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 Chapter 17 超人気!予約の取れない観察会(未定稿)

17−1 今年もセミの季節がやってくる


 今年度(2004年度)は,手賀の丘少年自然の家との共催観察会計画が先に進んでしまったので,我孫子市側で,鳥の博物館が独自に行う単発の観察会は,3回に縮小している。……これと別に,定例探鳥会(年12回)がスタートしたのだから,実質的には独自開催15回,とも言えるが……。

 その,やっとこ残った独自開催の観察会の1つが,「セミの羽化観察会」である。
 昨年は,台風に祟られて,辛うじて開催したのだが,非常に人気の高かった観察会。今年度の計画を立てるときにも,この観察会は,ほぼ無条件で,「前年踏襲」となった。

 もちろん,全く前年と同じことをする訳には行かない。観察前に行うレクチャーの中身も,スライドショーも,グレードアップしたり,話題の中心にするポイントを少し変えたり,あちこち手直しをする。しかし,前年実績のある観察会は,作るのが楽だ。定例の「てがたん」も,1年回って,来年になれば,少しは楽になるだろうか。

17−2 ダブルブッキング


  セミの羽化の観察会は,花火大会の開催日によって,開催日を決める。7月最終土曜日か8月第1土曜日で,花火大会の無いほうの日を,観察会の日にすることにしていた。この時期がセミの羽化の最盛期でもあるので,セミの都合により(苦笑),開催日を大きく動かせないと言う事情がある。結局,観光協会が花火の日を公式発表するまで,観察会の開催日が決まらないのだ。今年(2004年)は花火大会が8/7になったので,観察会は7/31に決定……って,環境教育学会の発表日じゃないか!

 最悪の場合,レクチャーは時田さんにお願いするとして,環境教育学会の発表時刻の決定を待つ。
 ……で,最終的に,31日の午前中にポスター掲出,午後1時〜3時に質疑応答,3時終了、と言う決定。

まぁ,1時間半もあれば,博物館に戻れる距離だから,午後5時半スタッフ集合,6時受付開始,6時半レクチャー開始,7時観察開始,と言うスケジュールに,ギリギリで間に合うことになった。

17−3 予約殺到!


 観察会の参加受付は,7/16の市の広報に開催案内が出てから,となる。
 しかし,案内文が良かったのか,昨年,満員で参加出来なかった人が殺到したのか,あっと言う間に予約定員の30名が埋まってしまった。昨年以上の出足の良さ。スタッフの人数,夜間の観察会と言う条件,レクチャールームの容量なども考えても,オーバーブッキング可能な数も限られている。結局,学芸員の判断で定員枠を数名プラスしたものの,焼け石に水。人気が高いのはありがたいが,ここまで人気が出てしまうと,複雑な気分。

17−4 満月と一緒


 観察会当日。
 暑い暑い環境教育学会での発表を済ませ,気力充実,体力降下気味の状態で,常磐線に乗って帰宅を急ぐ。さすがに,学会場で掲示した発表用ポスターはかさばるので,観察会に行く前に,家に置いておきたい。時間に余裕が無いので,着席が保証される上野には回れず,日暮里から立ち席で,しかも,ポスター片手に,車内でおにぎりをほおばっている私って……。

 一旦帰宅して,荷物を入れ替え,無事に午後5時過ぎに博物館に到着。4時半に閉館しているので,当全の如く,通用門から。最近,正面玄関,通っていないなぁ……。
 あ〜,やっと座れた……って,これからまた,立ち仕事ですが。

 観察会用の資材を博物館のワゴン車に積み込み,アビスタへ2km半のドライブ。
 ここから先は,昨年の経験が生きてくる。要領良く室内の準備を進め,ついでに,手賀沼公園に出て,アブラゼミの幼虫も1匹ゲット。これは室内で観察に使う。
 6時頃に,環境教育学会で知り合った方を迎える。わざわざ我孫子まで来ていただいて感謝。今夜の宿泊地は南千住だそうで,とりあえず電車に乗れば30分で帰れるようだ。談笑しているうちに,観察会の開始時刻を過ぎようとしていて,ちょっとあせる。

 さぁ,この観察会から,我々の観察会事業は「2巡目」に入る。

 しかし,レクチャーの喋りは快調,と言うには程遠く,やはり疲れていることを思い知らされた。スライドショーも,時田さんが改訂した部分があまり頭に入っていなくて,要領が悪い。こういうときは,話をそこそこに切り上げ,観察に重点を置いてみる。まずは抜け殻の標本の観察。手が動き始めると,口もちゃんと動くようになるのだから,不思議なものだ。いや,単に人前で喋るのに慣れていないだけなのか……。

 予定通り,午後7時には外に出て,手賀沼公園内を,セミの幼虫を探しながら歩く。
 ほぼ満月の,丸い月が出ていた。見慣れた手賀沼公園の風景も,こんな夜は,ちょっと気分が違ってくる。

 セミの幼虫は,本当に「うじゃうじゃ」と見つかる。ほとんどアブラゼミなのだが,ミンミンゼミ,ツクツクボウシが混じっていたりするので,きちんと1匹1匹,観察しなくてはいけない。

 今年は,「お持ち帰り用」の紙コップを用意した。コップ1つに幼虫1匹。こうして持ち帰れば,幼虫を傷つける危険が減り,確実に,家で羽化の観察が出来る。むやみにたくさん捕獲しない,と言う効果もある

。もちろん,子ども達全員が1匹ずつ持ち帰っても,今夜はその10倍ぐらいの数のセミが,この公園で羽化しているので,生態系へのインパクトについても,問題無い。それより,来週の土曜日の花火大会のほうが,セミ達にとっては,よほど迷惑なのではないだろうか?この狭い公園に何万人もの見物客が押し寄せるのだから。

 夜風が心地良い。そう言えば,我孫子は,東京に比べると,風の強い日が多い。

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