「定点観察」はおもしろい!
対象年齢:小学校低学年以上。
観察するものによって,いろいろな学年で楽しめます。
春になると花がさき,秋には実がなって,葉っぱの色がかわって,落ちてゆく……自然は,ゆっくりとすがたをかえてゆきます。このようすを観察するには,同じものを同じ場所で,何回もくりかえし観察するのがいちばん。
これが「定点観察」(ていてんかんさつ)。
定点観察には,観察するものや,観察する自然現象によって,いろいろなやりかたがあります。
どんなふうに観察すれば良いでしょうか。
【用意するもの】
・カメラ
どんなカメラでもOK!デジタルカメラが便利です。携帯電話についているカメラでもだいじょうぶ。
・ノートやメモ用紙と,鉛筆
観察した日や時刻,天気,観察したもののようすなどをメモする。
【観察しよう】
まず,観察するものと,観察する期間を決めましょう。
花がさくのを観察するなら,つぼみのときから,花が終わるころまで。アサガオの花だったら,1日でも,じゅうぶんな観察ができますね。
つぎに,何日おき(何時間おき)に観察するか,決めます。サクラの花を観察するなら,花がひらくときには毎日,つぼみがふくらんでゆくのを観察するときは,1週間に1回か2回の観察でOKですが,アサガオの花が開いてゆくときは,10分おきぐらいに観察します。
観察テーマに合わせて,さまざまな観察のやりかたをくふうしてください。
サクラの花を観察してみました。
2005年の春に,サクラ(ソメイヨシノ)の花がさくようすを「定点観察」してみました。
2月18日
3月4日
3月10日
3月16日
3月25日
4月4日
4月5日
4月6日
4月7日
4月8日
4月12日
4月14日
4月18日
【でも,どうして?】(ちょっとくわしい説明)
いかがでしょうか。定点観察をすると,これまで気がつかなかったもの,これまで見えなかったものが,見えてきます。
サクラのつぼみは,少しずつ大きくなり,花が開く2週間ぐらい前から,ぐんぐん変化します。4月8日の写真を見ると,花びらが落ち始めている花と,つぼみが,同時に見えています。そして,葉が出てくるのは,花びらが落ちてから。
……ふだん,何気なく見過ごしていたものが,たくさんあったのではないでしょうか?
同じものを繰り返し観察する。ちょっとつまらないように見えるかも知れませんが,こうして,繰り返して観察しないと,見えてこないものがあるのです。身近なありふれたものでも,こうやって観察すると,とても興味深い観察が出来ます。
【もう少し観察してみよう】
このほかにも,いろいろなテーマで定点観察ができます。
紅葉を観察するなら,秋の終わりごろ,葉っぱが緑のうちに始めて,葉っぱが落ちるまで。
渡り鳥を調べるなら,たとえば,カモの来る池で,場所を決めて,10月から4月まで,1ヶ月に2回ぐらいのペースで。
昆虫の羽化を観察するときは,羽化が始まったら5分〜10分おきぐらいに観察します。
さぁ,身近な生き物で,「定点観察」を楽しみましょう!