春色!タンポポレシピ
対象年齢:小学校中学年以上。
お料理は,できるだけ,おとなの人と楽しみましょう。
タンポポが食べられること,知っています?
実は,セイヨウタンポポは,明治時代に野菜として,ヨーロッパから持ってきて,札幌で栽培されたのがはじまり。今では日本のどこでも,セイヨウタンポポが見つかりますが,もともとは野菜だったんです。
それなら,セイヨウタンポポを食べてみたらどうだろうか?
……やってみましょう!
【用意するもの】
・タンポポの葉。花のある季節なら,花も食べてみましょう。
・もし,タンポポの根っこも食べてみたいのなら,シャベルを用意してください。けっこう根が深いので,がんばって掘ってください。
・調理器具や調味料など。
セイヨウタンポポの花
【やってみよう】
「春色タンポポサラダ」
材料:
タンポポの葉っぱ 小さめのサラダボウル1杯分ぐらい
ニンニク 1かけ
オリーブ油(またはサラダ油) 大さじ1杯
ベーコン 1枚
卵 1個
塩,こしょう,酢(ワインビネガーがおすすめ)
作りかた
タンポポの葉はよく洗い,食べやすい大きさにして,サラダボウルに入れておく。
ベーコンは小さく切ってカリカリになるまでいためておく。
卵はスクランブルエッグにしておく。
ニンニクをスライスして,油でいためる。
ニンニクが少しきつね色になってきたら,いためた油といっしょに,熱いうちにタンポポにかけて,よくまぜる。
塩,こしょう,酢で味をととのえ,ベーコンと卵をトッピング。
……このサラダ,ちょびっとだけ,タンポポが苦いのですが(レタスぐらいの苦さがあります),春らしい一品です。
もっと簡単にタンポポを食べるなら,こんなものはいかが?
定番の…
「タンポポのおひたし」
作り方はほうれん草のおひたしと同じです。
苦味が気になる人は,ゆで上がってから水にさらす時間を少し長くしてみてください。
花の季節におすすめ
「タンポポのてんぷら」
作りかたは,ふつうの野菜のてんぷらと同じです。
葉っぱはもちろん,おいしく食べられますが,花をてんぷらにすると,とてもきれいです。
タンポポの苦味をいちばん感じにくい調理法です。
苦いのがいやな人は,てんぷらがおすすめ。
根っこも食べちゃおう
「タンポポのきんぴら」
タンポポの根っこできんぴらを作ります。
作りかたはゴボウのきんぴらと同じです。
根っこを掘るのがけっこう大変。掘った場所は,きちんと埋めておきましょう。
【ちょっとくわしい説明】
「摘み草」の思い出。
日本には昔から「春の七草」を食べる習慣があります。また,春先に野草を摘んで食べる習慣は,中国にもあるそうです。現在のように,いつでも野菜が数多く出回ることの無かった昔,春先の野草は,貴重なビタミン源でもあり,摘み草は,春が来た喜びを体感できるイベントだったのでしょう。
さて,今の日本の都会では,野草すら,なかなかお目にかかれない状況。「秋の七草」のフジバカマが絶滅の恐れのある生物種にリストアップされるほど,野草を取り巻く環境は,悪化しています。山に行けばタラの芽やワラビなどは,さんざん乱獲されて壊滅状態。野の草を食べるのも容易なことではありません。
しかし,身近でありふれた野草の中には,けっこう食材として使えるものもあるのです。特にセイヨウタンポポは,もともと外来種ですし,ヨーロッパでは野菜として利用されてきた歴史がありますから,食材として利用しやすいと思います。乱獲による絶滅の心配がない,ありふれた野草でも,食べられるものは結構あります。「春の七草」にもなっている,ハハコグサやハコベ,ナズナはもちろん,オオバコ,ツユクサ,クローバー,ハルジオン……身近な「雑草」と呼ばれるような植物にも,食べられるものはいろいろとあります。
野草の味は,現代の食材に慣れた舌には,あまり美味しいものではないかも知れません。私も,積極的に「食べてください」と薦めるつもりもありません。でも,日本に昔からある,「摘み草」と言う,自然と人がフレンドリーだった時代の文化に触れてみるのも,悪くないかな,と思います。