信 No.343

北海道 帯広市エゾリスの会訪問 8/9

帯広の森と結ぶ道-農業高校、畜産大学へ

帯広畜産大学の回りで

帯広周辺の地図

緑ヶ丘公園と農業高校、畜産大学とは直接繋がっていない。しかし毎年誕生しているエゾリスが移動したり、生息が増えてゆくにはこの農業高校の地域、畜産大学の森林とが川や川原、街路樹でつながっていかないと、孤立した島となり絶滅の可能性が高くなると思われる。

今回の調査で「緑ヶ丘公園だけで3-4匹のエゾリスが生息できるのも不思議なくらいで、しかもそのリスが極めて人間を恐れず、どうどうと姿を見せていること」が分かった。これは当初の予想とは大きく違っていた。

東谷山のリスのようにまだ人目を気にする野性味を予想していたからだ。これは東谷山でのリスと人間との関係にもつながる大事なポイントと思われる。

この北海道のエゾリスは、こうした二次林により生息し、人間が持ち込んで植林したチョウセンゴヨウの実を餌として繁殖している。これは、野生動物が生きてその子孫を残してゆくために、人間が意図しないような形でも野生動物自らが独自に利用して行くという力強さを現すと同時に、人間が自然に手を加えて一定の距離で対応してゆけば、二次林でも充分生息し、繁殖してゆける事がここで証明されていると思うからです。

【エゾリスの会のI2さん、K2さん、Mさんには大変お世話になりました。この紙面をお借りしてお礼申し上げます。】

[写真:リスが渡る道]

農業高校と畜産大学の間の道路(ここで毎年6-7匹の交通死が発生)
ここの何箇所かに、緑の橋をつくる必要がある場所。


[写真:五葉松の林]

川沿いのチョウセンゴヨウの樹林


[写真:実験林]

シラカンバ、ドイツトウヒ、トドマツ、カラマツ等の実験林
(中には多数のモモンガ等の巣箱が掛けられていた)


エゾリスの会の皆様、I2さん、K2さん、Mさんいろいろとお世話になり有り難うございました。


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