−提 言−
・小泉首相ヘの公開質問状 −医療費3割負担について− (2002/2/6)
前略 小泉首相
日々のご公務お疲れ様でございます。
突然のお便り失礼いたします。私は会社員をしている30代の者です。
さて、今回の田中更迭騒動後、首相は抵抗勢力との対決姿勢を明確に示すため、サ
ラリーマンの医療費負担を2割から3割に引き上げる時期を03年度と法案に明記
するべく主張されていると報道されております。
首相はこれを聖域無き構造改革の一環とされているようですが、私にはどうしても
これが「構造改革」であるとは思えません。
もちろん、医療保険の破綻を防ぐためには当面やむを得ない措置かもしれません。
しかし、これは当座の勘定合わせ、辻褄合わせ以上のものではないと思われます。
医療保険における構造改革とは、現役保険制度からの老人医療の切り離し、消費税
の福祉目的税化によるこの老人医療を含めた基礎的社会保障の財源確立等が該当す
ると考えられます。
首相のされている事は、財務省の単純な財政再建至上主義の域を出なく、ビジョン
や理念を欠いたものと思われます。
また、事実上のデフレスパイラルに突入したこの時期に、これを敢行するのは実体
経済に対する責任を放棄した姿としか映りません。
真の改革の姿勢を示す事は、まずビジョンを示し、然る後に方向性、整合性をもっ
て具体策を組み上げ提示する事が王道であると思います。
どうか、首相は在らしむべき社会としてどのようなビジョンをお持ちであるかをま
ず国民にお示し願いたく、取り急ぎご質問とさせて頂きます。
草々