−提 言−

・竹中大臣への公開質問状 −骨太の方針について− (2001/6/24)

各位
前略
はじめまして、突然のお便りを差し上げ失礼致します。
私は都内に勤務する三十代の会社員の者で佐藤と申します。
さて、この度、先日発表された経済財政諮問会議の「骨太の方針」に関し、竹中大臣に対し下記質問状を送付いたしました。
ご承知の通り、日本の将来にとって「骨太の方針」は国民的に幅広く議論して行くべきテーマです。そのため、当拙文を国会議員、有識者の方々等にもご参考として送付させていただいております。
ご多忙のところ恐縮ですが、どうか主旨ご高察のうえ、議会活動、言論活動の一助としていただければ望外の幸いです。
なお、内容、主旨等についてご質問等ありましたらご返信頂ければ幸いでございます。

                                                                    草々

「竹中大臣への公開質問状 −骨太の方針について−」

前略 竹中平蔵 経済財政担当相様

はじめまして、私は都内に勤務する三十代の会社員の者です。
大臣主導で作成された「経済・財政運営の基本方針」を拝見致しました。
経済・財政について、纏まった形で全般の分野にわたる政策パッケージとシナリオをバブル後の自民党政権下で初めて提示した戦略性に対し、改革実現に対する期待を改めて強く致しました。
また6月の月例経済報告で、景気は悪化していると明確に表現した率直さに敬意を表します。
さて、基本方針とそれに関するご発言に対し、いくつか下記のような質問がございます。


1.なぜ、当初から必要な構造改革と十分なデフレ対策を組み合わせて行う王道を行かず、わざわざ危険な「狭い道」を選択するのか。

2.なぜ「社会保険個人勘定」の先にあるはずの、具体的な財源措置の選択肢を一切示さないのか。

3.新サービス産業等による雇用創設を失業者吸収の器としているが、今後2、3年のGDP0〜1%の低成長の前提では、事業の準備期間等を考えれば5年間で雇用創設が十分な規模になると考えるのは非常に困難ではないか。

4.時価会計本格導入を控え、「持ち合い株買取り機構」についても、急激な解消売り可能性に対する危機管理として言及すべきだったのではないか。

5.今回、改革の骨子だけを示し、具体的政策は参院選の後に立案・実行する戦略は、米国経済が不安定の中では悠長過ぎ、政権としての責任感に欠けるのではないか。


私は、中長期戦略の一つとして、まず消費税の福祉目的税化等の具体的社会保障財源に言及し、少子高齢化社会に対する安心を根拠ある形で国民に明示すべきだと考えます。
また、不良債権処理等の外科手術に伴い必然的に発生するデフレに対する対策の一つとして、経済効果等を十分に考慮した補正予算を実施した上で必要な構造改革を行う。
これらに加えGDPの推移目標値を組み込んだ経済再生と財政再建の十年シナリオの概要を掲げ、7月の参院選で国民の判断を仰ぐのが政府・政権党の責任だと考える立場です。

景気回復に先んじて財政再建にも同時にある程度踏み込み、GDP 0〜1%の低成長下で構造改革を行う様な危険な「狭い道」をわざわざ選択するのは、失礼ながら無意識の内に経済再生に失敗した時の言い訳を今から用意しているからである様に思われてなりません。
しっかりした根拠ある財政再建シナリオを示した上で国民の同意を得れば、長期金利上昇等の懸念は大きなものにならないと考えます。

以上いろいろ勝手な事を申しましたが、全ては大臣と小泉政権による日本の真の改革成功を祈っての事です。ご多忙のところ恐縮ですが、どうか主旨ご高察の上、直接またはメディア等を通して前述の質問にお答え頂ければ幸いです。

                                                     草々

追伸、 「骨太の方針」は国民的に幅広く議論して行くべきテーマと考えております。そのため、当拙文を国会議員、有識者の方々等にもご参考として送付させていただいておりますので、ご了承下さい。

                                                     以上

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