ベトナム旅行記

(準備編)


はじめに

 何でこんなに面白いんだろうかと旅行中不思議で仕方がなかったんですが、丁度僕が子供のころの日本と、今のベトナム似ているせいかもしれないと、帰ってきて気がつきました。 村上春樹が「辺境・近境」の後書きの中でこんなふうに書いています。

「たいていの人は旅行をしますよね。たとえば、たいていの人が恋愛をするというのと同じ文脈で。でもそれについて誰かに語るというのは、簡単なことじゃありません。こんなことがあったんだよ、こんなところにも行ったんだよ、こんな思いをしたんだよ、と誰かに話しても、自分がほんとうにそこで感じたことを、その感情的な水位の違いみたいなものを、ありありと相手に伝えるというのは至難の技です。といういか、ほとんど不可能に近い」

 本当にそうですね、僕も何人かの人に旅行の事を話したり、メールで書いたりしましたけど自分が伝えたいと思っている事ほど、うまく表現できないものですね。(おいおい村上春樹と比べるなよ;^^)だから実際感じたことの1/100も伝えられないとはおもいますが、誰か一人でもこれを読んで(私も旅行にでたい)と思った人がいたらとても嬉しいです。是非ベトナムに出かけて下さい。きっといい旅になると思います。


旅行は準備が楽しい?

 今度の旅行は準備の時からいろんな人にお世話になりました。あまりにも親切なので、ひょっとしたら自分が持っている他人に対する認識はかなり間違っているのではないかと思いはじめた....というほどではないですが。本当にみなさんありがとうございました。
 あ、それから多分読んでいけばわかるとは思いますが、僕は普段からあまりお金を使わないほう、早く言えばケチなので、その点を頭において読んでいただけると、理解してもらえる点がいくつかあると思います。ま別に理解していただかなくてもいいんですけど。;^^)

ガイドブックとインターネット旅行記

 まずは定番の「地球の歩き方」を読んで日数や行く場所を大まかに検討することにしました。しかし読んだ事のあるかたはご存じでしょうけど、このシリーズは体験談も入っていて、よくまとまったいい本なんですが。あちこち必要な情報が抜けてるんですよね。一番不満なのは地図が本当に貧弱で雑な点で、 自分の足で「歩いて」みようという人間にはとても不便です。それに「地球の間違い方」とかいわれるくらい、けっこう間違いもあるらしいので、とりあえずインターネットで旅行記を集める事にします。さすがに沢山の人が自分の体験を書いてくれていて、役にたつだけでなく読み物としてもとても面白いものがいくつかあります。シクロの人とのまるでTVドラマのような感動的な話や、逆にシクロの人の恨みつらみだけを書いたページもありました。その中でも内容が簡潔にまとめられていた中村香織さんのページがとても参考になったので、旅行の費用などをメールで訪ねたところ、とても丁寧にな返事をいただきました。人柄もあるのでしょうが、あちこち旅行をして(この人のwebページを見るとわかりますがいろんなところに一人で旅行してます)「情報を共有する」ということが身についているという感じですね、この秋結婚されるのがなんか残念?なような気もします。
 それはさておき、何冊か本を読みwebを幾つかまわっていくうちに、一週間ほどではホーチミン市周辺とメコン河沿いの町ぐらいしか廻れない事がわかってきました。まだ自由に外国人が旅行できるようになって日も浅いということもあるでしょうけど、基本的にベトナムという国はいわゆる普通の「観光資源」に乏しいように思います(特にホーチミン(旧サイゴン)のまわりは。フエは別にして、古い文化を偲ばせるような建物や遺跡があるわけでもないし、プーケットのような有名なリゾート地もない。政府も観光に力を入れてないのか、ノウハウがまだないせいなのかわかりませんが、観光スポットの看板や地図なんかも全くありません。いろんな人の旅行記を読んでも、いわゆる「名所」について書いてるのはほとんどありません。 だから日本人が好きな短い間にあそことここを廻っておみやげ買ってというような旅行をする国ではないようです。とにかく自分の足でホーチミン(サイゴン)市内を歩いて見てまわることにして、後は向こうに着いてからどこへ行くか決めるということで、7月の頭に出発する事にとりあえず決めてしまいました。(仕事の予定なんか考えてたらいつまでたってもきまりませんから)

旅行代理店へ

 さて日程も大体きまって、いよいよ旅行代理店へ具体的な打ち合わせ出かけますこれが5月の末ごろでした。今回お世話になったのは弟の友人でアレックスツアーの田中さん。田中さんは自分でもアジア、南米を歩き回っていて、以前から個人旅行をする人達の間では有名な人ですね。親切ですし、仕事も速いです。ビザと航空券の手配だけという、代理店にとってはあまりメリットのない僕のような客にもいろんな事を教えてくれますし、なにより話をしていて楽しいのがいいです。旅行代理店の人はなにより、旅行が好きというのが伝わって来ないと困りますよね。「いい年してこんなとこ行って、どこがおもしろいんだか」なんて顔の人がたまにいますけど、こういう方はどうにかしてほしいです。

予算はどれくらい?

 アレックスツアーの田中さんが見積もってくれた金額は以下のようなものです。
  • 1.航空券(関西国際空港発着)
       ベトナム航空(直行便) 週8便 ¥69,000  
       大韓航空(ソウル経由) 週3便 ¥58,000  
       アシアナ航空(ソウル泊)週4便 ¥81,000(富山発)
  • 2.ビザ取得           ¥12,000
  • 3.国内運賃(JR他)      ¥20,000
  • 4.宿泊費(20ドル×5)    ¥14,000
    ベトナム航空を使用して、¥115、000+食費+現地での交通費という事になります。15万円前後という感じですね。(実際はもう少し安くあがりました)

    便利グッズ

  • スライドポケット
     とにかく、(ぼられる)事と盗難には気をつけるようにと、ひつこいくらいいろんなところに書いてあるので、パスポートなどの貴重品をどうやって保管するのか真剣に悩みました。前回フィリピンに行ったときはグループのお金を管理していたので、Tシャツの下に首から袋を下げて保管していましたが、不便ですし第一不格好です。いろいろ聞いているうちに、スライドポケットというパンツの内側に吊り下げるケースがあることがわかったので、それを購入することにしました。これは本当に便利でした、特に大きなホテル以外に宿泊するときは必需品ですね。これで盗難にあったらあきらめるしかないです。
  • 布製の袋
     旅行に行くときって大きなバッグの方にはけっこう気を使うんですが、ちょっとした買い物とかしたときにあると便利です。ビニール袋提げて歩くのもなんですから。
  • バッジとかの小物
     後で雑誌を読んでそうかあと思ったのですが、子供の喜びそうなものを持っていくと簡単に仲良くなれて写真なんか撮るときに重宝するようです。
  • メモ帳
     人の記憶はあてになりませんし、こまめにメモを取ることで写真とは違ういい記念になります。表紙の固いものがいいようです。

    通貨は?

     基本的にはUSドルなんでしょうが、(どこでもドルがそのまま使えます)大きな街しか行かないという場合は日本円でもいいと思います。両替はけっこう遅い時間まで開いてますし。どちらの場合もベトナムドンに換えるのはこまめにする方がいいようです。沢山換えても使い切れませんし、後でドルに替えてもらうのはドンに換えたときの控えが必要だとかあって面倒です。

    何故か留学生の方と知り合いに!

     準備もだいたい整って出発も間近になったある日、メーリングリストのメンバーで留学生のお世話をしているえつ子さんから連絡があり、ベトナムからの留学生の方の御厚意で会ってお話を聞けることになりました。ミー、ハンさんというとてもチャーミングな女性で経済学部の一年生。生まれて初めてベトナムの人と話をするので、最初かなり緊張しましたが、さすがに日本語も上手で旅行に関する事だけではなくベトナムのいろんな事を教えていただきました。おまけに、彼女の知っている人の経営するゲストハウスまで紹介してもらうことになってしまったのですが、初対面の人なのにこんなにお世話になっていいのかなーと思いつつも、夜の空港でタクシーと交渉し、ホテルを探す不安が頭をよぎってついつい御厚意に甘えてしまいました。彼女だけではなくてベトナムの方には旅行の中でいろんな人に親切にされました。たまたま運がよかっただけなのかも知れませんが、不愉快な思いをしたことは一度もありませんでした。 !感謝!
  •  さて準備も整い、仕事も無事片づいて、いよいよ出発です!!!。

    1998.09.13
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