−小説・随筆等−

 

 ・詩歌 他

 

 ■蘭亭 (07/9/20於 紹興)

川面を渡る初秋の涼風

蘭亭に建つ書聖の揮毫

小人小事に心痛むるが

清流運筆淀みを知らず

 

 ■夜来香を聴く 2007/03/16

 

陋巷の酒場 一見の客となり

羊肉の串を積み 老酒の盃を重ねる

小姐の腰を抱き 聴く夜来香

人生将に至福の時

市井に埋もれ 志猶遠きに在るも

君許し給え 忙中一服の潤い

 

・自由律漢詩 試作(2006/12/231 於 烏魯木斉(ウルムチ)〜広州・香港 旅路)

 ■ 烏魯木斉を発つ

 暁の出航、烏魯木斉を発つ

 翼下に広がるアルタイ山脈

 積雪に鎖され幾千年

 地上の興亡幾百回

 

 ■ 長江を下る

 朝、万県を発ち長江を下る

 人生は大海に至る短き旅

 曲折在り、不慮の事在り

 行交う船在り、寄る港在り

 

 ■ 黄鶴楼に登れ不

 朝、泪羅の岸と黄鶴楼を目指す 

 車夫、道を誤り火車発する刻

 古の詩人は黄鶴に会え不

 吾は楼に登れ不、岸を歩め不 

 不運憤る勿れ、只縁無き故 

 

 ■ 赤壁

 江を渡る風、赤壁を撫でる

 昔日、曹公大敗を喫す

 将を失い兵を死なす事、責む可きなれど

 辱に学び重来するは雄たる所以

 

 

・短歌四首(2005/8/13

 君去りて 見上ぐる空や 茜雲 古書の街過ぐ 帰路ぞ寂しき 

 たおやかに 細き指にて 幾度にも 長き髪梳く 君を想わん

 控え目で 華やかでもある 君に似る 優しく薫る 石楠花の花 

 控え目で 華やかでもある 石楠花の 花の現身 微笑む君よ

 

 

A poem: "In Arlington cemetery"

The slightly elevated hill on the opposite riverside of the great man's
memorial.
White grave posts tidily stand in a line.
The politics of the homeland, please go the rule of right.
Since military men hope to die in righteousness from ancient times.

September 11, 2004
By K.S

 

 

・自由律漢詩 試作(2004/9/511 於 ニューヨーク、ワシントン.D.C 旅路)

 ■ アラスカ上空にて

 機上より見る 美国の陸

 冠雪の山塊 暁に映ゆ

 不図想う 渡洋爆撃の計

 敗戦に塗れ 幻に終わる

 昔日の敵は 今日の盟友

 往時の事は 雲海の果て

 

 ■ ニューヨーク9・11の跡地にて

 初秋の朝 晴天の奇襲

 摩天の双塔 夷狄に倒る

 古跡に似る 廃墟の巨溝

 企図す 更なる高楼再建を

 美国の兵 今砂漠に駐す

 大道在りや 解放の義旗

 覇道為らずや要衝の侵攻

 

 ■ リンカーン記念堂より望む

 石像の偉人 知将の尖塔

 美国の重心は 当に其の狭間に在り

 驕る莫れ 地上の覇者

 捨つる莫れ 其の立国の志

 

 ■ アーリントン墓地にて

 聖堂の対岸 小高き丘

 整然と並ぶ 白石の墓標

 願わくば王道たれ 祖国の政

 古来烈士 大義に死す

 

 

・自由律漢詩 試作(〜2001/8/31 於 北京、西安、蘇州、上海)

 ■ 於 万里の長城 

 稜々たる長城、望む地上の櫓から

 古人備える、北狄の来襲

 日夜鍛える鉄壁の楯とならん事を

 望む、これを恐れ無益の血を流す事無きを

 

 ■ 始皇帝陵

 兵馬居並ぶ秦君の陵

 帝 列強を破り天下を平らぐ

 覇を唱える事 短き二十余年

 将に見る創業は易く 経営は難きを

 今は眠る 秦君陵土の下

 将兵と伴に黄泉への途

 知らず 功罪如何なる裁きを受けたるかを

 覚えず 将兵如何に報われたかを

 

 ■ 蘇州旅情

 夜曲奏でる蘇州の舟旅

 小姐から買う白檀の扇

 茶を服する郊外の工房

 聞く無かれ旅の終着地を

 今は只望む 一時の休息を

 

 ■ 勃興 −上海にて−

 摩天楼より望む 往時の魔都

 河口を往来す 東西の船

 曲折を経て 再び栄華の道

 古来勃興は危うきを孕むと聞く

 願わくば平和裏に栄えよ

 発展と調和 天帝共に望む所

 

 ■ 上海遊戯

 魔都に遊ぶ、一時の休暇

 華人声をかける、歩行する吾

 日本と往復する船員と聞く

 流暢な英語を用い暫し歓談す

 茶房に導き吾を欺く事無かれ

 今はただ感じたし、開放の気風を

 

 

・短歌二首(2001/8/15

 かまびすき議論は在れど靖国の御霊は歴史を如何にか眺めん

 在りし日に列強の輪に加わりて今は詫びたし亜細亜の朋に

 

・作詞試作

20090511

■独眼竜 伊達政宗

梵天丸と生まれ出で  病に右目失いて
独眼竜の名をもらい  従う忠臣小十郎
馬上、野山を駆け抜けて 奥羽の国を平らげし
明王様の加護を得て いつか果たさん平天下

上洛時を得ずにして  小田原の地に参陣す
白帷子(かたびら)に身を包み 太閤殿と相対す
機転で首を繋げども  野望は失せぬ独眼竜
寄せては返す海原の  向こうに見果てぬ夢を見て

時は流れて太平の 世に伏龍もひねもす日
曇りなき心の月を先だてて 浮世の闇を照してぞ
この世の客と思うなら 何の不自由も在らねども
次も乱世に生まれ出で 四方に広げん仏国土

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 ■「シャクナゲの花のような君」 (2005/5/5

  シャクナゲの花のように 君の笑顔が開く
  刹那に 睫毛伏せて恥らう
  たおやかな白い指が そっと長い髪を撫でる
  永遠の時間の中 君は花咲く

  太古から変らぬ空の下
  恵み受け二人 寄り添う
  会えない日々には 君へ想いが募る
  優しく清く香る 君を想う

  白いブラウスから出る細い腕で
  花を摘み 僕の目を見つめる
  シャクナゲの花のように 君の笑顔が開く
  永遠の時間の中 君は花咲く
  君は花咲く

  作詞 佐藤鴻全
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 ■「レクイエム 〜西郷へ捧ぐ〜」 (2005/4/29

 1.天が与えた 二度目の命
   御意に報いし 国造り
   薩長結んで 幕府を倒し
   新たな世の中 開きたか
   西郷 西郷 吉之助
   日本の明日の そのために

 2.相手陣中 一人で行けば
   ここで終わるも それでよし
   敬天愛人 おいどんが思い
   四海を至誠で 満たしたか
   西郷 西郷 吉之助
   見果てぬ夢の そのために

 3.明けの城山 傾(かたぶ)く月よ
   旅の終わりの 旅支度
   鉄砲受けて 大地(たいち)に臥せば
   わらしに帰るよな 草いきれ
   晋どん 晋どんもう ここでよか
   残した明日(あした)の行く末を
   日本の夜明けの 捨石に

  作詞 佐藤鴻全、作曲者 不明
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 ■「演歌 坂本龍馬」 (2005/1/9『高知新聞』 2005/2/11掲載、 『正論』 20055月号掲載

 1.土佐の荒海、産湯の代り
   日々に励んだ 剣術修行
   たった四杯の黒船に 揺れるお上にゃ任せて置けぬ
   俺がやらねば 誰がやる
   坂本龍馬 怖さ知らずの脱藩郷士

 2.攘夷、佐幕と色々在ろが
   細かい事は 気にするな
   日本を造るそのために 掛けた命は呉れてやる
   お龍おまんにゃ 心配掛ける
   維新成就の 維新成就の大勝負

 3.硬い本など 柄ではないが
   国を思えば 苦とならぬ
   海舟、小楠両先生に 受けた教えは龍馬が血肉
   船中八策 表に掲げ
   大義を四海に 大義を四海に布かんのみ

 作詞、作曲 佐藤鴻全
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 ■「Jupiter」 (2004/12/11

 地上に生まれ 迷いつつ歩いて行く
 闇夜の中 祝祭を求めながら
 夢と現実の深き谷を
 越え行く勇気 与えてください

 地上に生まれ 迷いつつ歩いて行く
 目に見えぬ愛を 信じて

  − 間 奏 −

 はるか遠く見守る その営み
 Wars and rests I've seen them ずっと昔から
 憎しみと悲しみの 織り成す時代を
 変えて行く力 分けてあげたい

 人の心を 分かつ壁を
 打ち崩す知恵を 授けてあげたい

 野辺に咲いた 小さき花よ
 あなたが望むなら 共に在る
 時代の運命(さだめ)は あなたの手に

  今は心を 育む時
  自分の力を 信じて

 あきらめずに行けば 決して負けはしない
 栄光と挫折もまた 夏の夢
 寂しさと悔しさで 眠れぬ夜は
 私を思い出して 生きて欲しい

 作詞 佐藤鴻全
 Copyright (C) 2005 Kozen Sato. All Rights Reserved.

 

                       以上

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