発行日:’91年9月28日(土)
発行:守山リス研事務局

リス研通信 No.59


森林公園植物調査(結果)

日時
'91.9.22 朝8:00〜10:00 ( 植物園には9:00から入園)
場所
森林公園(早朝で北口から入り、いつもと逆のコースで)
調査結果
【オニグルミ】
場所・本数
花壇の東南の苗畑 1本
樹高・太さ
直径10cm、高さ10m程
実った房の数
40房(Uさんと数えた)
一房の実の数
10〜12
推定樹齢8 年ぐらいで、約400 個のクルミを実らせる事が分かった。今後も、クルミ狩りに行く場合、胸高直径を測定し、樹齢を推定し、房の数を数えて、実量を推定して、データーを取るようにして、植えつけた時、本数で数量が推定できるように準備する。
【ツブラジイ】
場所・本数
水生園と広芝生の間、10本前後
樹高・太さ
直径40〜70cm、高さ8 〜10m
実の様子
9月22日では、まだ厚い殻に包まれ、焦げ茶色の実の姿は見えない。それでも既にリスか鳥に剥かれたものを数個地面で発見。10月確認。
実の数
不明、下から見るだけでは数百個/ 本と推定10〜11月に落下する頃に拾って測定してみる。
【ヤマモモ】
場所・本数
水生園の小径2本
樹高・太さ
直径10cmと20cm、高さ5m程
実の様子
不明。武藤課長の話では、自生のものは実をな らすが植えたものは成りにくい由。今後確認。
【ツバキ】
場所・本数
沈床花壇から東の東門へ至道沿い。50本以上
樹高・太さ
直径5cm〜10cm、高さ5m前後以下
実の様子・実の数
固い殻につつまれた直径3 〜4cm 程の実が一本あたり10〜20個前後なっている。伊豆大島ではタイワンリスであるが、絶好の餌となっているがホンドリスでは確認はされていない。この冬確認してみたい。

【今後、継続的に、森林公園の実のなる樹木の名前、樹齢、開花時期期、実る時期、実る量、樹の大きさ(樹高、直径)など一つの地図に記入して良くわかるようにして行きたい(担当:Uさん)】


小牧山灰色リスの調査

日時
'91. 9.21
調査/報告者
Iさん

十畳ほどの広さの檻(リス研通信No.31参照)でリスを数えて見たが、15匹しかいなかった。箱の中に重なっていたため数えられなかったと思われる。

餌は、さつまいも、ひまわりの種、にんじんが与えてあった。檻の入口は、二重ドアになっていて、リスが逃亡しにくい構造にはなっていた由。

農業センターの橋川獣医に資料を渡しに面談した時、「小牧市からリスの飼育と放し飼いについて相談があった由で、その時放し飼いは絶対だめと回答した」由の情報をIさんから受信しました。


岐阜金華山の台湾リス

出典
アニマ 7月号 P110 タイワンリスのすむ山から(Nさんより)
「フィールド通信」岐阜より K.K.(県立K高校教諭)

…… 岐阜市街の東に立つ標高338.5mの金華山……初夏の金華山は開花期を迎えたツブラジイの花に包まれている。山中は頂上付近までツブラジイが優先種の常緑広葉樹で、アラカシ、サカキ、ヒサカキがみられ檜が混成している。…… 徳川時代は天領で伐採が禁止、明治時代は、御用林として保護……この山の森から麓の岐阜公園の動物飼育舎にタイワンリスが出没するようになった。朝と夕に日本ジカに与えられる餌を求めて数頭が現れた。カメラを構えても警戒心があまりないようだ。公園を訪れた人も飼育舎の動物より自由な動物" タイワンリス" を見ると感動をする。

この帰化動物のリスは、昭和初期に岐阜公園で行われた博覧会で展示した際に逃げ出したものとされている。豊富な木の実を生み出す照葉樹林でタイワンリスは繁殖し、個対数を増やした。一方昔からいたニホンリスはその姿すら発見できない。……400年もの昔から先人のお役人たちはこの森が大切だから伐採を禁止してきた。私たちも「人為的なミスでした」とタイワンリスをはじめとした問題を後世には残せない。……

【小牧市の状況がこの岐阜金華山の状況に非常に似ているのがとても心配です。そういう意味からも再度この金華山の件が見つかりましたので、ここにタイミング良く掲載しました。念のため金華山頂上にあるリス村のタイワンリスは、この一部を捕獲し、増やしたもので、リス村から逃げ出したものではないとの事を追記します】


リスワッペン・シールの検討開始

先回の打合せで、リス・グッヅを検討開始するとの話し合いを受け、Uさんが従兄弟の方(A.H.さん)にリスのイラストを早速書いて頂き送付してもらいましたので、ご紹介します。お手紙で、

「コレをこうして欲しいとか色をぬってほしいとか希望がありましたらまた連絡して下さい。絵を描くのは大好きですが、リスの絵は書いたことがなかったので、けっこうむずかしいですね- 見たこともないし……・機会がありましたらリスの話を聞かせて下さい! 」

とのUさんへの手紙とともに、下記のイラストを送付して頂きましたので紹介します。同様に、どんどんメンバー他のみなさまからも、応募・ご連絡をお待ちします。

[リスのイラスト5種]

シマリスの種蒔き

出典
週間「朝日百科−動物たちの地球」7/21
著者
竹田津実 WATCH BOX(5)
紹介者
Nさん (9/15日東谷山調査時)

秋が終わる頃、私がフィールドとして使っているナラ林の中の落ち葉の原で、赤や黄色の布テープがゆれる。特にドングリの大木を中心とした半径100mほどでは、その数が50を越すことがある。

シマリスの簡易貯蔵庫の位置を示す目印の布きれである。細い竹グシの頭につけられたその布きれの下には確実に4 〜6 個のドングリが隠されている。秋の日私が終日彼女達の後をつけて印をつけた、いわばシマリスたちの勤務成績図というべきものである。

シマリスは一般に冬眠用の貯蔵庫を1 〜3 ケ所持つ。その中でひときわ大きいのが自分もそこで生活する越冬巣である。

…… 落ち葉の数センチ下に、ほお袋一杯分の収穫物を匿す。ドングリの場合だとそれが4 〜6 個なのである。

越冬直前の一時期、又は冬眠明けの春先にそれを掘り出して食べるのだと言われている。本当にそうなのかとその秋調べる事にした。ノネズミに盗まれたりしたが春までに3 分の1 は残った。だが残念な事にその半分は利用されなかった。自分がどこにそれを隠したのか覚えていないみたいなのである。5 月忘れられたドングリから芽が出て6 月葉がついた。シマリスは忘れる事で林に種蒔きをしたのである。秋ドングリは落ち葉の下などの適当な湿度のあるところに落ちなかった場合、10日余りで死んでしまうのである。【貯食の量、深さ、寿命が参考】


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