(混浴露天風呂体験記) |
![]() 男性の夢・・・、きっとそれぞれいろいろあることと推察する。政治家になる、芸術家になる、はたまたタレントになる、等と男の夢は様々である。 さて、男性ならばやはり女湯の番台に立ってみたい、女湯を覗いてみたい、というのも、また大きな、大変大きな夢であろう。夢であろう、などと言ってしまったが、そうじゃないぞ!と思われるお堅い方もいらっしゃると思うので、じゃあまあとりあえず裏の夢とでもしておこう。
そんな男の裏の夢だが、これはそう簡単にかなうような代物では無い。のみならず一生かなわないかもしれない。いや、かもしれない、では無くおそらくかなわない確率が断然高い。
ところがである。そんな実にかなえづらい男の裏夢であるが、もし番台で女性の入浴を覗くというような甘っちょろいものではなく、全裸の、それも見知らぬ他人の女性と一緒に「入浴」するということが、かなってしまったら!その興奮たるや!いかばかりのものがあるか!
私は以前勤務していた会社の寮の同僚達と新穂高に来ていた。 夜は夕飯の後、宴会になり、ひとしきり盛り上がったところで、同期のT氏を伴い露天風呂に入ることにした。 宿泊している某ホテルは結構造りもきれいでいい感じのホテルであったが、なんとホテルの正面にそのホテル所有の混浴露天風呂があるという。 私はもちろん何かを期待してこの混浴露天風呂に入ろうとしていたわけでは無く、ただ純粋に露天風呂で旅の情緒を味わいたかっただけだった、ということを己の名誉にかけて、ここで明言しておく、コホン・・・;。ただ何となく「今日は何かいいことがあるかも知れない」という予感も、あったにはあったことは、一応正直に白状しておく。 我々が入った当時は夜九時を過ぎた頃だったが、もう時間も遅くなってきていたのか、風呂は人影がなく静まりかえっていた。寮の他の連中は夕食に前後して既にこの露天風呂に入っていたようだ。もちろん彼等から嬉しいハプニングがあったという報告は聞いていない。
<図1>
何はともあれ、早速露天風呂へと向かう。
図を見ていただければわかるが、二つの湯が隣接している。両方とも我々が泊まったホテルのものらしい。
我々はとりあえず、「脱衣所A1」を経由し、メインと思われる「風呂A」に入ることにした。
その日は日曜で翌日は月曜ということもあり宿泊客も少ないこともあって(我々は団体だったけど)もうこの時間露天風呂には誰も入浴していなかった。折しも小雨がぱらつきだし、どうも誰かが入ってくる感じでもなくなった。ま、いいかと、とりあえず湯につかる。 湯舟につかりながら、私はふとある考えが頭に浮かんだ。「もし、今、女性客が露天風呂に入りに来た時に、こちらの風呂Aは広く明るいし、何より我々がいるから、こちらは敬遠し風呂Bに行くのではないか?」と。「風呂B」は湯の量も少なく、ひっそりとしている反面、静かなので女性は入り易い雰囲気が無いこともない。
風呂Bは先程述べたように段差があるような低い位置にあるので、Aから直接行くのはちょっとむずかしい。もし普通に行くとしたら一旦風呂Aを出て「入口B」より入っていくのが普通だ。しかし私は面倒くさいので、一気に「風呂B」へ直接飛び下りることにした(そこまでやるか!)。
なんと、「入口B」の方から女性の話声が聞こえてくる、「早速来やがったか!、ラッキー!」心の中で思わずガッツポーズ!。一気に期待が高まる。
と思う内に脱衣所Bから、登場したのはあろうことか、二人の老婆であった。
しかも老婆達はまさに着替えようとした時に、私の存在を発見し、こちらに向かって何ごとかをわめいているようである。よく聞き取れなかったので、こちらは丸腰で少々恥ずかしかったが、近付いていくと、どうやら『我々は女性二人だけで入浴を楽しみたい。貴君は若い上に男性であるから、遠慮して広い風呂Aにて入浴をすべきである』というような意味のことを、言っているらしかった。
その後もう一人老婆が風呂Bに入っていったようである。計3人の一応女性が風呂Bに立て続けに入浴しに来た。
そうこうする内に小一時間程時間がたってしまった。同僚のT氏は、もう限界らしく、先に出るということになった。私もそろそろあきらめようか・・・いや違った、ではなく・・・露天風呂の満喫を終了しようかとも思ったが、何か心に引っ掛かるものを感じ、まだしばらく入浴をつづけることにした。
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