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 Chapter 11 初年度の成果(未定稿)

11−1 2003年度の成果


 観察会事業も,とりあえず初年度が終わった。
 これまでにやってきたことをまとめて,具体的にどんな成果が出たのか,一度,整理しておこう。それなりに手応えのある観察会だったし,いろいろとノウハウも蓄積してきた。もし,良好な結果が得られているのであれば,どこかに公表して,今後,参照出来るように,形に残しておきたいと言う希望もある。
 そのためには,具体的な数字を示したい。

 そこで,実際に,5回の観察会で,どのぐらいの参加実績があったのか,その内訳はどうなっているのか,時田さんに集計値を出してもらった。
 定員ギリギリだった2回目の観察会以外は,すべて予約定員オーバーで,やむなく断ってしまった人の数も少なくない。参加者の4割が小学生以下で,3割がその保護者。残りが,大人のみの申し込み。特に「セミの羽化観察会」は,大人のみの申し込みはゼロで,全て,子どもと保護者で占められている。観察会の内容によっては大人の比率が上がるが,それでも,野鳥の会の探鳥会のことを思えば(東京では,定例探鳥会への子どもの参加率は0〜15%程度),遥かに小学生の比率が高い。

 「子どもたちが遊べる観察会」は,実現されていた。

 さらに驚くべき波及効果が,入館者数に表れていた。
 前年度,2425名まで落ち込んでいた,小中学生の入館者数が,観察会事業を始めた2003年度には,8717名に跳ね上がっていた。全入館者数に占める小中学生の比率も,前年度の6%から,一気に21%に。入館料無料で統計の取れない未就学児童も含めれば,およそ4人に1人が中学生以下と考えられる。
 過去に小中学生の入館比率が20%を越えたのは,開館初年度(1990年度)だけである。以来,年々減り続けていた小中学生の入館比率が,劇的に増加していたのだ。

 博物館に,子どもたちが戻ってきた。

 もちろん,体験学習室のイベント活動が起動したことも,ひとつの要因となっているが,それも含めて,博物館が子どもたちの遊び場として,蘇ってきたのだ。しかも,開館初期に小中学生の来館者が多かったのは,遠足などの団体見学に拠る部分が大きかったのだが,2003年度の数字は,個人の来館者が主体となったものである。
 つまり,自発的に博物館に遊びに来た子どもたちが増えたのだ。

 観察会を始めた1年目で,いきなり,大きな成果が出ていたのだ。

11−2 環境教育学会へ向けて


 これだけの成果が出たのなら,どこか外部で公表しておかなくては。
 真っ先に思いついたのが,日本環境教育学会での発表。ここなら,他の博物館や科学館の人や,自然観察会などを手掛けている団体の人もたくさん参加する。環境教育学会でアピールすれば,宣伝効果も高いだろうし,他の組織との情報交換や交流も期待出来る。

 2004年度の環境教育学会のエントリ締切は,4月末。大急ぎで発表要旨を作り,申し込むことにする。
 細かい解析は後回しだ。インパクトのある数字が出ているので,それを元に,千数百字の作文をでっち上げる。いろいろな人と話がしたいので,ポスター発表にしてみる。

 発表は7月末。会場は池袋の立教大学。

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