−提 言−

 ・新−日本型システムの探求(1999/6/20)

80年代末前後に一瞬日本型システムがアメリカ型システムを凌駕したと見えた後、バブルの崩壊とともに完全に再逆転されたように見える昨今である。

日本の再生が内外より期待される一方、現在アメリカ経済も情報産業と金融産業に支えられつつもバブルであり、秋には大きく調整されるのではないかともいわれている。

ここで、来世紀に日本が再浮上するための戦略について考えてみたい。

アメリカ型システムの特徴はもちろんその競争指向にある。日本型システムでは、その逆に調和を重んじる伝統がある。今回はその横並び等の悪い側面が作用して大きな低迷に陥ってしまった。アメリカ型システムは貧富の差の極端な開きが社会の紐帯を断ち切ってしまうことが懸念されている。各論客、マスコミの論調を見ると極端に言えばアメリカ型システム崇拝論と敵視論に別れ、両者の議論がかみ合っていない感がある。

問題はこの危機的状況を打ち破り来世紀の勝者になる事であり、崇拝論と敵視論の徒になることが目的ではない。有効な戦略を組み立て実行することが必要である。

過ぎたるは猶及ばざるが如しで絶対競争が勝利の道でなく、また極端な調和、無競争が繁栄の道でない。中道を行くために両者を足して二で割れば曖昧で方向性がなくなる。

両者を構造的に組み合わせること、つまり最低限の敗者救済、生活を確実に保障するとともに、それ以外のところでは徹底的な規制緩和、自由競争に任せるべきである。基本的な答えは、ここに明らかであり、課題はこの基本コンセプトに従い各政策を貼り付けていく事、つまり競争と調和の程度を具体的にどうするかという事、手順、緩急軽重をどうつけて行くかという事に尽きるのではないか。

それが実際に出来れば、日本のみならず世界の進むモデルにもなり得ると考える。

                                              

                                                     以上

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