食卓でプランクトン観察
対象年齢:小学校中学年以上。
おとなの人が手伝ってあげれば,小学生未満からOK。
プランクトンって,知っていますか?
……そう,水の中にいる,ちいさな生きものですね。
じゃ,プランクトンを見たことある?
実は身近なところで,かんたんに観察できるんです。
海に行かなくてもOK!
観察場所は,なぜか食卓……
【用意するもの】
・シラス干し。安いのでOK。高級品よりは,安いもののほうがおもしろい。
・できれば,ルーペか虫めがねを用意してください。
・顕微鏡,特に双眼実体顕微鏡があると,最高に楽しい。
・プランクトンのことが出ている図鑑があれば,ぜひ。
【やってみよう】
まずは,お店でシラス干しを買ってきましょう。シラスじゃなくても,小女子のような小魚のパックでも,いいでしょう。
お箸で少しずつ,シラス干しでもつまみ食いしながら(笑),小魚じゃないものがまざっているのをさがします。
いろんなものが見つかると思います。
これはカニかヤドカリの幼生みたいですね。しっぽがまだ,後ろに飛び出しています。こういうのは水の中をフワフワ泳いで生活しているので,シラス漁の網に引っかかったのです。
ほかにも,エビやカニ,オキアミの仲間などの甲殻類(こうかくるい)の赤ちゃんが,いろいろ見つかったりします。
近所のスーパーで1パック100円で売っていたシラス干しから出てきたものを紹介しましょう。
……いろんなプランクトンが見つかりました。
たまに,こんなのもいます。
イカの赤ちゃんです。
イカが卵を産んでこどもが生まれる季節は夏ですから,夏にシラス干しを買うと,見つかる可能性が高いのでは?
【でも,どうして?】(ちょっとくわしい説明)
シラスはイワシの赤ちゃんです。シラスをとるためには,とても目のこまかい網を使います。
ですから,シラスぐらいの大きさのプランクトンも,いっしょにつかまってしまうのです。
エビやカニも,卵から生まれてしばらくは,親とはちがう形の体をしていて,水中をただよいながら,成長します。こういう状態のエビやカニも,「動物プランクトン」の一種と言えます(「幼生」って言うやつです)。もちろん,シラスぐらいのサイズより大きくならない動物プランクトン(放線虫など)もいます。こうした小さな生きものが,シラス漁の網にかかるわけですが,本格的なプランクトンの研究には,もっと目のこまかい網……プランクトンネットを使って,さらに小さなプランクトンをつかまえたりします。
シラス干しに混じっているプランクトンは,肉眼でもなんとか観察できますから,ちょっとしたお遊びに,もってこいではないかと思います。
高校の生物の授業で,エビやカニの幼生のことが出てきますが,意外と実物を見ていないで勉強しているんじゃないでしょうか?そんなとき,話のついでに,シラス干しの観察をしてみれば,「現物」が手に入るわけですから,より理解しやすくなるのではないでしょうか。
【もう少し観察してみよう】
プランクトンに興味を持ったら,目の細かいナイロンメッシュなどで網を作って,海にプランクトン採集に行きましょう!
シラス干しに混じっていたものと同じようなプランクトンは見つかるでしょうか?それとも,もっと別の種類のプランクトンが見つかるでしょうか?